「Philomena」2013 UK/USA/フランス
![]() フィロミナに「007 スカイフォール/2012」のジュディ・デンチ。 製作、脚本、出演(マーティン・シックススミス)に「メイジーの瞳/2012」のスティーヴ・クーガン。 若き日のフィロミナにソフィ・ケネディ・クラーク。 フィロミナの娘ジェーンに「Jの悲劇/2004」「ジェイン・オースティンの秘められた恋/2007」のアンナ・マックスウェル・マーティン。 サリー・ミッチェルにミシェル・フェアリー。 シスター・ヒルデガードに「ナインスゲート/1999」のバーバラ・ジェフォード。 マイケルにショーン・マーホン。 ピートにピーター・ハーマン。 メアリーに「マイ・ブラザー/2009」「白雪姫と鏡の女王/2012」のメア・ウィニンガム。 監督は「ヘンダーソン夫人の贈り物/2005」「クィーン/2006」「わたしの可愛い人-シェリ/2009」のスティーヴン・フリアーズ。 英国に暮らすフィロミナは敬虔なクリスチャン。ある日、娘のジェーンに父親違いの息子がいることを告白する。50年前アイルランドに住んでいたフィロミナは10代で未婚の母となったことから家を追い出され修道院に追いやられる。やがて男の子が生まれアンソニーと名付ける。しかし彼が3歳になった時無理矢理養子に出されてしまうのだった… 母親フィロミナから異父兄弟が存在する事を知ったジェーンは、一目息子に会いたいと願う母親の気持ちを知り、偶然出会ったジャーナリストのマーティン・シックススミスに話を持ちかける。マーティンはかつては著名なる有能記者だったが、今では落ち目のただの記者。当初ジェーンの話に耳をかさなかった彼も、自らの再起をかけてフィロミナの息子探しを手伝うことに同意する。 フィロミナとマーティンのコンビが対照的で面白い。敬虔なクリスチャンでロマンス小説が大好きなフィロミナ。一方でマーティンは無神論者のインテリ。フィロミナにとても面白かったロマンス小説を読まないか?と本を差し出され戸惑うばかり。マーティンにとってはロマンス小説なぞ全くもってつまらない代物。しかしフィロミナの語りを我慢して聞くところなぞは英国紳士の優しさが垣間見える。 ラストでもフィロミナがマーティンにロマンス小説のストーリーを楽しく話していたのが微笑ましかった。 最近実話を映画化したドラマを観ることが多い。本作もその一作。 原タイトル“フィロミナ”が“あなたを抱きしめる日まで”になってしまった邦題。この邦題にはちょっと…観る前タイトルからフィロミナが息子を抱きしめることができるのか?と想像していた。ネタばれしたくないので書けないが…展開はどうなのよ??と思った…。まぁ絶賛するほどでもないが素敵なヒューマン・ドラマである。 ダラス・バイヤーズ・クラブに続く実話。オスカー授賞式に実際のフィロミナがジュディ・デンチの代わりというわけでもないが紹介されていたのを思い出す。 ドラマに登場するマイケル=アンソニーなのだが、マイケルとピートの関係や、メアリーの存在などはとても興味深いが詳しいことは映画を観てのお楽しみ。 取材の金を提供する編集長サリー・ミッチェルに尻をたたかれ、自身の再起をかけてフィロミナの息子探しに奔走するマーティンの心情変化が見ていて面白い。演じるスティーヴ・クーガンも好演している。 ジュディ・デンチの出演する映画はたくさん観ている。そろそろ80歳のジュディ・デンチはとてもチャーミング。007のM役が見れないのが寂しい。「ラヴェンダーの咲く庭で/2004」や「マリーゴールド・ホテルで会いましょう/2011」の彼女はチャーミングなキャラクターで素敵だ。 シネスイッチ銀座にて ■
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by margot2005
| 2014-03-30 21:56
| UK
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こんにちは。
見る前は大泣きしちゃうかも...と覚悟していましたが イギリスらしいユーモアがあって、軽やかな展開に救われました。 それにしてもアイルランドのカトリック教会でこうした犯罪が つい最近まで行われていたと知らず、衝撃を受けました。 ジュディ・デンチは実にチャーミングでしたね☆
セレンディピティさん、いつもコメントありがとうございます。
そうそう泣けるかと思ってましたが英国人のユーモアで悲しみはかき消されてしまっていて良い感じでした。 >アイルランドのカトリック教会でこうした犯罪が... こういった現実ってあるものなのですね。ホント衝撃的でした。
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