2019年 05月 15日
「荒野にて」
「Lean on Pete」2017 UK


仕事を変えては住まいを転々とする父レイとポートランドに引っ越して来たチャーリーは15歳の少年で母親の顔も覚えていない。以前は伯母マージーが面倒を見てくれていたが、レイと大喧嘩の末連絡が途絶えたまま。レイは愛情深い人間だが自分の楽しみを優先している。そんなある日、家の近くにある競馬場で厩舎のオーナー、デルと出会う…
映画を見るきっかけとなったのは「さざなみ」の監督作品だったから。英国人の監督がアメリカの大地(ロケはオレゴン州)を舞台に描くロード・ムービーはあまりにも切ない。
家計を助けるため16歳と偽りデルのもとで老競走馬リー・オン・ピートの世話を始めるチャーリー。定職もなく、家に職場の女を連れ込む不甲斐ない父レイは嫉妬に狂った女の夫に刺されてしまう。
父が殺されチャーリーは突然天涯孤独となる。そして馬ピートの死…。
ピートの死に打ちのめされたチャーリーは伯母と再会できるのだろうか?と、ドラマは胸が痛くなるほど辛くて悲しい。
主人公チャーリーを演じるチャーリー・プラマーは「ゲティ家の身代金」以前の作品で、本作で第74回ヴェネチア国際映画祭新人俳優賞(マルチェロ・マストロヤンニ賞)を受賞した。
チャーリー・プラマーは悲しい表情がスゴく似合う。スティーヴ・ブシェミ良いな。
チャーリーに「ゲティ家の身代金/2017」「冷たい晩餐/2017」のチャーリー・プラマー。
デルに「スターリンの葬送狂騒曲/2017」のスティーヴ・ブシェミ。
騎手ボニーに「メリンダとメリンダ/2004」「ゾディアック/2006」「冷たい晩餐」のクロエ・セヴィニー。
父レイに「マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ/2015」のトラヴィス・フィメル。
伯母マージーにアリソン・エリオット。
監督、脚本は「さざなみ/2015」のアンドリュー・ヘイ。
ヒューマントラストシネマ有楽町にて(既に上映終了/ヒューマントラストシネマ渋谷で時間限定で5/16まで上映)

