2019年 06月 02日
「コレット」
「Colette」2018 UK/USA/フランス/ハンガリー/オランダ

豊かな自然に囲まれたフランスの田舎町サン・ソヴールで生まれ育ったコレットは14歳年上の作家ウイリーと出会い恋に落ちる。時がたち1893年にウイリーと結婚しパリで暮らすことになる。コレットにとってパリは別世界で、その時はまさにベル・エポック真っ只中で活気にあふれていた。ウイリーと共に芸術家たちのサロンに通うコレット。最初は馴染めなかったが次第にその享楽の世界に浸り始める…
映画解説に”フランス文学界で最も知られている女性作家シドニー=ガブリエル・コレット。”とあるが、日本ではあまり知られていないかも知れない。
上映が終わったシアターのエレベーターの中、カップルで鑑賞したらしい男女。男性が女性に”コレットって知ってたの?”との質問に”知らかったわ”との答え。やはり…。
大昔フランスの小説にハマった時コレットの本を読んだ記憶がある。でも残念なことにどの小説だったか覚えていない。
過去にミシェル・ファイファー&ルパート・フレンドの「わたしの可愛い人-シェリ/2009」をシアターで鑑賞。そしてこの映画の原作はコレット。
上映画のレビューに ”昔コレットの小説を読んだ記憶がある。それは“シェリ”だったかどうか全然覚えてない。”なんて書いている。映画を思い起こすとコレットが生きた時代が蘇る。でも”映画はつまらない...”とも書いていて、確かにそうだったと苦笑。
映画の舞台はフランスで台詞は英語。そしてコレットが書く文章がフランス語と少々違和感あり。コレットは”書ける”という天分を持って生まれてきたに違いない。ノートを開いてペンを手に持つとサラサラと書けるのだ。全くもって実に羨ましい!
彼女の才能を見抜いた最初の夫は作家ながら自分で書けなくて妻のそれを利用する(いわゆるゴーストライター)。おまけに女好きで、ハデ好きで金に困り、コレットが書いた”クローディーヌ シリーズ”の版権を売ってしまったというのだから...なんという夫!
コレットは最初の夫に裏切られているが、かなり自由奔放に生きた女性だったのではないかと思う。再婚相手との間に子供もいるがレズビアンでもあった。
一児の母となったキーラを見たのは久しぶり。コレット役はキーラが適役なのかコレットを良く知らないので良く分からない。でもキーラは個性が激しいので、誰を演じてもキーラはキーラでしかない。
ニコラス・ホルトの「ジャックと天空の巨人/2013」でプリンセスを演じたエレノア・トムリンソンがコレットの愛人役。キーラより実年齢は若いのだけど、しっとりとしたマダムに変身していてナイス。
コレットに「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密/2014」「アラサー女子の恋愛事情/2014」「くるみ割り人形と秘密の王国/2018」のキーラ・ナイトレイ。
ウィリーに「ザ・スクエア 思いやりの聖域/2017」のドミニク・ウェスト。
ミッシーにデニース・ゴフ。
ジョージー・ラオール=デュヴァルに「幻影師アイゼンハイム/2006」「ジョージアの日記/ゆーうつでキラキラな毎日/2008」「ジャックと天空の巨人」「ゴッホ 最期の手紙/2017」のエレノア・トムリンソン。
シドに「マイ・レフトフット/1989」「ツリー・オブ・ライフ/2011」のフィオナ・ショウ。
ジュールに「キンキー・ブーツ/2005」「ゴーストライター/2010」のロバート・ピュー。
監督、脚本は「アリスのままで/2014」のウォッシュ・ウェストモアランド。
TOHOシネマズシャンテにて

