2016年 11月 11日
「奇蹟がくれた数式」
「The Man Who Knew Infinity」2015 UK
1914年のインド、マドラス。妻、母親と共に暮す事務員のラマヌジャンは数学に魅せられ独学で学んでいる。ある時、自らの研究成果を英国の大学に認めてもらおうと著名な数学者に手紙を送るが全く相手にしてもらえない。そんな中、ただ一人名門ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジのG・H・ハーディ教授が手紙の内容に興味を持ち、ラマヌジャンを大学に招聘する。彼は妻を残して行くことにためらいを感じながらも研究発表できる喜びを胸に海を渡るのだった…
ラマヌジャンに「スラムドッグ$ミリオネア/2008」「マリーゴールド・ホテルで会いましょう/2011」「マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章/2015」のデヴ・パテル。
G・H・ハーディに「ある天文学者の恋文/2016」のジェレミー・アイアンズ。
ラマヌジャンの妻ジャナキにデヴィカ・ビセ。
ジョン・リトルウッドに「ラヴェンダーの咲く庭で/2004」「エリザベス1世 ~愛と陰謀の王宮~/2005」「フロスト×ニクソン/2008」「ブッシュ/2008」「裏切りのサーカス/2011」のトビー・ジョーンズ。
サー・フランシス・スプリングに「シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム/2011」のスティーヴン・フライ。
バートランド・ラッセルに「抱擁/2002」「インベージョン/2007」「われらが背きし者/2016」 のジェレミー・ノーサム。
監督、脚本、製作はマシュー・ブラウン。
ラマヌジャンが英国に渡ったのは第一次世界大戦下の激動の時代。当時インドは英国の植民地だった。植民地からやって来た学歴のないラマヌジャンに周囲の人々は偏見の目を向ける。その上、招いてくれたハーディは数式の証明の必要性を力説するばかり。直感でひらめくラマヌジャンにとって証明は難しかった。そんな中、リトルウッドだけがラマヌジャンに優しく接し、彼のだだならぬ才能を評価していた。
やがて戦争が激化し、孤独と食料不足に耐えねばならないラマヌジャンはとうとう病気になってしまう。
数学は苦手なのでラマヌジャンが解き明かす天文学的な数式はチンプンカンプンだったがドラマには惹き付けられた。G・H・ハーディが想像以上に良い人で、ジョン・リトルウッドの存在は一服の清涼剤。
熱い国からやって来たラマヌジャンは最初素足だった。肉(牛/豚)は食べないし、線香を灯しての日々の信仰はかかせない。そして雪を見て感激するラマヌジャン。
ハーディはキリスト教徒ながら信仰心がない。それゆえ、神を信じ直感でひらめくと言うラマヌジャンを信じることは難しい確かに...ましてや数学者だし...。
思想も文化も宗教も違うラマヌジャンとハーディ。年齢や肌の色を越え互いに理解し合った二人の友情物語は素晴らしかった。
撮影されたケンブリッジ大学トリニティ・カレッジは1世紀前と同じたたずまいだなんて、さすが英国の名門大学!
「マリーゴールド・ホテル シリーズ」でのお調子者のイメージが焼き付いているデヴ・パテルながら、意外や偉大なる数学者が似合っている。
ジェレミー・アイアンズは相変わらずの貫禄で大学教授にぴったり。そういえば「ある天文学者の恋文」でも大学教授を演じていた。
角川シネマ有楽町にて
ハーディとラマヌジャンの師弟愛と友情に心打たれました。
人種や学歴による偏見をもたないハーディは
ラマヌジャンの才能を公正に評価する、一番の理解者でもありましたね。
2人の間を取り持つリトルウッドの存在にもほっと心が和みました。
こんばんは。
ハーディとラマヌジャンの師弟愛と友情はホント良かったですね。
学者ってなんとなく偏見があるように思えるのですが
ハーディは人間味のある素晴らしい人でした。
リトルウッド最高でした!
一向に帰れないラマヌジャン見てて、途中から『イングリッシュ・ペイシェント』のような嫌な予感が(笑)
結果的に心配無用でしたね。
ラマヌジャンの妻は健気でしたね。まぁ時代も古いですが...
あの義母と暮らしていたなんて考えられません。
ラマヌジャンはインドで最後の一時を愛する妻と過ごすことが
できたようで、英国に死す...にならずで良かったです。