2018年 12月 25日
「バルバラ セーヌの黒いバラ」
「Barbara」2017 フランス
フランス、パリ。国民的シャンソン歌手バルバラの伝記映画に主演するブリジットは役作りのために、特別に用意された仮住まいに暮らしている。やがてブリジットは取り憑かれたようにバルバラを演じ始める…
”ジャンヌ・バリバールが伝説的シャンソン歌手バルバラと、彼女の伝記映画で主役を演じる女優の2役を演じてセザール賞主演女優賞に輝いた異色ドラマ…”ということだが、確かに異色。このようなドラマを見たのは初めて。
歌姫バルバラを演じる女優ブリジット…観客はどこまでブリジットで、どこからバルバラなのか次第にわからなくなって行く。そして伝記映画の監督イヴもブリジットに個人的な感情を持っており、撮影中我を忘れてしまうのだ。我を忘れてしまうイヴを演じるマチューの恍惚とした表情が真に迫る。
1950年代からシャンソン界に君臨したバルバラは20世紀最高の歌姫らしいが、残念ながら彼女のことを知らない。黒い吸血鬼のよう衣装を纏うバルバラ...個性的な風貌のバルバラを演じるジャンヌ・バリバールはぴったりのキャスティング。
大好きなマチュー・アマルリックは才能豊かな人だと改めて思った。本作は「さすらいの女神(ディーバ)たち/2010」「青の寝室/2014」に続く彼の日本公開監督3作目でとても異色かつ神秘的。
ブリジット/バルバラに「クリーン/2004」「サガン−悲しみよこんにちは−/2008」「ランジェ公爵夫人/2007」「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札/2014」のジャンヌ・バリバール。
ローランにヴァンサン・ペイラーニ。
バルバラの母エステルに「フレンチなしあわせのみつけ方/2004」「彼は秘密の女ともだち/2014」のオーロール・クレマン。
監督、脚本、出演(イヴ)に「ダゲレオタイプの女/2016」のマチュー・アマルリック。
Bunkamura ル・シネマにて(既に上映終了)