2018年 11月 22日
「嘘はフィクサーのはじまり」
「Norman: The Moderate Rise and Tragic Fall of a New York Fixer」 2016 イスラエル/USA
ニューヨークに住む初老の男ノーマン・オッペンハイマーはユダヤ人上流社会へ食い込もうと人脈づくりに必死の日々。ある日、イスラエル人政治家ミカ・エシェルに目をつけたノーマンは彼の後をつけ、高級ファッションブランドLANVINの店の前で偶然出会ったふりをし、紳士靴をプレゼントすることに成功する。やがて3年の月日が流れミカ・エシェルはイスラエル首相に大出世する…
世界金融の中心地ニューヨークの一端を牛耳るユダヤ人。自称フィクサーのノーマンはそんなユダヤ人上流社会に侵入すべく、甥で弁護士のフィリップまで巻き込んで手当たり次第にターゲットを見つけ人脈を広げることに成功する。そうノーマンは嘘をつきまくるのだが、この男どこか憎めない。しかしイスラエル法務省の女検察官アレックスはノーマンの話す内容に疑惑を抱き調査。そして彼が大嘘つきだと突き止める。
一見遊び人風のスルール・カッツはノーマンと同類?そして彼より上手?
ピーナッツ、アレルギーのノーマンがピーナッツを食べるシーンでエンディングを迎えるが…あれって?どう解釈すれば?
少々コメディ入っているけどあまり笑えない。しかしイスラエル人俳優のリオル・アシュケナージのコミカルな演技は面白かった。
とにかくノーマン喋る喋る。”こんなリチャード・ギア見たことない!”と書いてある映画案内が多くある。確かに”こんなリチャード・ギア見たことない!”のだけど、過去に見た「ロスト・イン・マンハッタン 人生をもう一度」ではホームレスを演じていてハマっていた。撮影中レストランから出てきた客がギアを本当のホームレスと勘違いしドギーバッグを差し出したエピソードがある。
本作では常にキャメル色のくたびれたコートを着たリチャード・ギア。数々のモテ男を演じてきたギアも最近では初老のくたびれた男が似合う。
トレーニングウエア姿のダンの足がめちゃ長くて驚き。
スティーヴ・ブシェミ良いな。
ノーマン・オッペンハイマーに「マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章/2015」のリチャード・ギア。
ミカ・エシェルに「運命は踊る/2017」のリオル・アシュケナージ。
ラビ・ブルメンソールに「スターリンの葬送狂騒曲/2017」のスティーヴ・ブシェミ。
アレックス・グリーンに「誰のせいでもない/2015」のシャルロット・ゲンズブール。
フィリップに「ノクターナル・アニマルズ/2016」のマイケル・シーン。
ビル・カヴィシュに「美女と野獣/2017」のダン・スティーヴンス。
スルール・カッツに「ラヴレース/2012」のハンク・アザリア。
監督、脚本は「ボーフォート -レバノンからの撤退-/2007」のヨセフ・シダー。
シネスイッチ銀座にて(既に上映終了/恵比寿ガーデンシネマで上映中)