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「さあ帰ろう、ペダルをこいで」

「Svetat e golyam i spasenie debne otvsyakade」…aka「The World Is Big」 2008 ブルガリア/ドイツ/スロベニア/ハンガリー

バイ・ダンに「美しき運命の傷痕/2005」「やわらかい手/2007」「ウエディング・ベルを鳴らせ!/2007」のミキ・マノイロヴィッチ。
アレックス(青年)にカルロ・リューベック。
ヴァスコにフリスト・ムタチェフ。
ヤナにアナ・パパドプル。
マリアに「SOUL KITCHEN/2009」のドルカ・グリルシュ。
監督、脚本はステファン・コマンダレフ。
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2008年、ドイツ。アレックスは父親の運転する車で母親と共に故郷ブルガリアに向かっていた。やがて事故が起き車は大破し両親は帰らぬ人となるが、アレックスは助かり病院へ収容される。そしてブルガリアから祖父バイ・ダンが見舞いにやって来る。しかしアレックスは事故により記憶を失っており、見舞いに来た祖父が誰かも分からない。アレックスは“あなたが誰か知らないがほっといてくれ!”と祖父を追い払おうとする。そこでバイ・ダンはアレックスの記憶を取り戻そうとまず彼の住んでいたアパートを訪ねる。家電の取り扱い説明書を翻訳することで生計を立てていたアレックス。余暇は近所のバーで一人酒を飲み、恋人もいそうにない。やがてバイ・ダンはゴミためのようなアパートの部屋にかつて自分がプレゼントした手製のバックギャモンを発見する。今やホコリまみれだったがバックギャモンで孫の記憶の扉を開けようと病院へ持ち帰る。
最初アレックスはバックギャモンに何の興味も示さなかったが、祖父の懸命なる努力で徐々に記憶を取り戻す兆しを見せ始める。夜な夜な病院のベッドで酒を飲み大騒ぎする二人は医者に愛想をつかされ、グッド・タイミングとばかりバイ・ダンは無理矢理アレックスを退院させてしまう。

ほのぼのとした素敵なドラマだった。主軸はバックギャモンとタンデム自転車。
1983年、共産党政権下のブルガリア。小さな田舎町に暮らすヴァスコとヤナ夫婦には幼い一人息子アレックスがいた。ヴァスコはずっと自由諸国ドイツへ亡命しようと考えていたが妻の反対に合い先延ばしにしていたのだ。しかしある日ヤナの両親に涙ながらに別れを告げた3人はブルガリアを去る。逃亡の途中見回りの憲兵に見つかったが、見逃してもらえ、とうとうイタリアの難民キャンプへたどり着く。

しかしながらイタリアの難民キャンプはヒドい!食料事情が悪いとはいえ、来る日も来る日もスパゲティ・ボロネーゼ。とにかく毎日このメニューなのだ。ここで暮すたくさんの亡命家族の中には数年に渡って滞在する人もおり、ある日ヴァスコはスパゲティ・ボロネーゼしか出さない料理人にキレてしまう。おまけに妻ヤナにも愚痴られ、決して金を賭けて戦わなかったバックギャモンでドイツへの入国資金を稼ぐのだ。

アレックスはドイツから故郷ブルガリアに戻る途中、かつて両親と一時滞在したイタリアのキャンプに足を踏み入れる。そしてそこで彼の記憶が蘇る。このシーンとアレックスがマリアに出会うシーンはとても良かった。そして出来過ぎのエンディングも...。

予告編はシアターで観たかどうか良く覚えていない。観ていないようにも思える。ブルガリア映画ということで興味を覚えた。今まで観たブルガリア舞台の映画は「ソフィアの夜明け/2009」のみ。
タンデム自転車って懐かしい!

シネマート新宿にて
Commented by ryoko at 2013-05-09 01:34
こんばんは。TBありがとうございます。
ミキ・マノイロヴィッチさん、味のあるいい役者さんですよね。
家族が離れ離れになり、難民生活を送った後たどり着いたドイツでの生活も厳しかったであろうことが伺えますが、マノイロヴィッチ演じるおじいちゃんの飄々としたバイ・ダンの醸し出す雰囲気で明るさを取り戻していくアレックス、とてもいい映画でした。
バックギャモンのルールを知っていたらもっと楽しめたでしょうに、残念です。奥の深いゲームのようですね。
Commented by margot2005 at 2013-05-11 00:35
ryoko さん、こんばんは。
こちらこそいつもTBありがとうございます。

ミキ・マノイロヴィッチ演じる爺さんと孫アレックスのふれあいが実に素敵でした。

難民を受け入れるイタリアの生活には驚きました。ドイツにたどり着くには大変な努力が必要だったことも知りましたね。
でも素晴らしいハッピーエンディングには胸を撫で下ろしました。
昔、バックギャモンがやりたくてゲーム板買ったことありますが、確かに奥の深いゲームのようです。
by margot2005 | 2012-05-29 23:24 | ヨーロッパ | Comments(2)