2018年 05月 17日
イタリア映画祭2018...「ザ・プレイス」
「The Place」2017 イタリア
カフェ「ザ・プレイス」の奥まった席に一日中座る男は次から次へとやって来る訪問者の話を聞いている。彼らは自らの願いや欲望を男に訴え、男は望みを叶えるには今から話す行為を行なわなければならないと告げる…
老婦人マルチェッラはアルツハイマーの夫を救うため人の集まる場所に爆弾を仕掛けねばならない/修道女キアラは神を取り戻すために妊娠しなければならない/ルイージはガンから幼い息子を救うため、幼い少女を殺さなければならない/盲目のフルヴィオが視力を取り戻すには婦女暴行しなければならない/アッズッラが夫の関心を取り戻すためには別のカップルを破局せねばならないetc.。
そして刑事エットレの望みは放蕩息子を立ち直らせることだが、息子アレックスは父親からの自由を望んでいる。
監督はアメリカのあるTVシリーズから着想を得たそう。そのテーマ…人は願いが叶うとわかっていたら何をするだろうか?ということ。
本作は前作「おとなの事情」と赤い糸で繋がっている...とは監督の弁。そして次回作で3部作は終結するらしい。
男はSNS全勢の時代に対面で訪問者と話し、個人情報は分厚い手帳に管理している。それは変に?新鮮だった。テーマにはあまり惹かれなかったけど、9人の訪問者の運命が次第に絡み合っていく様子は上手く描かれているなと思った。
ドラマのシーンはカフェ「ザ・プレイス」のみ。「おとなの事情」も密室劇だったけど、こちらは完璧なる密室劇。
男を演じたヴァレリオ・マスタンドレアは常に座った状態。あれって逆に疲れないのかな?なんて心配した。
男に「テイートとエイリアン/2017」のヴァレリオ・マスタンドレア。
エットレに「神様の思し召し/2015」のマルコ・ジャリーニ。
修道女キアラに「ハングリー・ハーツ/2014」「おとなの事情/2016」のアルバ・ロルヴァケル。
マルチェッラに「母よ、/2015」のジュリア・ラッザリーニ。
アッズッラに「気楽な人生/2010」のヴィットリア・プッチーニ。
マルティーナに「ローマの教室で~我らの佳き日々~ /2012」のシルヴィア・ダミーコ。
オドアクレに「南部のささやかな商売/2013」「どうってことないさ/2016」のロッコ・パパレオ。
ルイジにヴィニーチョ・マルキョーニ。
アレックスに「恋愛マニュアル/2005」のシルヴィオ・ムッチーニ。
フルヴィオに「暗黒街/2015」のアレッサンドロ・ボルギ。
アンジェラに「グレート・ビューティー/追憶のローマ/2013」「私と彼女/2015」のサブリーナ・フェリッリ。
監督は「おとなの事情/2016」のパオロ・ジェノヴェーゼ。
有楽町朝日ホールにて