「めぐり逢わせのお弁当」

「Dabba」…aka「The Lunchbox」2013 インド/フランス/ドイツ/USA
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インド、ムンバイに住むイラは夫と娘の三人暮らし。最近、仕事一筋の夫はイラに無関心で、なんとか彼の気を惹こうと美味しいお弁当を作り始める。しかし夫宛てのお弁当は違った人に配達されていたことが判明する…。

サージャンに「その名にちなんで/2006」「マイティ・ハート/愛と絆/2007」「ダージリン急行/2007」「スラムドッグ$ミリオネア/2008」「ニューヨーク、アイラヴユー/2008」「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日/2012」のイルファン・カーン。
イラにニムラト・カウル。
シャイクにナワーズッディーン・シッディーキー。
監督、脚本はリテーシュ・バトラ。

最近インド映画が目白押し。歌って踊るインド映画はあまり好きではないが、本作は「スタンリーのお弁当箱/2011」同様“歌と踊り”は一切排除。
テーマが同じ「スタンリーのお弁当箱」は学校に通う少年が主人公だったが、こちらは会社勤めの中年男性と子供を持つ主婦のヒューマン・ドラマ。

妻を亡くしたサージャンと、夫に相手にされないイラ。間違って届けられたお弁当によって心を通わせていく二人。互いに何処の誰かも解らない状態で手紙の交換が始まる。
まぁ当然そうなるだろうなと想像通り二人は逢う約束を取り付ける。夫の愛が冷めたと感じるイラは次第にサージャンを求めるようになる。イラはサージャンのことを夫と同じような世代の男性だと信じていたに違いない。まさか中年男性だとは想像もしていなかったことだろう。逢う約束のレストランで密かにイラを見つけたサージャンも自身の歳を思い知ることになる。
淡い恋心が芽生えそうな成り行きがとても素敵なドラマで大満足だった。

お弁当の誤配は”600万分の1”というのがスーパー級に驚きだ。列車と自転車によってそれぞれのオフィスに運ばれるお弁当。一つや二つ間違っても不思議ではない気がするが…弁当配達人はプロフェッショナルなのだなぁと感心しきりだった。

インドのお弁当って本当に美味しそうで、見終わるとインド・カレーのお店に直行したくなる。イラが狭いキッチンで、ガス・コンロで直火でナンを焼く様子を見て、そうか直火なんだと納得。過去にオーブンでナンを焼いたことがあるがあまり美味しくなかった記憶がよみがえる。
イラと彼女のおば(決して姿は見せない)のやり取りが微笑ましい。上階に住むおばが食材をカゴに詰めイラのキッチンの窓辺につり下げるシーンは最高にナイス。

二人のやり取りがe-mail やLineじゃなくて手紙といったところが実にニクい。これがPCやスマートフォンじゃ興ざめしてしまうだろうな?
そしてシャイクの存在が良かったな。
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シネスイッチ銀座にて
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by margot2005 | 2014-09-13 00:29 | アジア | Comments(4)
Commented by セレンディピティ at 2014-09-14 12:50 x
こんにちは。
地味ながらしっとりとした情感のある大人のラブストーリーでしたね。
お弁当の配達システムもですが、二人のやりとりが手書きの手紙
というアナログさが、今の時代にはかえって新鮮で
ロマンティックなつながりを感じました。

イラの作るお弁当、おいしそうでしたね!
映画のあと、私も食べたくなって...インド料理のお店に直行しました。:9
Commented by margot2005 at 2014-09-20 00:23
セレンディピティさんこんばんは。
わたしの中で、本作はとてもとても素敵な1本のインド映画となりました。
アナログも大事ですね。あるフランス映画で、決して携帯を使わず手紙のみでやりとりするドラマがありましたが、とても素敵でしたね。アナログもたまには見直さなきゃいけないのではないでしょうか。
あのイラの料理のレシピが欲しいです。
Commented by rose_chocolat at 2014-10-03 08:02 x
こんにちは。
とてもシュールな後味でしたね。
確かに何でもメールで済んでしまう世の中は味気ない。
今時ラブレターいただく方が、ずっとずっとロマンチックですね。
Commented by margot2005 at 2014-10-06 23:43
rose_chocolatさん、ご覧になったのですね。
とてもシュールな味ですか?なるほどね解ります。
やはりラブ・レターって手書きの手紙じゃなきゃマズいですよね?
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