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「独裁者と小さな孫」

「The President」2014 ジョージア/フランス/UK/ドイツ
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孫息子を膝に乗せ、電話一本の命令で街中の電気を消したりつけたりして遊んでいる、とある国の大統領。彼は国民から搾取した税金できらびやかな宮殿で日々贅沢な生活を送る一方、政権維持のため罪なき国民を処刑する残酷な男だった。やがてクーデターが勃発する…

大統領にミシャ・ゴミアシュウィリ。
孫息子にダチ・オルウェラシュウィリ。
理髪師にズラ・ベガリシュヴィリ。
護衛にラシャ・ラミシュヴィリ。
売春婦にラ・スキタシュヴィリ。
歌手の政治犯にグジャ・ブルデュリ。
愛に生きる政治犯にソソ・クヴェデリゼ。
寛大な政治犯にダト・ベシタイシュウィリ。
監督、脚本は「カンダハール/2001」のモフセン・マフマルバフ。

オープニング...ライトアップされた美しい街中を一台の車がゆったりと走っている。車のシーンが終わり、とある国の大統領と孫息子が戯れた後クーデターが起こり大統領は国外退去を余儀なくされる。大統領の妻や娘たちはいち早く国外へと出るが、大好きな幼なじみのマリアと離れるのが辛い孫息子は、楽しいことでいっぱいの宮殿へ戻ると言い張るが叶わない。街中では暴徒と化した住民が怒り狂い“大統領を殺せ!”とわめき立てている。まもなく国外脱出が無理とわかった大統領は孫息子を連れ、変装をして流浪の旅にでる。

大統領は自分が犯した罪をどうのように感じていたのだろう?流浪の旅の最中政治犯たちとの出会いが皮肉っぽくて面白い。
少々コメディ入っているがドラマは笑えない。切羽詰まった大統領と孫の行方がとても気になる。そしてエンディングに救われる。

大統領役のミシャ・ゴミアシュウィリと孫息子役のダチ・オルウェラシュウィリがナイス・キャスティング。赤いスカーフを被って女の子に変装したりする孫息子。ダチ・オルウェラシュウィリが全編健気に演じていてとても可愛い。

1980年代にルーマニア革命でチャウシェスクという大統領が失脚し妻と共に銃殺刑になった事件を思い起こす。あの宮殿(現在は国民の館)もスゴく贅を尽くしてあった記憶がある。
舞台は架空の国。ロケ地はジョージアとタジキスタン。グルジアの呼称がジョージアになったのは今年の4月。ジョージアにピンとこないのも無理はない。

新宿 武蔵野館にて
by margot2005 | 2015-12-31 23:32 | ヨーロッパ | Comments(0)