「ミステリーズ 運命のリスボン」

「Mistérios de Lisboa」…aka「Mysteries of Lisbon」2010 ポルトガル/フランス
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19世紀のヨーロッパが舞台と言えば是が非でも観たい!映画はポルトガル、フランス、イタリア、そしてブラジルを舞台にした壮大なる長編ドラマで、ミステリアスなストーリーが素晴らしく、映像ももちろん絵画のように美しい。
しかしながら万人に受ける映画ではないとも言える。フランスが舞台のシーンでメルヴィル・プポーとレア・セドゥーが出演している。

ディニス神父にアドリアーノ・ルース。
アンジュラ・リマににマリア・ジュアン・バストス。
アルベルト・デ・マガリャンエスにリカルド・ペレイラ。
エリーズ・ド・モンフォールに「恋人たちの失われた革命/2005」「食料品屋の息子/2007」のクロチルド・エム。
ペドロ・ダ・シルヴァ(成人)にアフォンソ・ピメンテウ。
ジョアン/ペドロ・ダ・シルヴァ(少年期)にジュアン・アハイス。
アルヴァロ・デ・アルブケルケにカルロット・コッタ。
エルネスト・ラクローズに「クリスマス・ストーリー/2008」のメルヴィル・プポー。
ブランシュ・ド・モンフォールに「美しい人/2008」「ロビン・フッド/2010」「ミッドナイト・イン・パリ/2011」のレア・セドゥー。
アルマニャク子爵にクララ・シューマンの愛/クララ・シューマン 愛の協奏曲/2008」のマリック・ジディ。
監督は「クリムト/2006」のラウル・ルイス。
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19世紀前半、激動のヨーロッパ。リスボンの修道院に暮す孤児のジョアンは一緒に学ぶ少年たちから日々イジメを受けている。しかし修道院のディニス神父は固くなにジョアンを守り続けて来た。ある日、ジョアンが病気になり、一人の美しいアンジュラという女性が訪ねて来る。やがてジョアンの出自が明らかになって行く…

ディニス神父とマガリャンエスの謎と秘密...この展開はかなりのモノだった。一方でジョアンの実母アンジュラとフランス人の未亡人エリーズ、そして彼女の娘ブランシュの愛と運命が絢爛豪華な貴族の世界と共に描かれる様も素晴らしかった。

アンジュラは侯爵の娘。偶然出会った男性が最愛の人となり結婚を望むが父親によって阻まれる。最愛の人との間に出来た子供がジョアン。ジョアンを生んだ後無理矢理伯爵と結婚させられ、愛のないアンジュラの人生は崩壊して行く。そして伯爵もまた侯爵の策略の犠牲者だった。
やがて伯爵が重い病に倒れ、アンジュラはディニス神父と共に夫に会いに行く。そして伯爵の最後をみとった修道士は他でもないディニス神父の父親だったという事実。この辺が実に興味深く巧みに絡み合って...
映画のwebsiteにも“掟破りの大長編を目の当たりにし、世界中の人々は息を呑み、時を忘れて酔いしれた。本国フランスでは1年間という異例のロ ングランを続けたのち、その年の最良のフランス映画に贈られるルイ・デリュック賞を始め、米国のサテライト賞 最優秀外国語映画賞など世界中で数々の賞を受賞。”と記されている。

時代が行ったり来たりして少々ややこしいが...
醜聞を隠すため生まれてすぐ殺される予定だったジョアンを、ならず者の殺し屋に金を払い救ったのはディニス神父(彼がそうしたのには重要なわけがある)だったとか、パリに留学したペドロ(ジョアン)が夢中になった隣家の年上の女性エリーズはかつてディニスがフランスに滞在中想いをよせたブランシュの娘であったとか...意外にスキャンダラス。でもあくまでもエレガントに描かれているところがラウル・ルイスの世界なのだろう。上に書いたならず者の殺し屋が別人となって登場するするのも鮮やかな展開だった。

フランス人俳優メルヴィル・プポーとレア・セドゥーは互いに惹かれ合いながらも引き裂かれる運命にある役どころ。
妖しい魅力を讃えたレア・セドゥーはメルヴィル・プポー同様出番が少なくて残念。レアが主演のブノワ・ジャコのヴェルサイユを舞台にした「マリー・アントワネットに別れをつげて/2012」が今月公開予定で嬉しい。

あれは全てジョアンの見る夢だったのか?とも思わせるラスト・シーンにちょっと驚き。
間に15分の休憩が入るが前編、後編合わせて上映は4時間27分。この時代に入り込めない人は寝てしまうかも?私的にこの世界は大好きなので上に書いたように満足であった。
ドラマとは少々不釣り合いながらジョアン/ペドロお気に入りの紙芝居が素敵だったな。

ジョン・マルコヴィッチ主演の「クリムト」は過去にwowowで見た。マルセル・プルースト原作でラウル・ルイスが監督した「見いだされた時-「失われた時を求めて」より-/1999」は未見なので機会があれば是非見てみたい。
こちらは2011年8月に亡くなったラウル・ルイスの遺作。

シネスイッチ銀座にて(二部作それぞれの上映で別料金/11月30日までの上映予定)
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by margot2005 | 2012-11-03 22:37 | スペイン | Trackback(6) | Comments(0)
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