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「幸福なラザロ」

Lazzaro felice2018 イタリア/スイス/フランス/ドイツ

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実際に起きた詐欺事件から着想された寓話的ミステリー。


20世紀後半のイタリアの小さな村純朴で働き者のラザロと村人たちは小作制度の廃止を隠蔽する侯爵夫人に騙され働き搾取され続けている。その村は完全に社会と隔絶しており誰一人疑問に思う者はいない。農民は主にタバコの葉を栽培しており、1軒の家で老若男女がひしめき合って暮らし雑魚寝している。お人好しのラザロの眠る場所はなく、渓谷の洞窟の様な所で寝起きしている。そんなある日、侯爵夫人の家令ニコラが取り立てにやって来る


最初見ていて取り立てに来るニコラの存在が?だった。その後侯爵夫人が登場する。おまけに彼女の息子の名前が、1860年代のシチリアでの没落貴族の姿を描いた「山猫/1963」に登場するタンクレディと同じ名前。少々古過ぎやしないか?なんて思っていた。やがてドラマは進み…時代錯誤も甚だしい!こんなことあり得ない!どういうこと?と思いながら見ていたらなるほどだった。


ある日、侯爵家の息子タンクレディが自分自身の誘拐事件を計画するが、母は全く動じない。やがてその騒ぎをきっかけに警察がやって来て村人たちは初めて外の世界へ飛び出して行く。そしてラザロには災難が降りかかる。

街でラザロと再会したアントニア。彼女は年を重ねていたがラザロは全く変わっていない。アントニアがラザロの前に立ち、その後跪いて祈るような仕草を見せた時、ラザロは神?なのか?これは神話?と思わずにはいられない。


監督アリーチェ・ロルヴァケルの「夏をゆく人々」はもちろん見ている。ロルヴァケルは本作でも前作同様美しい自然を描いていて素晴らしい。そして本作にも前作と同じく監督の姉アルバが出演している。

「ルチアの恩寵」以前に製作された映画で、アルバ・ロルヴァケルは成人したアントニア役で主演じゃないが存在感あり。そのアントニアの夫を演じているのがセルジ・ロペス。フランス、スペインを中心に活躍しているがイタリア映画にも出演とは嬉しい驚き。セルジ・ロペス良いな。

ラザロ役のアドリアーノ・タルディオーロは高校時代に1000人以上の同世代男子の中から監督に発掘されたそう。無垢なキャラがとても似合っている。


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ロケされたのは上写真ラツィオ州のバニョレージョ。ウィキペディアによると崩壊により絶壁となった岩山の上に残る中世都市チヴィタ・ディ・バーニョレージョの特異な景観で知られるとある。

ドラマの中でラザロは”昔ここは用水路だった”と話していた。


ラザロにアドリアーノ・タルディオーロ。

アントニアにアニェーゼ・グラツィアーニ。

アントニア(成人)に「ルチアの恩寵/2018」のアルバ・ロルヴァケル。

タンクレディにルカ・チコヴァーニ。

タンクレディ(成人)に「孤独な天使たち/2012」「歓びのトスカーナ/2016」のトンマーゾ・ラーニョ。

ウルティモに「タンゴ・リブレ 君を想う/2012」「ロープ 戦場の生命線/2015」のセルジ・ロペス。

ニコラにナタリーノ・バラッソ。

マルケッサ・アルフォンシーナ・デ・ルーナ(侯爵夫人)に「ライフ・イズ・ビューティフル/1998」のニコレッタ・ブラスキ。

監督、脚本は「夏をゆく人々/014」のアリーチェ・ロルヴァケル。


Bunkamura ル・シネマにて


by margot2005 | 2019-05-25 00:07 | イタリア | Comments(0)
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