2012年 08月 12日
「ローマ法王の休日 」

ローマ法王/メルヴィルに「昼顔/1967」「美しい諍い女/1991」「ランジェ公爵夫人/2007」のミシェル・ピッコリ。
ヴァティカン報道官に「カイマーノ/2006」のイエルジー・スチュエル。
グレゴリー枢機卿に「イル・ポスティーノ/1994」のレナート・スカルパ。
精神科医/女に「恋愛マニュアル/イタリア的、恋愛マニュアル/2005」「カイマーノ/2006」「題名のない子守唄/2006」 「対角に土星/2007」のマルゲリータ・ブイ。
監督、製作、原案、脚本、出演(精神科医/男)に「息子の部屋/2001」「カイマーノ/2006」のナンニ・モレッティ。




新しい法王に選ばれた枢機卿メルヴィルはダークホースだった。まさか?で選ばれてしまった枢機卿メルヴィル。周りも含め本人もマジで驚く展開。で、彼は法王就任演説直前に逃げ出してしまう…
原タイトルはラテン語で、“法王が決まった”という意味らしい。“わたしたちには法王がいる”というInternationalタイトルはラストへのアイロニー?
邦題は映画のテーマと意味合いが違う。それは「ローマの休日/1953」を文字って付けられただろうが、この邦題は全くもっていただけない。
世界中から集まった枢機卿たちはコンクラーヴェの間システィーナ礼拝堂に閉じ込められる。中からは開かないようになっており、誰も入ることは出来ない。その密室で何人もの枢機卿がつぶやく言葉が以外なのだ。彼らは“神様!どうか私が選ばれませんように…”と祈っている。まぁ映画の中なので真実かどうか?分からないが...。
かつて前法王ヨハネ・パウロ2世が亡くなりヴァティカンでのコンクラーヴェの様子をTV中継で見た。「天使と悪魔/2009」ではユアン・マクレガー演じるカメルレンゴ(ローマ教皇の秘書長)が取り仕切るコンクラーベの様子が描かれていたし…。初めてヴァティカンに行った時、地下の墓所に眠るヨハネ・パウロ2世の墓にもお参りした。宗教には疎いが中々興味のあるドラマだった。
本作の予告はイタリア映画祭2012でも、シアターでもさんざん観ており、てっきり笑えるコメディかと想像していた。しかし監督が「息子の部屋/2001」のナンニ・モレッティ。大笑いするコメディを彼が作るはずはないと思った通りの風刺劇。でもホントあのラストには驚き。
ミシェル・ピッコリといえばカトリーヌ・ドヌーヴが思い浮かぶ。ドヌーヴとはフランソワーズ・サガンの小説を映画化した「別離/1968」が印象に残る。アルベルト・モラヴィアの小説を映画化した「軽蔑/1963」でブリジッド・バルドーの相手役を演じたミシェル・ピッコリも忘れられない。そして上に書いた「美しい諍い女」も…。
とにかく山ほどのフランス&イタリア製作の“愛憎劇”に出演してきたピッコリも既に80歳を超えていて、キュートなじいさんといった雰囲気。
自信がなくてちょっとおどおどするようなそぶりを見せるメルヴィル。演じるピッコリは素晴らしく適役だった。
本作でも精神科医として出演するナンニ・モレッティの映画は「息子の部屋」しか観ていない。機会があれば他の作品も観てみたいものだ。モレッティはそろそろ60歳になるというのに俳優としてでもOKなほど魅力的なイタリアン。
精神科医役で数シーン登場するマルゲリータ・ブイはお気に入りのイタリア女優。もうちょっと出番が欲しかったな。
そうそう、コンクラーヴェの間枢機卿たちがこもるのはシスティーナ礼拝堂。全面的に撮影禁止のシスティーナ礼拝堂でロケが行われたとは思えない。ミケランジェロの壁画なども映し出されたが、あれはやはり偽物だったのかな?
TOHOシネマズシャンテにて
さてと、法王と王女の物語は全く違っておりました。
ナンニ・モレッティお好きですか?モレッティ映画は殆ど見てないので語る資格はないですね。
「僕のビアンカ」とは?とても興味深いタイトルです。
2012年にもコメントしていたのを忘れていました。
当時と同じ感想なのね。ツタヤで発見して早速見ましたが初志貫徹ということかしら。最近は「母よ、」も御覧になってますね。こちらはちょっとそう面白くなさそうね。なぜ自分の経験を女性に託すのかが分からない……。
そういただいておりましたコメント2012年に...。
というよりこの映画かれこれ4年も前に見ていたんですね?
月日のたつのはホント早いです。
そう「母よ、」はちょっとダレました。