「シャンボンの背中」

「Mademoiselle Chambon」2009 フランス
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ジャンに「ガスパール/君と過ごした季節(とき)/1990」「すべて彼女のために/2008」「君を想って海をゆく/2009」「母の身終い/2012」のヴァンサン・ランドン。
ヴェロニク・シャンボンに「プチ・ニコラ/2009」「屋根裏部屋のマリアたち/2010」「プレイヤー/2012」のサンドリーヌ・キベルラン。
妻アンヌ・マリーに「真夜中のピアニスト/2005」「ヴェルサイユの子/2008」のオーレ・アッティカ。
息子ジェレミーにアルトゥール・ル・ウエルー。
父に「ヴィドック/2001」のジャン・マルク・ティボー。
監督、脚本は「愛されるために、ここにいる/2005」「母の身終い/2012」のステファヌ・ブリゼ。
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とても素敵な作品でシアターで観たかった一作。でも日本未公開なのでTVで見るしかなかった。
ヴァンサン・ランドンは筋肉逞しい男ながら、寂しい表情を見せるのがスゴく上手い。
憂い顔のわりにコメディが似合うサンドリーヌ・キベルランはせつないロマンス映画もしっくりとくる。
「母の身終い」「君を想って海をゆく」「すべて彼女のために」...三作全て悩む男役が似合うヴァンサン・ランドンはこちらでも大いに悩む男を好演している。
ヒューマン・ドラマの「チャーリーとパパの飛行機/2005」やコメディの「女はみんな生きている/2001」のヴァンサンもgood。そして「ガスパール/君と過ごした季節(とき)はお気に入り映画の一つ。

舞台は南フランス、ブーシュ・デュ・ローヌ県。代理教師としてパリからやって来たヴェロニク・シャンボンは独身女性。ある日、学校へ迎えにきた教え子ジェレミーの父親ジャンに“父親の職業”というテーマで生徒たちに話をしてくれないかと持ちかける。ジャンは父親と同じく大工として身をたてている。ジャンの話に興味を覚えた生徒たち…教室は盛り上がり、マドモアゼル・シャンボンも大満足だった。ジャンが大工と知った彼女は“アパルトマンの窓からすきま風が入るの。どうすれば良いかしら?”と訴える。やがて彼女の悩みを解消すべくジャンはアパルトマンへ向かう。

その後の展開は互いに惹かれ合ってしまうというありきたりのストーリーなのだが、二人が実に上手い。ジャンは妻子ありの男でヴェロニクを抱くわけにはいかない。しかし寂しさ漂う彼女に己の気持ちを抑えるのが難しくなっていく。やがてジャンは“君のことを考えている。”と書いた手紙を送る。すると次にヴェロニクが行動を起こしジャンの職場に会いに行く。しかしジャンの口からでた言葉は“妻が妊娠している。”というものだった。うちひしがれたヴェロニクはこの地を去ろうと決心する。

男ってホントにわがままな生きものだ。ヴェロニクも欲しいけど妻子も捨てられない。愛し合った後、“君と一緒にいたい!”というジャンに対して”できないことは言わないで!”と答えるヴェロニク。やはり女は冷静だなぁと切に感じる。
ジャンの妻アンヌ・マリーは最高に冷静だった。映画だからこそで、あのような冷静なフランス人女性いるわけがない。

あれこれいろいろと書いたが、これほどセツナイ映画を見たのは久しぶり。観客にひょっとして二人は…と思わせる展開が上手いのだこの監督。しかしながらラストはもちろんフレンチ・スタイルで二人が結ばれることはない。
パリ行きの列車、待つ女、来ない男…なんと絵になる光景だろう。

大ラスで見せるジャンとアンヌ・マリーのシーンに、しみじみと夫婦の愛情が伝わってきてスゴく良かった。
“マドモアゼル・シャンボン”が“シャンボンの背中”となる邦題に??だけど映画を見れば納得する。でも原タイトルどおり“マドモアゼル・シャンボン”で良いのでは?

wowowにて
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by margot2005 | 2014-01-15 00:16 | フランス | Comments(0)
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