2019年 12月 25日
「リンドグレーン」
「Unga Astrid」…aka「Young Astrid」2018 スウェーデン / デンマーク

”『長くつ下のピッピ』『ロッタちゃん』など世界中で愛され続ける名作児童文学で知られるスウェーデンの女性作家アストリッド・リンドグレーンの知られざる若き日に焦点を当て、一人の女性の力強い生き方と作家としての原点を見つめた伝記ドラマ。”
16歳のアストリッドはスウェーデンの自然豊かな田舎町で自由奔放に育つが、キリスト教精神にもとづく保守的な環境に息苦しい思いをする日々。月日がたったある日、地方新聞社のブロムベルイに雇われ、アストリッドは次第に文才を高く評価されるようになる。やがて彼女は妻と別居中のブロムベルイに惹かれ、二人の仲は深まって行く…
現在のスウェーデンじゃ考えられない話だけど、1920年代の田舎町で未婚の女性が妊娠することは罪悪だった。アストリッドの両親は敬けんなクリスチャンだからなおさらのこと。
ブロムベルイは妻と正式に離婚していないのでアストリッドとは結婚できない。アストリッドは両親にも頼れない状態で、誰も知り合いのいないデンマークで秘書になるための学校に通い始める。そして息子が生まれ、里親マリーに引き取られる。
本作は少女時代のアストリッドが後に夫となるステアー・リンドグレーンと出会い、両親が孫を受け入れるまでを描いた伝記ドラマ。
オープニングは年老いたアストリッドがスウェーデンの子供たちからバースデイカードを受け取るシーン。カードには絵と共にメッセージが添えられている。そのメッセージはどれもアストリッドに感謝するもの。スウェーデンの子供たちはアストリッドが大好きなのだど示すとても素敵なシーン。
リンドグレーンの児童文学は知っていても彼女の人生など知る由もなかった。ステアー・リンドグレーンがなんとも良い人!嬉しくなる。相反してブロムベルイの冷たさには驚いた。ステアーと出会えてアストリッドの人生が開けたと思わずにはいられない。そして慈愛深い里親マリーの存在も忘れてはならない。
アストリッドにアルバ・アウグスト。
母ハンナに「真夜中のゆりかご/2014」のマリア・ボネヴィー。
父サムエルに「ミレニアム2 火と戯れる女/2009」「ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士/2009」のマグヌス・クレッペル。
マリーに「ピエロがお前を嘲笑う/2014」「消えた声が、その名を呼ぶ/2014」のトリーヌ・ディルホム。
ブロムベルイに「テルマ/2017」にヘンリク・ラファエルソン。
ステアー・リンドグレーンに「SPY/スパイ/2015」のビョルン・グスタフソン。
監督、脚本は「愛する人へ/2014」のペアニル・フィシャー・クリステンセン。
神保町 岩波ホールにて

