2019年 05月 09日
イタリア映画祭2019...「ルチアの恩寵」
「Troppa grazia」…aka「Lucia's Grace」2018 イタリア
ルチアは30代の測量技師。ある夜、恋人で同居人のアルトゥーロと大げんかして彼を家から追い出してしまい、フェンシングに熱中する一人娘ローザと二人きりになる。そんな折、郊外の広大な農地に大規模なショッピングセンターの建設計画が持ち上がり、ルチアは市役所からの認可を得るため用地の測量の仕事を依頼される。現場に赴いたルチアはその地が原図とは異なり地質面での危険を隠すため多くの偽装が行われていたことに気づくが、仕事を失いたくないためだんまりを決め込む。そして再び赴いた現場で測量するルチアにベールを被った難民のような女性が声をかけてくる…
”神の母”と名乗るその女性はルチアの家にも姿を見せ”人々の元へ行き、教会を建てるように告げよ”と命じる。追い払っても出て行かないベールの女性から逃れようと、ルチアは友人クラウディアの家にローザを連れて押しかける。女性はルチアにしか見えないのでローザは母の行動が理解できない。そしてクラウディアはルチアに精神科医に行くよう進める。
キリスト教をテーマにしているが宗教に全く縁のない私でも楽しめる面白い映画だった。そう本作はコメディ・ドラマ。
ヒロインがドラマの中で”忙しくて神に祈っている暇なんてないわ”と言うのが実に可笑しかった。
”教会を建てなさい”と進言しているのにルチアが無視するのでベールの女性が怒ってルチアを叩いたり蹴ったりする様が笑える…他の人には見えないからルチアの行動が怪し過ぎるのだ。
美しい景色が現れるラストは圧巻だった。
ヒロインのアルバ・ロルヴァケルは色々なキャラがハマる素敵なイタリア人女優。現在公開中の「幸福なラザロ」が楽しみ。
出番は少ないが、基本的にイケメンのエリオ・ジェルマーノが、今回は変な髪型の冴えない男役で印象付けている。
ルチアに「日々と雲行き/2007」「ザ・プレイス/2017」のアルバ・ロルヴァケル。
アルトゥーロに「ナポリの隣人/2017」のエリオ・ジェルマーノ。
パオロに「おとなの事情/2016」のジュゼッペ・バッティストン。
ベールの女性(聖母マリア)にハダス・ヤロン。
ローザにローザ・ヴァンヌッチ。
クラウディアにカルロッタ・ナトーリ。
グイドにトマス・トラバッキ。
監督はジャンニ・ザナージ。
有楽町朝日ホールにて