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「偽りなき者」

「Jagten」…aka「The Hunt」2012 デンマーク
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ルーカスは離婚と失業の試練を乗り越え穏やかな日々を取り戻していた。元教師の彼は幼稚園教師となり子供たちに慕われている。ある日、ルーカスの幼稚園に通う親友テオの娘クララの何気ない嘘に変質者扱いされてしまう。園長に白い目で見られ、町の住人に無視され、あろうことか親友のテオまでもがルーカスを非難し始める…
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ルーカスに「タイタンの戦い/2010」のマッツ・ミケルセン。
ルーカスの親友テオにトーマス・ボー・ラーセン。
テオの娘クララにアニカ・ヴィタコブ。
ルーカスの息子マルクスにラセ・フォーゲルストラム。
園長グレテにスーセ・ウォルド。
ルーカスの友人ブルーンにラース・ランゼ。
ルーカスのガール・フレンドにアレクサンドル・ラパポルト。
監督、脚本は「光のほうへ/2010」のトマス・ヴィンターベア。

苦悶するマッツが素晴らしい表情を見せるが、一方でクララ役のアニカ・ヴィタコブの表情もスゴい!顔や仕草で強烈に訴えるのだ。見ていて演技なのか?実際の表情なのか?わからなくなる。
父親テオが“子供は嘘をつかない”と言い切るが、そうだろうか?クララのように何も考えないで(後のことを考えるとも思えないが…)嘘をつく子供っているように思える。しかし親は子供を信じてしまうし、親の気持ちも良く理解できる。

何はともあれ、主人公のルーカスが気の毒でならなかった。人々から無視され、孤立し、愛する息子にまで危害が及ぶなんて言語道断。自らの潔白を証明しようとも、まったくもって取り合ってもらえないもどかしさは想像を絶する。
クリスマス・イヴの夜、礼拝に訪れた教会でテオに対峙するシーンは実に心地良かった。

「007/カジノ・ロワイヤル/2006」で初めて知ったデンマーク人俳優マッツ・ミケルセン。その冷酷な風貌が強く印象に残った。正確には初めて観た映画は「キング・アーサー/2004」だが“トリスタン”役では“ル・シッフル”ほどの印象は残らなかった次第。やはり悪役というのは人の目を惹き付ける。そしてその後マッツ映画を色々と観て来たが、この方、本作のようなヒューマン・ドラマがとてもしっくりくる俳優だ。「しあわせな孤独/2002」「アフター・ウエディング/2006」のマッツは素晴らしかった。

デンマーク映画はロケーションも楽しめる。本作は「アフター・ウエディング」同様、素晴らしく美しいデンマークの田園地帯でロケされている。
原タイトルの“狩り”はルーカスや彼の友人たちの最大の娯楽(趣味)。それは息子にも受け継がれる。ラスト、息子マルクスに“狩り=銃”の手ほどきをするルーカスの姿が心に残る。

静かに、穏やかに進むドラマは「光のほうへ」を彷彿させる。「光のほうへ」は本作以上に暗いヒューマン・ドラマだったが心に染みた。こちらも同じ感想。

渋谷 Bunkamura ル・シネマにて
by margot2005 | 2013-04-23 23:51 | スペイン | Comments(0)
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