「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」

「The Iron Lady」2011 UK/フランス
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マーガレット・サッチャーに「プラダを着た悪魔/2006」「いつか眠りにつく前に/2007」「大いなる陰謀/2007」「ダウト ~あるカトリック学校で~/2008」「ジュリー&ジュリア/2009」「恋するベーカリー/2009」のメリル・ストリープ。
デニス・サッチャーに「ヴィクトリア女王 世紀の愛/2009」「家族の庭/2010」のジム・ブロードベント。
キャロル・サッチャーに「ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!/2007」のオリヴィア・コールマン。
若き日のデニスにハリー・ロイド。
若き日のマーガレットにアレキサンドラ・ローチ。
監督は「マンマ・ミーア!/2008」のフィリダ・ロイド。
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メリル・ストリープがオスカーをゲットした際“Her Again?/また彼女なの?”と、皮肉をこめてスピーチした。これは世界中の人々がメリルに向かって言うであろうイヤミ言葉を本人が自身に向けて言ったわけ。数億人が観ているTVでの痛快な発言。スゴい女性だ。
ハリウッドに君臨しているイメージでトム・クルーズ同様メリル・ストリープは好きじゃないが、二人ともホントは善い人なのかも知れないな。

86歳の老婆姿もハマっていた。顔はメイクでなんとかなるが、歩き方や仕草が本当に老婆のように見えて上手いのだ。さすがのオスカー女優。
オープニング、こっそり家を抜け出したマーガレットがスーパーで牛乳を買っている。正確にいくら(40〜50ペンス位/日本人の感覚だとかなり安いが…)だったか忘れたが…”牛乳も高くなったものね。”なんて言うのだ。彼女の父親は食料雑貨商を営んでいたから牛乳の値段には詳しかったに違いない。あのオープニングはかなりイケてた。

数年前のニュースで、家族がマーガレット・サッチャーの認知症を発表したのは知っていた。ドラマは認知症になった元英国首相が過去を回想する形で進行して行く。映画の中にマーガレットにつきまとって亡霊のように離れないデニスがいる。しかし観客はすぐにそれがマーガレットの妄想であることが分かる。この夫婦はとても仲が良かったのではないだろうか。結婚後“食器を洗って一生を終えるつもりはない。”と言う妻をサポートした夫は極めて寛容な人だったに違いない。

初当選した国会議事堂のシーン…通路に列を作る人々は男、男、男ばかり。その後、英国首相となったサッチャーはアルゼンチンとの間に起きたフォークランド紛争で強靭な姿勢を見せ、アルゼンチン軍を撃退しフォークランドを奪還する。かつて議員から“戦争の経験もないのに…”と言われ”戦わない日など一度もなかったわ。”と宣ったサッチャーだけあって行動力は抜群だったようだ。紛争により命を落とした数百人の英国兵士。サッチャーは自らも母親であることから兵士の母親たちにお悔やみの手紙を書く。これは男には決して出来ないこと。英国首相から届いたお悔やみの手紙は、息子を失った母親たちの心を慰めたに違いない。
そしてとうとうカリスマ政治家となったサッチャーは、側近に向かって“Cowardice!Cowardice!Cowardice!”と狂ったようになじり、会議の最中に彼らに対してイジメにも似た言動を取るようになる。やがて側近の言葉に全く耳をかさなくなってしまった彼女は周囲から見放されていく。

英国だけあって貴族の末裔なんかがいっぱいいそうな男ばっかりの閣僚。サッチャーに侮蔑をこめて“Grocery's Daughter!”なんて発言があった。全体的に女性監督が作った映画という印象。サッチャーの成りきりぶりがスゴい!メリル・ストリープ!この役は彼女以外には考えられない。
ポスターに掲げられた文字“NEVER COMPROMISE”...やはり彼女は決して妥協しないIRON LADYなのだ。

TOHOシネマズ日劇にて(4/15まで上映)
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by margot2005 | 2012-04-13 01:09 | UK | Comments(0)
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