2015年 05月 04日
イタリア映画祭2015...「いつだってやめられる」
神経生物学の研究者ピエトロが新しい開発をしたが難しすぎて大学側から理解が得られず研究費を打ち切られてしまう。ポストを失ったピエトロは収入を失い窮地に陥る。追いつめられたピエトロはあることに思いつく。自分が開発したアルゴリズムを利用して違法薬物に未指定の新しいドラッグを作ろうと考える。早速、中華屋で皿洗いのバイトをする元化学者のアルベルトを訪ねる。やがて元数理経済学者で今やポーカー中毒のバルトロメオを始めとして、元考古学者で現在道路工事監督中のアルトゥーロに、ガソリンスタンドで働くマッティアとジョルジョ、そして就活中のアンドレアと、皆過去は才能豊かな研究者ばかり。チーム結成後ドラッグストアで原材料を買い求め薬を作り始める...
ピエトロにエドアルド・レオ。
ジュリアに「昼下がり、ローマの恋/2011」「錆び/2011」のヴァレリア・ソラリーノ。
マッティアに「副王家の一族/2007」のヴァレリオ・アプレア。
ジョルジョにロレンツォ・ラヴィア。
アルトゥーロにパオロ・カラブレージ。
バルトロメオに「バッグにはクリプトナイト/2011」のリベロ・デ・リエンツォ。
アルベルトにステファノ・フレージ。
アンドレアにピエトロ・セルモンティ。
ドラッグ市場のボス、ムレーナにネリ・マルコレ。
監督、原案、脚本はシドニー・シビリア。
本作が長編デビュー作となる監督によると、“最高得点で学位を取得したゴミ収集員たち”というタイトルの新聞記事を見たのが映画を作る発端だったらしい。学位を持つ優秀なる人間が上手く職を得る事ができず社会の片隅に追いやられている現実があるという。
映画はコメディだが、社会からのけ者扱いされた学者たちが集まれば不可能なことも可能になってしまう。7人はドラッグで大もうけし、一時リッチな気分に酔う。
アルベルトが車の事故を起こさななければ…ドラッグ市場のボス、ムレーナが現れなければ…と想いは募るが…結局悪事は罰せられるのだ。
ドラッグを作るピエトロの同居中の恋人ジュリアが、ドラッグ中毒人間を更正させるカウンセラーというのも笑える。イタリアで大ヒットしたのも納得。ラストがイケてる。
有楽町朝日ホールにて