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「ブルーノのしあわせガイド」

「Scialla!」…aka「Easy!」2011 イタリア
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ローマに暮らすシングルの中年男ブルーノは元教師だが、今では売れないゴーストライターとなり気ままな一人暮らしを満喫している。そして生活費を稼ぐため補修塾も経営する日々。ある日、ブルーノの生徒の母親から自分の留守中息子のルカを同居させて欲しいと頼まれる…


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ブルーノに「まなざしの長さをはかって/2007」のファブリッイオ・ベンティヴォリオ。
ルカにフィリッポ・シッキターノ。
ティナに「見つめる女/2004」「気ままに生きて/2006」「ココ・シャネル/2008」のバルボラ・ボブローヴァ。
詩人にヴィニーチョ・マルキオーニ。
ルカの母親マリーナにアリアンナ・スコンメニャ。
教師ディ・ビアジョにラファエラ・レボローニ。
監督、脚本、原案は「ナポレオンの愛人/2006」「副王家の一族/2007」の脚本家フランチェスコ・ブルーニ。

“イタリア映画祭2013”の前に観たイタリア映画で、本作は“イタリア映画祭2012”で上映された。

気ままな一人暮らしをするところへいきなり同居人が出現したら困ることこの上ない。しかしその同居人が自分の息子だったら、まぁ受け入れるしかないだろうな?マリアンとのつかの間の恋の末生まれてきたルカ。でもブルーノはルカの存在を知らず、15年もたってからその存在を知る。この辺りの男の心境って如何ばかりだろう?ドラマが進むに従って、父性愛に目覚めて行くブルーノの姿がせつなくも可笑しくて最高だった。

生徒の母親から文句を言われるほど、補修塾でいい加減な授業をしているブルーノ。しかし自分の息子だと知ったルカには俄然力を入れた補修を行う。やはりこの次点でブルーノは父親を自覚している。マリアンは二人が一緒に暮らす時、ブルーノにルカの父親であることは内緒にして欲しいと言ったため、ルカは真実を知らない。そこで、ルカはブルーノの過剰な干渉に腹を立てるばかり。ブルーノとルカの戦いが面白い。

ブルーノは元ポルノ女優のティナの自伝を執筆中。ずっと女性には無縁だったかどうか定かではないが、たびたび訪れる彼女の家でティナに誘惑され怯むブルーノが可笑しくて…。
でもエンディングで二人が結ばれるのは素敵な成り行きだった。

ローマが舞台の映画だけにルカが友人と“ナヴォーナ広場で落ち合おう!”なんて台詞があって又イタリアに行きたくなる。
ブルーノを演じるファブリッイオ・ベンティヴォリオのひょうひょうとした雰囲気が役柄にぴったりで、実にナイスなキャスティング。

シネスイッチ銀座にて
by margot2005 | 2013-05-12 23:35 | Comments(0)