2014年 06月 22日
「美しい絵の崩壊」

リルに「夫以外の選択肢/2004」「ザ・バンク 堕ちた巨像/2009」「愛する人/2009」「映画と恋とウディ・アレン/2011」「ドリーム・ハウス/2011」「インポッシブル/2012」のナオミ・ワッツ。
ロズに「こわれゆく世界の中で/2006」「ニューヨーク、アイラヴユー/2008」「消されたヘッドライン/2009」「50歳の恋愛白書/2009」「ドラゴン・タトゥーの女/2011」「声をかくす人/2011」のロビン・ライト。
イアンに「もうひとりのシェイクスピア/2011」のゼイヴィア・サミュエル。
トムに「アニマル・キングダム/2010」のジェームズ・フレッシュヴィル。
ロズの夫ハロルドに「ダークナイト ライジング/2012」「アニマル・キングダム」のベン・メンデルソーン。
イアンの妻ハンナにソフィー・ロウ。
トムの妻マリーにジェシカ・トヴェイ。
原案、監督に「恍惚/2003」「ココ・アヴァン・シャネル/2009」のアンヌ・フォンテーヌ。
原案、脚本は「危険な関係/1988」「つぐない/2007」「わたしの可愛い人-シェリ/2009」「危険なメソッド/2011」の脚本家クリストファー・ハンプトン。
原作はドリス・レッシングの“グランド・マザーズ”。
オーストラリア東海岸に住むリルとロズは大親友で家も近く、それぞれに一人息子がいる。母親同様息子たちも大親友で、家族ぐるみの付き合いが続いている。やがて二人の息子イアンとトムは母親自慢の美しい青年に成長する。リルは亡夫の会社を引き継ぎ船会社を経営している。一方でロズも画廊を持ち充実した生活を送る日々。そんなある日、ロズの夫ハロルドから都会への引っ越しの話が持ちかけられる…
リルは既に夫を亡くしていたが、イアンに“愛している!”と言われ、美しく若い男の誘惑に勝てなかったロズにはまだ夫がいた(後に別れている)。夫ハロルドがいながら若い男と、それも親友の息子…イアンはロズのことを母親のようだとも語っている…と関係を持ったなんて、なんとインモラル!なのだろうと思いながらもドラマを楽しんだ。
監督はもちろん女性。本作は男性の感性では描けないのでは?と切に感じる。そういや「恍惚」も女性が創る女性の世界だ。
浜辺にいるTwo Mothersが、“見て!美しいわ!わたしたちが創ったアドニスよ!”自分たちの息子をアドニス(ギリシャ神話に登場する美少年)!呼ばわりするTwo Mothersが恐ろしい。やがてその後アドニスたちと抜き差しならない関係を持ってしまうTwo Mothersも恐ろしいし、息子が結婚し、祖母となっても全く変わらないTwo Mothersがますます恐ろしい。原作のタイトル“グランド・マザーズ”が興味深い。
レズビアンの噂を逆利用し、本能のままに生きるTwo Mothersがスゴ過ぎる。
邦題は少々違和感ありかな?
映画を観終わってメリナ・メルクーリ主演の「死んでもいい(Phaedra)/1962」を思いだした。
ギリシャ海運王の娘フェードラは義理の息子アレキシスを愛してしまい、彼の未来の妻に嫉妬し自殺を図る。そしてアレキシスも車の事故で亡くなる…といった破滅の恋物語。
その後40年が経過し本作は「死んでもいい」より以上に禁断の恋のように思えるが、21世紀の今なら許されるのだろうか?…なんて思ってしまった。
ロビン・ライトはお気に入り女優の一人だが、多分一番好きな女優かも知れない。あの憂いを帯びた彼女の雰囲気が素晴らしく素敵。
新宿武蔵野館にて
2人とも大好きです。この作品にぴったりでした。彼女たちしかできない役ですね。
さて本作はホントに女優が良いですね。ナオミ・ワッツはそれほどでもないですが、ロビンは大好きな女優です。でもナオミ・ワッツはキュートな顔ながらアブノーマルな女性役が似合います。

