2018年 02月 10日
「スリー・ビルボード」
「Three Billboards Outside Ebbing, Missouri」2017 UK/USA
アメリカ、ミズーリ州の田舎町エビングに住むミルドレッド・ヘイズの娘アンジェラは、7か月前に何者かにレイプされた上殺害されていた。しかし犯人は未だ見つかっていない。進展しない警察の捜査にイラつくミルドレッドは抗議の広告を掲げることを思いつく…
アメリカの田舎(ロケ地はノースカロライナ州)って半端じゃないほど何もない?ミルドレッドが息子のロビーと住む家の周りは草原が広がるだけで、近隣には他の家もなかったように思える。
道路沿いに突然出現するスリー・ビルボード。赤に黒字で書かれた文字が眩しい。
それには警察署長ウィロビーの名前が書かれていた。ウィロビーは困惑しながらも理解しようと努力するが、彼の部下の巡査ディクソンは怒りを募らせる。おまけにウィロビーを敬愛する町の住民も憤慨し、広告の掲載をやめるようミルドレッドに忠告する。元夫のチャーリーまでも...。
しかし誰もミルドレッドを諭すことはできず、彼女の行動はますますエスカレートして行く。
シアターで幾度となく予告編を見て期待していた1作。期待以上の素晴らしい!ドラマで大満足。
ミルドレッドを理解していたウィロビーと、ラスト近くで歩み寄るディクソンが最高。あの後、ミルドレッドとディクソンはどう行動したのだろう??とてもとても気になった。
マーティン・マクドナー作品はコリン・ファレル主演の2作品をwowowで鑑賞。ウディとサムも出演する「セブン・サイコパス」はクレージーな映画だった。本作のミルドレッドも相当クレージー。演じるフランシス・マクドーマンドは絶賛されたそう。彼女の「ファーゴ」は最高だったけど、怒りと悲しみを募らせる本作のマクドーマンドも素晴らしい!
マクドーマンド同様、ディクソン役のサム・ロックウェルも他に演じる俳優は思い浮かばないし、ウディ・ハレルソンとケイレブ・ランドリー・ジョーンズも然り。
お気に入り女優アビー・コーニッシュの出演も良かった。アビーって年々太っていく?
若いと思っていたサム・ロックウェルは今年50歳。クセのある個性派俳優で、超クセのあるフランシス・マクドーマンドに負けず劣らずといったところ。他の俳優もウディ・ハレルソンやケイレブ・ランドリー・ジョーンズにピーター・ディンクレイジと個性派ばかり。そうそう壊れたケイレブがお気の毒。
ミルドレッド・ヘイズに「ファーゴ/1996」「ヘイル、シーザー/2016」のフランシス・マクドーマンド。
ウィロビーに「スウィート17モンスター/2016」のウディ・ハレルソン。
ディクソンに「フロスト×ニクソン/2008」「月に囚われた男/2009」「バッド・バディ!私とカレの暗殺デート/2016」のサム・ロックウェル。
アンに「ウォリスとエドワード 王冠をかけた恋/2011」「セブン・サイコパス/2012」のアビー・コーニッシュ。
レッドに「ビザンチウム/2012」「ストーンウォール/2015」のケイレブ・ランドリー・ジョーンズ。
チャーリーに「アメリカン・ギャングスター/2007」「セッションズ/2012」のジョン・ホークス。
ジェームズに「ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式/2007」「ゲーム・オブ・スローンズ シリーズ/2011~2017」のピーター・ディンクレイジ。
ロビー・ヘイズに「マンチェスター・バイ・ザ・シー/2016」のルーカス・ヘッジズ。
アンジェラ・ヘイズにキャスリン・ニュートン。
ペネロープにサマラ・ウィーヴィング。
ディクソンの母にサンディ・マーティン。
監督、脚本、製作は「ヒットマンズ・レクイエム/2008」「セブン・サイコパス/2012」のマーティン・マクドナー。
TOHOシネマズシャンテにて
手紙に夢中でまったく気づかないシーンが可笑しかったです。
ワタシ的に、この映画の美味しいところ全部ディクソンが持って行った感じに思えました。
最初からこれくらい警察が頑張ってくれてたらミルドレッドも看板は立てなかったかも。
ディクソンのおかげで警察不信も相当和らいだんでしょうね(笑)
少しずつ関連性がずれていくことで生じる
予測不可能なストーリー展開が楽しめました。
マクドナー監督の作品は未見ですが、他の作品もクレイジーなのですね?
しかもどちらもコリン・ファレル主演? 気になります。
火炎瓶で放火のシーンは..あまりにも夢中で手紙読んでるから?
でも気づかないなんてありえないですよね。
ディクソンの存在感はヒロインを超えるほどのものでした。
演じるサム・ロックウェル上手いです!
署長の手紙を読む前のディクソンを見ていると
アメリカの田舎の警察ってあんなものなのでしょう、と解釈してしまいます。
こんばんは。
予測不可能なストーリー展開...とても惹きつけられました。
過激だけどミルドレッドの気持ち良くわかります。
マクドナー監督の「「ヒットマンズ・レクイエム」はオススメです。
出演陣も豪華で、それほどクレージーじゃないです。
コリンは情けない役が実に似合います。
私はこの作品、予告を観た時はあまりそそられなかったのですが
アカデミー最有力との評判に惹かれて鑑賞しました。
で、すっごくよかったです!本年度のマイベストかも。
主要人物は癖のある中年男女ばかり。なのになんて深い人間ドラマ。
>ミルドレッドを理解していたウィロビーと、ラスト近くで歩み寄るディクソンが最高。
前半に人間の嫌な面を見せつけられた後に後半で奇跡を見せてもらえる。
余韻が残る作品でした。
こんばんは。コメントありがとうございます。
さて、私はシアターで予告を、そしてハリウッドの映画案内番組で繰り返し放送されていたのを
見たのでかなりそそられました。
で、そう面白かったですね。
こういったブラックなユーモアを巧みに描く監督もすごいけど
アクの強い出演陣がやはり素晴らしかったですね。
マジで深い人間ドラマでした。
MY BESTに入れたいです。
なるほど確かに「暴力の連鎖」でした。
ミルドレッドの悪行を知っていながら黙認する男たちが素敵。