「奇跡のひと マリーとマルグリット」

「Marie Heurtin」…aka「Marie's Story」2014 フランス
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19世紀末のフランス、ポワティエ。ある日、耳の不自由な少女たちが暮すラルネイ聖母学院に、耳も目も不自由な少女マリーが父親に連れられやってくる。全く教育を受けないで育ったマリーは粗野で狂暴な上身体は汚れまるで浮浪児のよう。修道院長は目も見えない少女を預かることは無理だと判断するが、修道女マルグリットは自ら教育をすると修道院長を説得する…

マルグリットに「愛してる、愛してない.../2002」「チャーリーとパパの飛行機/2005」「きつねと私の12か月/2007」「ムースの隠遁/2009」のイザベル・カレ。
マリー・ウルタンにアリアナ・リヴォワール。
修道院長に「ムッシュ・カステラの恋/1999」「見つめる女/2004」「晴れ、ときどきリリー/2010」のブリジット・カティヨン。
マリーの父にジル・トレトン。
マリーの母にロール・デュティユル。
監督、脚本は「ベティの小さな秘密/2006」「ヴィクトル・ユゴー 笑う男/2012」のジャン・ピエール・アメリス。

結局マルグリットはマリーの扱いに四苦八苦することになる。それはまるでバトルのようで、自分の力でマリーを教育することはできるのか?と悩み始めるが彼女は決してあきらめない。ある時、マリーが大事にしているナイフを使って物には名前があることを知らせようとする。何度も、何度も“ナイフ”という言葉を触手話により教えこむ。やがてとうとうマリーがナイフという言葉を理解する。その後、積み木のアルファベットで言葉を習得して行く。
映画で見た「奇跡の人/1962」では、サリバンはヘレンに水に触れさせ言葉を教えていた。

マリーはマルグリットの死後も修道院に留まり、彼女と同じ境遇の少女とも出会い教えを授ける。ラスト近く、マルグリットの墓前で語るマリーの姿に感動する。ラルネイの生活にも慣れ、言葉を覚えたマリーが両親と再会する胸うたれるシーンも忘れてはならない。

マリーはヘレン・ケラーのように長生きすることはできず、マルグリット同様肺の病で36歳で亡くなっている。
ヘレン・ケラーと同時代を生きたマリー・ウルタン。ヘレン・ケラーは自宅で家庭教師によって学んでいるが、マリーは最初精神病院に入れられ、後にラルネイ聖母学院に引き取られている。両親の家から引き離された少女はどれほど辛かっただろう?想像すらできない(実際には10歳でラルネイに入所している)。
ヘレン・ケラーにはアン・サリバン、そしてマリー・ウルタンにはマルグリットという力強い支えあった。マルグリットは修道女ならではの深い愛でマリーを導いた。

マリーが生きた時代が19世紀の終わりから20世紀の初めということもあるが、宗教(キリスト教)の偉大なるパワーに圧倒される。肺を病んだ修道女マルグリットが決してあきらめずにマリーに教育するさまは神がかったようにも見える。
演じるイザベル・カレは40代となり、僧服に身を包んだ姿は少々obasan化している。上に書いたどの作品でもとてもチャーミングな彼女だったが…年月は語る。
マリーを演じるアリアナ・リヴォワールは耳が不自由。彼女の体当たり演技に驚かされる。

ずっと前にwowowでイザベル・カレ主演でフランソワ・オゾンの「ムースの隠遁」を見た。今一度見てみたい。

シネスイッチ銀座にて
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by margot2005 | 2015-06-16 23:11 | フランス | Trackback | Comments(0)
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