「運命は踊る」

Foxtrot 2017 イスラエル/スイス/ドイツ/フランス

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ある日、テルアビブに住むミハエルとダフナ夫妻のもとに息子のヨナタンが戦死したとの知らせが届く。母のダフナは突然の訃報にショックで寝込み、父ミハエルも役人の対応に苛立ちを募らせていく。そんな中、戦死したのは同姓同名の別人だったと再び役人が知らせにくる。安堵はしたものの、軍の不手際に不信感を覚え、ミハエルは役人に怒りを爆発させる


ヨナタンは戦死しなかったが、彼と同姓同名の男は亡くなり、その家族は戦争の犠牲者となる。

ドラマの中に戦争は出てこない。ヨナタンが仲間の兵士と検問所にいる様は退屈しているような雰囲気で、彼らの国で争いが起こっているなど想像もできないほど。しかしある通行人の行動で非常事態が勃発する。


人は、運命を避けようとしてとった道でしばしば運命に出会う”…フランスの詩人ラフォンテーヌの言葉。

それはラストにつながり言い得て妙である。


ドラマは不条理な運命を描いているが、少々ユーモア(ブラックではない)が入っていて笑える。

閑散とした検問所で銃を抱え”Foxtrot”するヨナタンや、検問所のバー(柵)が上がり悠々と通過するラクダがオカシイ。

ヨナタンが仲間の兵士と寝食を共にするコンテナが沼地にあるため傾きかけている。缶詰を転がしてその速度を測り、日々傾きの斜度が増していると、仲間の兵士と議論する姿は滑稽。しかしながらあのコンテナの汚さに唖然!あれじゃバイキンだらけで彼らは汚染されるんじゃないかと心配になる。


過去に見たイスラエル映画の「迷子の警察音楽隊/2007」「オオカミは嘘をつく/2013」にもユーモラスなシーンが上手く描かれている。  


ミハエルに「オオカミは嘘をつく」のリオル・アシュケナージ。

ダフナに「ジェリーフィッシュ/2007」のサラ・アドラー。

ヨナタンにヨナタン・シレイ。

ヨナタンの妹アルマにシラ・ハース。

監督、脚本は「レバノン/2009」のサミュエル・マオズ。


新宿武蔵野館にて


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by margot2005 | 2018-10-22 22:39 | アジア | Comments(0)
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