2011年 10月 23日
「ミケランジェロの暗号」

ヴィクトル・カウフマンに「ソウル・キッチン(SOUL KITCHEN)/2009」のモーリッツ・ブライブトロイ。
ルディ・スメカルに「アイガー北壁/2008」のゲオルク・フリードリヒ。
レナにウーズラ・シュトラウス。
ハンナ・カウフマンに「ヒア・アフター/2010」のマルト・ケラー。
ヤーコプ・カウフマンに「ピアニスト/2001」のウド・ザメル。
監督、脚色にヴォルフガング・ムルンベルガー。

1938年、オーストリア、ウイーン。ユダヤ人一族のカウフマン家は画廊を営み、ミケランジェロの素描を所有していた。それはムッソリーニも欲しがる国宝級の逸品。ある日、カウフマン家の息子ヴィクトルと兄弟のように育った使用人の息子ルディが再会を果たす。そして家に帰ったヴィクトルはミケランジェロの素描の在処を信頼するルディに教えてしまう。しかしナチスに傾倒していたルディは自らの昇進を狙いこのことを密告するのだった…
サスペンス・ドラマのジャンルながらIMDbではコメディ/ドラマとなっている。サスペンスながら確かに笑わせてもらった。主演のモーリッツが良いな!今月公開予定の「ゲーテの恋 ~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~/2010」のモーリッツも楽しみだ。
ナチス・ドイツの政策で多くのユダヤ人が収容所送りとなったこの時代、ヴィクトルの両親も彼自身も例外ではなかった。素描が没収された後収容所に送られたカウフマン一家。ヴィクトルにとってそれはユダヤ人ではない恋人レナとの別れでもあった。兄弟同然に育ったルディに助けられるどころか、裏切られたヴィクトルは彼に復讐しようと誓う。
このあたりからサスペンスがユーモアを交えた展開になって面白い。本物の素描の在処を巡りベルリンに向かう機上の人となったヴィクトルとルディ。しかし爆撃を受けた飛行機は墜落する。燃え盛る機体の中から負傷したルディを助け出したヴィクトルはあることを思いつく。それは自分がルディと入れ替わることだった。ルディのナチスのユニフォームを身に着けたヴィクトルは彼になりすましベルリンへと向かう。そしてそこで元恋人だったレナと再会する。ヴィクトルが収容所送りとなった後ルディはレナを自分の恋人にしていた。機知に富むレナはヴィクトルとルディが入れ替わっていることを理解し行動を共にする。
上に書いた展開が、少々出来過ぎとはいえ喜劇を見ているように笑える。
ラスト、ルディを出し抜くヴィクトルの行動は実に爽快だった。
主演のモーリッツが素晴らしい!彼は「ソウル・キッチン」同様コメディで俄然光る俳優だ。
TOHOシネマズシャンテにて
上手く出来過ぎの喜劇、そう、シェイクスピア劇のようで。
ラスト、二人の男の視線はにこやかでした。
それにしても、ミケランジェロの暗号って、一体なんだったのでしょうか?
ラストは実に痛快でありました。
そうですね、“ミケランジェロの暗号”ってなんだったのでしょうか?あまり深く考えませんでしたが...。