2019年 12月 26日
「2人のローマ教皇」
「The Two Popes」2019 UK/イタリア/アルゼンチン/USA

2013年、カトリック教会が様々な問題で大きく揺れる中、ローマ教皇ベネディクト16世が700年ぶりとなる異例の退位を決意する。やがてコンクラーヴェによりホルヘ・ベルゴリオ枢機卿が選出され、新教皇フランシスコが誕生する。そして物語は過去に戻る…
2012年、ベルゴリオ枢機卿がアルゼンチンからベネディクト16世に会いにバチカンにやって来る。その訪問はカトリック協会の方針に不満を抱き辞任を申し出るためだった。ところがスキャンダルに直面するベネディクト16世はベルゴリオ枢機卿の辞任を決して認めようとしなかった。
「ローマ法王になる日まで/2015」を見ていたので本作にも興味があった。先だってローマ教皇フランシスコが日本に来たばかりだし。「ローマ法王になる日まで」で描かれた若き日のベルゴリオのシーンが本作にも多く登場する。
ベネディクト16世とベルゴリオ枢機卿の考え方はかなり異なる。しかし二人は対話を通して理解しあうようになっていく。
「ローマ法王の休日/2011」で詳しく描かれたコンクラーヴェの様子が本作でもバッチリ。枢機卿たちの赤と白の装束はまるでサンタクロースみたい。
2人のローマ教皇を演じるアンソニー・ホプキンスとジョナサン・プライスは絶妙の配役だと思う。
退位した名誉教皇がローマ教皇フランシスコを訪問しTVでサッカー観戦をする。ドイツ人とアルゼンチン人の彼らがサッカーに興じる姿が微笑ましい。
史実ではベネディクト16世は退位以前にホルヘ・ベルゴリオ枢機卿とは会っていない。ラストに二人が揃う実際の映像もあり。
コメディが似合うイタリア人俳優リベロ・デ・リエンツォが終始真面目な顔をしていておかしい。
ラッツィンガー枢機卿/ベネディクト16世に「ブレイン・ゲーム/2015」「アウトバーン/2016」のアンソニー・ホプキンス。
ホルヘ・ベルゴリオ枢機卿/ローマ教皇フランシスコに「天才作家の妻 -40年目の真実-/2017」のジョナサン・プライス。
若き日のベルゴリオにフアン・ミヌヒン。
ベネディクト16世の側近ロベルトに「バッグにはクリプトナイト/2011」「いつだってやめられる:3部作/2014〜2017」のリベロ・デ・リエンツォ。
ドライヴァーに「トスカーナの休日/2013」のヴィンセント・リオッタ。
監督は「ナイロビの蜂/2005」「ブラインドネス/2008」「リオ、アイラブユー/2014」のフェルナンド・メイレレス。
シネ・リーブル池袋にて(期間限定のため既に上映終了)
池袋西口公園extremeイルミネーション2019/2020,1.31まで






