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「少年と自転車」

「Le gamin au vélo」…aka「The Kid with a Bike」 2011 フランス/ベルギー/イタリア
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サマンサに「ロシアン・ドールズ/2005」「モンテーニュ通りのカフェ/2006」「ジャック·メスリーヌ フランスで社会の敵(パブリック·エネミー)No.1と呼ばれた男 Part1/ Part2/2008」「シスタースマイル ドミニクの歌/2009」「スフィンクス/2010」のセシル・ドゥ・フランス。
シリルにトマス・ドレ。
シリルの父親に「ある子供/2005」「ロルナの祈り/2008」「夏時間の庭/2008」「約束の葡萄畑 あるワイン醸造家の物語/2009」「しあわせの雨傘/2010」のジェレミー・レニエ。
監督、脚本、製作は「息子のまなざし/2002、ロゼッタ/1999」「ある子供」「ロルナの祈り」のジャン・ピエール・ダルデンヌとリュック・ダルデンヌ。
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児童養護施設に預けられたシリルはもうすぐ12歳になる。育児放棄した父親はシリルを捨てたのだ。しかしそれを受け入れられない彼は父親を探し回る。児童養護施設を抜け出し父親の家を訪ねるが、既に彼は引っ越していて隣人に追い払われてしまう。哀しみに打ちひしがれ荒れるシリル。そんなシリルがサマンサと出会う。“週末だけ里親になって!”とサマンサに頼むシリル。そしてサマンサはそれを受け入れるのだった。

映画のタイトルとなった“自転車”はシリルが父親から与えられたもの。彼はそれをとても大事にしている。サマンサと出会ったのも自転車が縁だった。
ダルデンヌ兄弟の映画で描かれるのは基本的に貧困家庭の人々。どれもこれも暗くて辛い物語ばかり。でも今まで観た中ではダントツで暗さや、辛さが少なめだった気がする。未来も見えたし…。
「ある子供」と「ロルナの祈り」で破滅していく若い男を演じたジェレミー・レニエは「夏時間の庭」でとても爽やかな青年を演じ、彼につきまとう貧困や辛さの中で生きる弱い男というイメージがすっ飛んだが、ダルデンヌ映画ではまたしても元の父親役に舞い戻り、それが又似合っている。

ある日、サマンサは恋人とシリルを選ぶハメになった時迷うことなくシリルを選ぶ。実の父親に見放された少年を恋人と量りにかけて選んだサマンサの気持ちは一瞬理解出来なかったが、少年とサマンサの間に何か通じるものがあったに違いない。そもそも“週末だけ里親になって!”と頼んだのはシリルの方だったが、サマンサはサマンサで恋人には満たされない何かがきっとあっだことだろう。
もう決して若くないサマンサと、親に捨てられた少年シリル。近所の友人とバーベキュー・パーティを予定する二人の姿に未来が見えて安心した。

渋谷 Bunkamura ル・シネマにて
by margot2005 | 2012-04-24 22:19 | Comments(0)