「汽車はふたたび故郷へ」

「Chantrapas」2010 フランス/グルジア

ニコラスにダト・タリエラシュヴィリ。
カトリーヌに「夜顔/2006」「ランジェ公爵夫人/2007」のビュル・オジエ。
フランスのプロデューサーにピエール・エテックス。
監督、脚本はオタール・イオセリアーニ。
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フィルム・メーカーのニコラスは自国の思想や検閲にうんざりしフランスへ渡る。しかし希望を胸にやって来たフランスでも商業性を重視するプロデューサーと衝突してしまうハメに...

“フランス映画祭2011”で上映された、グルジアの巨匠オタール・イオセリアーニの半自伝的コメディ・ドラマ。舞台は旧ソ連時代のグルジア(1991年に独立)。
岩波で上映していたので、オタール・イオセリアーニも知らずに観に行ってしまった(1979年にフランスに亡命)。オタール・イオセリアーニを知らない人間にとっては映画に入り込めなかった。
シアターは岩波ファンのおじさま、おばさまが結構入っていて驚き。コメディってほどの展開でもないけど、所々笑わせてくれる場面もある。

某新聞評に“にじみ出る反骨と自我”…とある。その二つは映画を観ている観客に文句なしに訴えかけて来る。
この監督は俳優を重視しないらしくて何れの作品でも素人を使うらしい。ニコラス役のダト・タリエラシュヴィリはイオセリアーニの孫だそう。ニコラスの子供時代の出演者も皆俳優ではない。彼が自由なる映画を撮るためフランスに渡り、出会うプロデューサーやニコラスに部屋を貸すカトリーヌは俳優である。カトリーヌ役のビュル・オジエは上に書いた映画で記憶に残っていた。

グルジアは黒海に面し、隣国はトルコで西アジアの北端に位置する。伝書鳩を使ってフランス、パリから故郷のグルジアの祖母の元へ手紙を送るシーンはまさかあり得ない?状態だ。パリの街で作る映画も、犬連れの毛皮をまとった女性をただ歩かせて…何を意味してるのか?全く理解出来なくて実に奇想天外であった。

川の中からいきなり現れる人魚(それもアフリカ系の女性)もワケが分からない世界で少々ファンタスティックでもある。
故郷に戻り、川で釣り糸を垂れるニコラスの元へ再び人魚が現れ、水中に彼を連れ込むシーンでエンディングを迎える。グルジアでは自分の思うように映画が作れない。そこで自由を求めフランスに渡ったが、やはりパリでもダメだった。ニコラスは、故郷の川で人魚と自由に泳ぎ回ることに幸せを見つけたに違いない。

いつもやりたいことをやってきたというオタール・イオセリアーニのアイデンティティー炸裂!映画?
ヴェネチア舞台の「月曜日に乾杯!/2002」は見てみたいな。

神保町 岩波ホールにて(4/13迄上映)
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by margot2005 | 2012-03-21 00:04 | フランス | Trackback | Comments(0)
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