2018年 08月 12日
「2重螺旋の恋人」
「L'amant double」…aka「The Double Lover」2017 フランス/ベルギー


パリに住む25歳のクロエは原因不明の腹痛に悩まされる日々。婦人科医から身体には問題はないと、精神分析医を紹介される。精神分析医ポールのカウンセリングを受けるようになったクロエは不思議なことに腹痛が和らぐようになる。そんなある日、ポールから”感情が災いしてこれ以上診療を続けることができない”と告げられる。やがて二人は恋に落ち一緒に暮らし始める…
ある時、ポールが街中で女性と一緒にいるところを見かけたクロエは彼を問い詰める。しかし”それは僕ではない”と完全否定される。男はポールだという疑念がぬぐえないクロエは彼を訪ねる。するとその男はポールの双子の兄弟ルイで同じく精神分析医だった。やがてポールに内緒でルイのカウンセリングを受けるクロエは、誠実なポールとは真逆の傲慢なルイに嫌悪感を感じながらも、欲望を覚えるのだった。
双子ポールとルイの肉体に溺れるクロエは、ルイに”彼といるとあなたを思い、あなたといると彼を思う”と訴える。ポールはクロエとルイの関係を知らないが、ルイはクロエの恋人がポールであることを知っている。
クロエの飼い猫、ルイのゴージャスな三毛猫、猫のブローチなどなど猫だらけ。おせっかいな隣人のローズの娘が病気で入院中だったり、猫の剥製が不気味。猫苦手なので参った。そしてクロエが働く美術館の展示物が奇怪なものばかりで不気味な雰囲気が漂いまくる。
クロエの母を演じるジャクリーン・ビセットがなかなか登場しないと思って見ていたら、ほぼ終盤近くで登場。クロエを疎んじる彼女も不気味な存在で謎めいている。
ヘアースタイルで人の印象はすごく変わる。「17歳」でマリーヌ・ヴァクトはロングのライトブラウンだった髪が今回はダークブラウンのショート。それはスタイリッシュでエロティックなドラマのヒロインにぴったりで、前作とは別人だ。オープニングに実際に行った彼女のヘアカットのシーンあり。
フランソワ・オゾンの前作はクラシックな悲恋ものだったが、今回はスタイリッシュで刺激的なエロティック心理サスペンス。
ドラマで描かれる双生児につきまとうミステリアスな要因は少々興味深い。
終盤は実際の出来事とクロエの妄想が凄まじく入り混じって見終わって疲れた。そしてこれはエロティック・サスペンスと言うより、ホラー?
クロエに「17歳/2013」のマリーヌ・ヴァクト。
ポール/ルイに「午後8時の訪問者/2016」「エタニティ 永遠の花たちへ/2016」のジェレミー・レニエ。
クロエの母に「マイ・ベスト・フレンド/2015」のジャクリーン・ビセット。
ローズに「ジャック·メスリーヌ フランスで社会の敵(パブリック·エネミー)No.1と呼ばれた男 Part1/ Part2/2008」のミリアム・ボワイエ。
婦人科医に「美しき運命の傷痕/2005」「夏時間の庭/2008」のドミニク・レイモン。
サンドラにファニー・サージュ。
監督、脚本は「婚約者の友人/2016」のフランソワ・オゾン。
ヒューマントラストシネマ有楽町にて

