2018年 08月 18日
「悲しみに、こんにちは」
「Estiu 1993」…aka「Summer 1993」2017 スペイン
バルセロナに暮らす6歳の少女フリダは母親を病気で亡くし叔父夫婦の住むカタルーニャに身を寄せることになる。慣れない叔父一家との暮らしに加え、都会っ子の彼女は自給自足の田舎暮らしになかなか馴染めず不安と戸惑いを募らせていく…
オープニングは荷物がダンボールに詰められるのを見つめるフリダから始まる。やがて夜空に打ち上げられる美しい花火のシーンに変わり、その後フリダは車に乗り込みバルセロナの街を後にする。
6歳の子供が親を亡くし親戚に引き取られる。畑に植えられたレタスとキャベツの区別もつかない都会っ子のフリダは田舎暮らしがイヤでたまらなかったに違いない。幼いいとこのアナに対して少し意地悪なことをしてしまったりするのはフリダが溜まったストレスを発散しているように思える。
そして何はともあれ夫の姉の子供を引き取り愛情を持って育てるマルガの優しさに心うたれる。
「1993年の夏」が「悲しみに、こんにちは」となった邦題。どこかで聞いた邦題だが微妙に違う。この邦題はラストシーンに象徴される。
子供が主人公の映画は苦手なのだけど、シアターで予告を見、各国の映画祭でも評判になった本作にとても興味を持った。そして見てよかったと思った映画だった。
ヒロイン、フリダを演じるライア・アルティガスの悲しくて辛い表情が素晴らしい。エステバとマルガ夫婦を演じる二人も素晴らしかった。
フリダにライア・アルティガス。
アナにパウラ・ロブレス。
エステバにダビド・ベルダゲル。
マルガにブルーナ・クシ。
監督、脚本はカルラ・シモン。
ユーロスペースにて