「チキンとプラム~あるバイオリン弾き、最後の夢~」

「Poulet aux prunes」…aka「Chicken with Plums」 2011 フランス/ドイツ/ベルギー
a0051234_1910128.jpg

一人の男が死を決意した時、かつて愛した女性との恋の思い出がよみがえる大人のファンタジー・ドラマ。タイトルの“チキンとプラム”とは主人公ナセル・アリの大好きな食べ物のこと。そして彼は豊満な美女ソフィア・ローレンが大好き!
a0051234_19112522.jpg
a0051234_19111466.jpg
a0051234_1911217.jpg
a0051234_19105276.jpg
a0051234_19104224.jpg
a0051234_19103344.jpg
a0051234_19102426.jpg

ナセル・アリに「ある秘密/2007」のマチュー・アマルリック。
死の天使アズラエルに「ダニエラという女/2005」「モリエール 恋こそ喜劇/2007」「引き裂かれた女/2007」「風にそよぐ草/2009」のエドゥアール・ベール。
ナセル・アリの妻ファランギースに「ぼくセザール10歳半1m39cm/2003」「ベティの小さな秘密/2006」のマリア・デ・メディロス。
イラーヌに「ワールド・オブ・ライズ/2008」「彼女が消えた浜辺/2009」のゴルシフテ・ファラハニ。
ナセル・アリの弟アブディに「ストーン・カウンシル/2005」のエリック・カラヴァカ。
ナセル・アリの娘リリ(大人役)に「ゼロ時間の謎/2007」「クリスマス・ストーリー/2008」「美しい人/2008」のキアラ・マストラヤンニ。
ナセル・アリの母親パルヴィーンに「最高の人生をあなたと/2011」のイザベル・ロッセリーニ。
骨董屋のフーシャング(物乞い)に「アメリ/2001」「アンジェラ/2005」のジャメル・ドゥブーズ。
監督、原作は「ペルセポリス/2007」のマルジャン・サトラピ。

舞台は1950年代のイラン。ナセル・アリは20年に渡り世界中を演奏して回った天才ヴァイオリニスト。41歳でファランギースと結婚し、今では二人の子持ち男。ある日、家庭を顧みない夫に腹を立てた妻は彼のヴァイオリンをたたき壊してしまう。“もう演奏は出来ない!”と訴えるナセル・アリに弟アブディはある話を持ちかける。そしてアブディの情報からさるところにあるという名器ストラディバリウスを買いに出かける。骨董屋には怪しげな男がいて、“これはあのウルフガング・アマデウス・モーツアルトが所蔵したいたものだ!”と言う。しかしそのヴァイオリンにも満足することが出来ないナセル・アリは死を決意する…

何度か予告を観て楽しみにしていた一作。主演は大好きなマチューだし…。
アニメ作家が作っただけあって、メルヘンっぽいシーンや、もちろんアニメも登場する。上にも書いたようにファンタジーの世界がトレヴィアン!!
モーツアルトが所蔵していたという名器ストラディバリウスを怪しい骨董屋(物乞い)に言葉巧みに売りつけられたり、ナセル・アリがどのように死ぬか想像を膨らませたりして笑える。死の天使が出てくる辺りは奇想天外で大満足だった。

ナセル・アリは芸術家であるためとても繊細で、自己中心的な性格。こういった人間が家庭人には向くわけがない。しかしながら母親にせがまれ無理矢理ファランギースと結婚させられる。ファランギースはずっと、ずっとナセル・アリを愛していたのだ。そして彼は、彼で愛する女性イラーヌがいたが、“娘を貧乏な芸術家とは結婚させられない!”と彼女の父親が猛反対する。イラーヌもナセル・アリを心から愛していたが二人の恋は終焉を迎える。
ある時、街で孫を連れたイラーヌがナセル・アリと出くわす。“どこかでお会いしませんでしたか?”と訪ねるナセル・アリ。しかしイラーヌは“人違いです!”と答える。イラーヌは彼のことがわかっていたが年老いた姿をさらすには辛過ぎたに違いない。愛しい人に会えたのに街頭の影に隠れ一人涙を流すイラーヌが哀れ。

マチュー・アマルリックはふがいない男を演じると天下一品。
イラン出身のゴルシフテ・ファラハニは以前観た映画の役柄とは打って変わって、主人公が生涯忘れることが出来なかった美しい女性イラーヌに扮していて素敵。
ナセル・アリの母親を演じるイザベラ・ロッセリー ニが貫禄たっぷりで、出番は少ないながら実にインパクトあるなぁこのobasan。
キアラ・マストラヤンニの強烈な個性も健在だ。マジで父親マストロヤンニにそっくり!

ヒューマン・トラスト・シネマ有楽町にて
[PR]
by margot2005 | 2012-11-27 21:03 | フランス | Comments(2)
Commented by rose_chocolat at 2012-12-06 07:36 x
自分の所でも書いたんですが、天才と秀才は一緒になっても合わないんですよね。
ナセル・アリがひらめきや情熱に生きる芸術家、そしてファランギースはきっちり規則を守る妻。夫を理解できないととても勤まらないと思います。

でもこういう話は、特にイスラム圏では多いんでしょうね。親の決めた人と結婚するのが日常だと思いますし。結ばれない恋の恨みつらみをたっぷりと描いて、せめてこれを見て生きて行って下さいというメッセージのようでした。
Commented by margot2005 at 2012-12-09 22:03
rose_chocolat さん、こんばんは。
>天才と秀才は一緒になっても合わないんですよね...
なるほどですね。
それとファランギースとナセル・アリは真逆の性格だったような気もします。でも夫婦って真逆でもなんとかなるのですが、相手が芸術家となると難しいのでしょうね。
親の決めた人と結婚ってイスラム圏では今でもありそうですね。
<< 「映画と恋とウディ・アレン」 「みんなで一緒に暮らしたら」 >>