「顔のないヒトラーたち」

「Im Labyrinth des Schweigens」…aka「Labyrinth of Lies」2014 ドイツ
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1958年、西ドイツのフランクフルト。戦後から10数年が経過し、国民の間ではナチスによるユダヤ人虐殺の事実は面倒な歴史として忘れ去られようとしていた。そんな折、ジャーナリストのトーマス・グニルカは元SS隊員の男が小学校の教師をしている事実を突き止める。やがて彼は検察庁に談判に行くが誰も彼も黙りを決め込むばかり。そんな中で一人の駆け出し検事が興味を示し、共に調査を進めて行く…

ヨハン・ラドマンに「イングロリアス・バスターズ/2009」「ゲーテの恋~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~/2010」「陰謀のスプレマシー/2012」のアレクサンダー・フェーリング。
ジャーナリスト、トーマス・グニルカにアンドレ・シマンスキ。
マレーネに「愛を読むひと/2008」「ハンナ・アーレント/2012」のフリーデリーケ・ベヒト。
ユダヤ人シモンに「360/2011」のヨハネス・クリシュ。
秘書エリカ・シュミットに「嵐の中で輝いて/1992」のハンジ・ヨフマン。
検事オット・ハラーにヨハン・フォン・ビューロー。
検事総長フリッツ・バウアーにゲアト・フォス。
監督、脚本はジュリオ・リッチャレッリ。

シアターで何度も予告編を見て公開を待っていた一作。
映画を見終わって元ナチスの親衛隊アド ルフ・アイヒマンの裁判の様子を描いた「ハンナ・アーレント/2012」を思い出した。

本作は1963年に“アウシュヴィッツ裁判”が行われることになったいきさつを描いた、実話が基の社会派ドラマ。
ある時、ジャーナリストのトーマスが一人の若い女性に“アウシュヴィッツって知ってる?”と聞くと“知らない!”と言う答えが返ってくる。アウシュヴィッツを知らないドイツ人ているのだろうか?と少々疑問に思った。でもそれは敗戦国の宿命として皆忘れたがっていると言う。

原タイトルは“沈黙の迷宮”。膨大なる資料からアウシュヴィッツに関わったSS隊員(容疑者8000人)を探しだす様は見ていて気が遠くなりそうになった。
忘れ去られようとしている悲惨な過去をほじくりだすことに執念を燃やす新米検事のヨハン。しかし市民からの抵抗と妨害、そして上司から圧力をかけられ、恋人のマレーネにまで非難される。そんなヨハンも一度は断念するものの、やはり最後まで“消された罪”を暴くことをあきらめなかった。
ヨハンが探し当てた容疑者を一人、又一人と追いつめて行く様は見応えがある。
終戦後、アウシュヴィッツに関わった元ナチスのメンバーたちは権力で守られていたというから驚く。

マレーネに非難されたのは、彼女の親族が元ナチスだったという事実を知りそれを伝えたから...善良な市民がナチス党員になった事実に衝撃を受ける。
一時、無理なことだとあきらめ、検事局を去るヨハンにハラーとエリカが冷たい目を送る。あのシーン良かった。

ヨハンはポーランド南部にあるアウシュヴィッツ収容所を見るためシモンを誘う。しかしその地から生還したユダヤ人シモンにとっては二度と足を踏み入れたくない場所だった。
草木が茂るアウシュヴィッツに立つヨハンとトーマスの姿が胸を打つ。
ヨハンを演じるアレクサンダー・フェーリングがナイス・キャスティング。

ヒューマントラストシネマ有楽町にて
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by margot2005 | 2015-10-12 23:13 | ドイツ | Trackback(3) | Comments(2)
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Commented by オジロワシ at 2015-10-22 00:45 x
margot2005さん、トラックバックありがとうございました。「みなと横浜みなみ区3丁目」のオジロワシといいます。
確かに、戦後のドイツではアウシュヴィッツにかかわった元ナチスの連中が、フツーに教職や公務員などに就いていたことに驚きを感じますね。それとともに、’50年代のドイツでは、アウシュヴィッツの存在すら知らない若者が多くいたことも。
現在の日本でも、日本がアメリカと戦争をしたことを知らない若い人たちも多いと聞きます。「戦後」と呼ばれる時間を長く続かせるためには、歴史をしっかり学ぶことが必要だと思います。
素晴らしい映画をたくさんご覧になっていることに、敬意を表します。
Commented by margot2005 at 2015-10-22 22:20
オジロワシさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
今年はドイツ映画の公開が多いようで嬉しいです。
アメリカと日本が戦争した史実を知らない若者には驚くばかりです。
過去の悲惨な事実を明らかにして反省を学ぶドイツ人て偉いなぁと思います。
昨今の難民の受け入れも、かつてユダヤ人を排除した教訓からきているようですね。
これからもたくさんの素晴らしい映画を見ていきたいと願っています。
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