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「母よ、」

「Mia madre」2015 イタリア/フランス/ドイツ
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映画監督のマルゲリータは恋人と別れたばかり。彼女の悩みは日々尽きない。反抗期の娘リヴィアとは意見があわず、ハリウッドからやって来たわがままな主演俳優バリーにはムカついて撮影も上手く進まない。しかしそんな中でも一番の悩みは母親の病気だった…

マルゲリータに「はじまりは五つ星ホテルから/2013」のマルゲリータ・ブイ。
バリーに「グッド・シェパード/2006」「セントアンナの奇跡/2008」「ジゴロ・イン・ニューヨーク/2013」「エクソダス:神と王/2014」のジョン・タートゥーロ。
アーダにジュリア・ラッツァリーニ。
リヴィアにベアトリーチェ・マンチーニ。
監督、原案、脚本、製作、出演(ジョヴァンニ)は「息子の部屋/2001」「カイマーノ(夫婦の危機)/2006」「ローマ法王の休日/2011」のナンニ・モレッティ。

ナンニ・モレッティは“ ヨーロッパにおいては既に名匠との声もある一方、そのクセの強さから必ずしもすべての人に受け入れられてきたとは言い難い…”と言われてるそうだが、私的に本作は受け入れられない作品だった。

まずストーリーの展開がどうもすっきりしない。色んなシーンで...それはマルゲリータの夢なのか?現実なのか?彼女の母親は既に亡くなっているのか?いやまだ?と良くわからない。
マルゲリータの家の水のシーンは夢ではなかったように見えたけどなぜ??と、いたるところに疑問が残る。

母親が完治しない病気ということもあるがドラマは暗い。映画監督マルゲリータが撮影する作品は社会派ドラマでつまらないし、介護のため休職しているジョヴァンニも暗いし、ハリウッドからやって来たおおらかでよく喋る俳優バリーの存在のみが明るい材料。
映画の中でイタリア語を喋るジョン・タートゥーロを初めて見た。風貌はほぼイタリアンのタートゥーロ。イタリアン・アメリカンの両親を持つ彼にはイタリア語がとても似合う。
色んな役柄を演じるマルゲリータ・ブイは暗いキャラより明るいキャが似合う女優。

マルゲリータは母親が逝くということに耐えられない気持ちを募らせている。見ていてマルゲリータのストレスがこちらにも移りそうな気配だった。わがままなバリーに怒りを発散するマルゲリータ。でも彼女自身も相当わがままなのじゃないか?とも思った。マルゲリータって多分友達などいないタイプの女性だろう。そういえばドラマの中に彼女の友人は一人も登場しなかった。元恋人にも説教されていたし…。

Bunkamura ル・シネマにて
by margot2005 | 2016-04-12 22:54 | Comments(0)