「ふたつの名前を持つ少年」

「Lauf Junge laugh」…aka「Run Boy Run」2013ドイツ/フランス/ポーランド
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1942年、ポーランドのワルシャワ。父親から“自分の名前を捨てて生きのびるんだ!”と言われたことを胸に、8歳の少年スルリックはたった一人でゲットーから逃げ出し森へと逃げ込む...

スルリック/ユレクにアンジェイ&カミル・トカチ。
マグダ・ヤンチック夫人にエリザベス・デューダ。
農園の女主人ヘルマン夫人に「愛を読むひと/2008」「ヴィクトリア女王 世紀の愛/2009」のジャネット・ハイン。
SS将校に「白いリボン/2009」「東ベルリンから来た女/2012」「パッション/2012」のライナー・ボック。
モシェ・フレンケルにイタイ・ティラン。
監督はペペ・ダンカート。

森に逃げ込んだスルリックは疲れ果て一軒の家の前で倒れてしまう。その家の主はパルチザンでマグダと名のるヤンチック夫人が一人で住んでいた。彼女は少年を温かく迎え入れ衣服、食事、ベッドをを与える。ヤンチック夫人はスルリックにユダヤ人の名前を捨てポーランドの孤児に成りすまして生きた方が良いと説得する。そしてカトリックの祈りを教え、孤児にふさわしい身の上話も作り上げる。父親からユダヤ人であることを忘れてはならないと諭されていたスルリックながら、生きていくためにポーランド人孤児ユレクと名のる決心する。しばしの平和な日常も長くは続かず、いつSS(ナチス親衛隊)がやってくるとも知れず、スルリックはヤンチック夫人の家を出て行かざるを得なかった。その後過酷な逃亡生活の後終戦を迎える。

実話を基に描かれたドラマは前評判が良いのかシアターはかなり混雑していた。
映画のタイトルにあるように、少年は走って、走って生き延びることができた。戦争が集結し、少年を最後に保護した鍛冶屋の家に、ある日一人の男がやってくる。モシェ・フレンケルと名のる彼にはユダヤ人の孤児を家族のもとへ返す任務があった。少年は頑に自分はユダヤ人でないと主張するが、フレンケルの説得で折れ、かつて暮らしたゲットーへ足を運ぶ。しかしゲットーに家族は誰もいなかった。やがてフレンケルは少年に鍛冶屋の元へ戻るか新天地イスラエルへ旅立つか重大な決断を求める。

ホロコーストを生き延びたヨーロッパのユダヤ人が多数パレスチナに移民し、アラブ人やイギリス軍と戦ってイスラエル建国を迎える、監督、製作オットー・プレミンジャー、ポール・ニューマン主演のアメリカ映画「栄光への脱出(Exodus)/1960」を思い出した。

スルリックはなぜ自分は捕えられなければならないのか?と疑問に思うほどの余裕もなく、助けを求めるも、時には門前払いされたり、SSに突き出されたりしつつ、ヘルマン夫人の農園で片腕まで失ったが生き延びたのだ。しかしただユダヤ人と言うだけで手術を拒否された少年の辛さは如何ばかりだったろう?戦争の酷さをひしひしと感じるシーンだった。

映画のラストにイスラエルで妻子や孫に囲まれてサッカーに興じる本人(ヨラム・フリードマン)が映し出される。
主人公を演じるのはアンジェイ&カミル・トカチの双子の兄弟。オーディションで選ばれたという彼らが素晴らしい演技を見せてくれる。

ヒューマントラストシネマ有楽町にて
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by margot2005 | 2015-08-23 20:11 | ドイツ | Trackback(1) | Comments(0)
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Tracked from 読書と映画とガーデニング at 2015-08-29 16:00
タイトル : 映画・ふたつの名前を持つ少年
原題 RUN BOY RUN2013年 ドイツ、フランス 実話を基にした小説ウーリー・オルレブ「走れ、走って逃げろ」の映画化です 第二次大戦時、8歳のユダヤ人少年が身分と名前を偽り、ポーランド人孤児としてナチス・ドイツの手を逃れ、たった一人で終戦までの3年間を...... more
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