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「ミケランジェロ・プロジェクト」

「The Monuments Men」2014 USA/ドイツ
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第二次世界大戦末期のヨーロッパ。アドルフ・ヒトラーは“総統美術館”を作る計画を進め、ナチスはヒトラーの命を受けヨーロッパにある数々の貴重な美術品を盗むことに闘士を燃やしていた。それを知ったハーバード大学付属美術館長のフランク・ストークスは貴重な美術品を後世に残すため立ち上がる...

監督、脚本、製作、出演(フランク・ストークス)に「ファミリー・ツリー/2011」「ゼロ・グラビティ/2013」のジョージ・クルーニー。
ジェームズ・グレンジャーに「アジャストメント/2011」「プロミスト・ランド/2012」のマット・デイモン。
リチャード・キャンベルに「ダージリン急行/2007」「ゲットスマート/2008」「リミッツ・オブ・コントロール/2009」「私が愛した大統領/2012」「グランド・ブタペスト・ホテル/2013」「ヴィンセントが教えてくれたこと/2014」のビル・マーレイ。
ウォルター・ガーフィールドに「お買いもの中毒な私!/2009」「アーティスト/2011」「アルゴ/2012」「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌/2013」のジョン・グッドマン。
ジャン=クロード・クレルモンに「海の上のバルコニー/2010」「アーティスト/2011」「プレイヤー/2012」「メビウス/2013」のジャン・デュジャルダン。
ドナルド・ジェフリーズに「僕が星になるまえに/2010」「ダウントン・アビー シリーズ/2010~2013」のヒュー・ボネヴィル。
プレストン・サヴィッツに「幸せのレシピ/2007」「パーフェクト・プラン 完全なる犯罪計画/2011」「ジゴロ・イン・ニューヨーク/2013」のボブ・バラバン。
クレール・シモーヌに「シンデレラ/2015」のケイト・ブランシェット。

過去にパリや、ローマ、フィレンツェでとても有名な絵画や彫刻をたくさん見てきたので、この映画にはスゴく興味があった。
ジョージ・クルーニー以下出演陣も豪華。ユーモアを交えながら展開するドラマはわたし的に見応えがあった。

1944年7月。アメリカ人5人、英国人1人、フランス人1人で構成された特殊部隊“モ ニュメンツ・メン”はノルマンディに上陸し、ヨーロッパ各地を回り美術品奪還を目指していた。しかし多くの美術品は既にナチスによって持ち去られていた。そんな折、英国人のドナルド・ジェフリーズはフランダースでナチスからファン・エイクの“ヘントの祭壇画”を守るため命を落としてしまう。エンディングでジェフリーズの子孫がシント・バーフ大聖堂に“ヘントの祭壇画”を見に訪れるシーン…“たかが美術品のために命を落とすのか?”という辛辣な台詞をもあったが、それを見たジェフリーズの子孫は彼を称えたに違いない。

ナチスが美術館や教会から盗んだ絵画や彫刻は、岩塩採掘跡地やノイシュヴァンシュタイン城に積み上げ隠されていた史実に驚いた。城の玄関に無造作に置かれたロダンの“カレーの市民”ますます悲しそうに映る。
そして美術館や教会からだけではなく、ユダヤ人家庭からの略奪品も圧巻だ。奪った絵画や家具、食器が山ほど積み上げられた部屋。そして金歯がいっぱい入った樽にはあきれ返る。
ジェームズ・グレンジャーがユダヤ人の家の壁に絵画をそっと返すシーンが素敵。

映画の中で“ヒトラーは美術学校の試験に二度も落ちた。”と語られる。
ジョン・キューザック主演の「アドルフの画集/2002」という映画を思い出した。画家を夢見るヒトラーとキューザック演じる画商マックスのドラマ。アドルフ・ヒトラーが美術品に固執したのも良くわかる。

TOHOシネマズシャンテにて
Commented by kogarinta at 2015-11-27 13:10
こんにちは。
私もベルギーでファン・アイクの「祭壇画(神秘の子羊)」やミケランジェロの「聖母子像」を共に見てきた事がありますので、感慨深い映画でした。
MONUMENT MENの活躍が無かったらも観る事が出来なかった訳ですものね。
Commented by margot2005 at 2015-11-27 23:14
ここなつさん、コメントありがとうございます。
BSTVなどでは何度も、何度も見ているのですが、ベルギーヘは行った事がないので、ヘントの祭壇画とミケランジェロの聖母子像の生は見た事がありません。今ベルギーはややこしいことになっていますが、機会があれば見に行きたいですね。
Commented by セレンディピティ at 2015-12-20 17:45 x
こんにちは。
戦時下とはいえ、錚々たる美術品の数々が、単なるモノとして扱われる中
こういう崇高なミッションに命を懸けていた男たちがいたのですね。
知られざる歴史の一面を知ることができて興味深かったです。

さすがは社会派のジョージ・クルーニー、目のつけどころがすばらしいですね。
Commented by margot2005 at 2015-12-21 23:49
セレンディピティさん、こちらにもありがとう。
ホント華麗なる美術品の数々が単なる物でしたね。
ナチス(ヒトラー)があんなにたくさん強奪していたとはもう驚き!の一言です。
わたしもこの史実はとても興味深かったです。
ジョージ・クルーニーは多彩な人ですね。
by margot2005 | 2015-11-25 21:54 | Comments(4)