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「冬時間のパリ」

Doubles vies…akaNon-Fiction2018 フランス

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パリに住む敏腕編集者アランは、業界に電子書籍ブームが激しい勢いで広まっている現実に頭を悩ませている。そんな折、友人で作家のレオナールが新作の相談にやって来る。彼の小説はTVの人気キャスターとの不倫がネタになっているが、本当はアランの妻でTV女優のセレナとの秘密の関係が書かれていた


アランはデジタル担当の部下ロールと、そしてセレナはアランの友人の作家レオナールと浮気をしている。セレナは夫が浮気をしていると睨んでいるが、アランは妻がレオナールと浮気をしていることを知らない。

レオナールの妻ヴァレリーは、政治家の秘書としての仕事に夢中で、夫が本の出版で悩んでいても無関心を決め込んでいる。でも誰かと浮気をしていると感じていた。

ラスト、アランの海辺の別荘に招待されたレオナールは妻ヴァレリーを伴って現れる。アラン以外の3人は過去の関係を知っているが、皆知らんぷりを決め込んで飲んだり、食べたり、おしゃべりしたり。ラテン民族の彼らの行動に飽きれながらもスゴい!なぁと感嘆する。


以前見たフランス舞台の映画の中で男は夫婦生活を保つために浮気をする。と語っていた。保つため…”って?男の身勝手な言い訳以外の何ものでもないと思うけど...。フランス人ってパートナーと別れても(離婚含む)友人として付き合いが続くらしい(一般的なのか?一部の人なのか?わからないけど)。


ジュリエット・ビノシュを始めて見たのは「存在の耐えられない軽さ/1988」。あれから30年以上たっているが彼女若い。というより何となく可愛いイメージがある。

ビノシュ映画は「私の知らないわたしの素顔 2019」が今週末公開予定。SNSで若い女性になりすます中年の大学教授役。シアターで予告編も見たけどビノシュにぴったりのキャラっぽくて鑑賞が楽しみ。


監督オリヴィエ・アサイヤスの「夏時間の庭/2008」をもじってつけられた邦題は少々短絡的?

アランの出版社のオーナー、ルーヴェルを演じるパスカル・グレゴリーは「王妃マルゴ 1994」でアンジュー公を演じたフランス人俳優。少しの出演でも相変わらず貫禄たっぷりで存在感あり。


ドラマの中、実名でハリウッド俳優の名前が語られ、TV俳優セレナを演じるビノシュがジュリエット・ビノシュのメルアドを知っていると言うと、レオナールが”教えて!”何ていうセルフもあり。

セレナは元は舞台俳優。しかし今ではTV俳優に甘んじている。

ハリウッド俳優の中でTV俳優から成功したした人は誰?って話の中で、ジョージ・クルーニー&ウディ・ハレルソンの名前があがる。TVから有名になったと名指しされるジェニファー・アニストンも出てきて面白い。

友人がレオナールに次に浮気するなら女優じゃなくてテイラー・スウィフトにしたら?なんてセリフもあった。

コメデイだけど大笑いするほどのモノではない。シニカルな会話が飛び交う大人のドラマといった感じ。

English titleNon-Fiction」は作家が体験したことしか書けないからつけたのかな?


アランに「シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢/2018」のギヨーム・カネ。

セレナに「アクトレス ~女たちの舞台~/2014」のジュリエット・ビノシュ。

レオナールに「 セラヴィ!/2017」のヴァンサン・マケーニュ。

ロールに「偉大なるマルグリット/2015」のクリスタ・テレ。

ヴァレリーにノラ・アムザウィ。

マルク=アントワーヌ・ルーヴェルに「クララ・シューマンの愛/2008」「嫉妬/2012」のパスカル・グレゴリー。

監督、脚本は「パーソナル・ショッパー/2016」のオリヴィエ・アサイヤス。


Bunkamura ル・シネマにて


by margot2005 | 2020-01-13 00:14 | Comments(0)