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「黄色い星の子供たち」

「La raffle」 …aka「The Round Up」2010 フランス/ドイツ/ハンガリー
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アネット・モノに「PARIS(パリ)/2008」「イングロリアス・バスターズ/2009」「オーケストラ/2009」のメラニー・ロラン。
ダヴィッド・シェインバウム医師に「エンパイア・オブ・ザ・ウルフ/2005」「ダ・ヴィンチ・コード/2006」「バレッツ/2010」のジャン・レノ。
シュメル・ヴァイスマンに「プライスレス 素敵な恋の見つけ方/2006」のガド・エレマレ。
妻スラにラファエル・アゴゲ。
息子ジョーにユゴ・ルヴェルデ。
ヴァイスマン家の隣人ベラ・ジグレールに「エディット・ピアフ~愛の讃歌~/2007」「サガン-悲しみよこんにちは-/2008」「冷たい雨に撃て、約束の銃弾を/2009」のシルヴィー・テステュー。
息子シモンにオリヴィェ・シヴィー。
下の息子ノノにマチュー&ロマン・ディ・コンチェート。
同じく隣人ディナ・トローブに「親密すぎるうちあけ話/2004」のアンヌ・プロシェ。
監督、脚本に「1492・コロンブス/1992」の脚本家ローズ・ボッシュ。
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1942年、ナチス占領下のパリ。ユダヤ人たちは一目でそれだと分かるように胸に“黄色い星”の印を付けることが義務づけられていた。そしてユダヤ人迫害政策に躍起になっているヒトラーの求めに応じ、フランス政府はパリに住む外国籍のユダヤ人2万4千人の一斉検挙に踏み切る。やがて、7月16日早朝、フランス警察に連行された1万3千人ものユダヤ人はヴェル・ディヴに収容される。水も食べ物も与えられずに放置された彼らの面倒を見たのは、同じくユダヤ人である医師のディヴィッドと赤十字から派遣されてきた看護師のアネットだった…

最近はヨーロッパ映画とそれ以外の国のミニシアターで上映される映画しか観ていない。邦画は観ないし、ハリウッド大作も観ないしで、ますます“My World”にハマってしまっている。そんな事でここの所観る映画が全くなく、2週間近くシアターへ行かなかった。今月末から来月にかけて、また好みの映画がシアターにかかるので楽しみにしたい。

巷でも評判?のこの作品。初日の最終回に日比谷へ観に行った。まさか?満席ではないだろうな?と想像していたが、前の方の席は殆ど埋まっていなかった。もっと入っているかと思ったけど…。

映画のWebsiteに“泣ける映画!”と書いてあった。ナチスの迫害にあいながら、生き残った人々の証言も取り入れた実話。これが泣けないワケがない。案の定終盤近くになってそこかしこからすすり泣きが聞こえてきた。私的にも涙が頬を伝うという久方ぶりの映画であった。明るくなる前に席を立とうとしたが、余韻に浸ってしまって身体が言う事を聞かず、結局エンドクレジットが終わり、シアターに明かりが灯る頃ようやく席を立つことが出来た。

自分の死を予感した母親が息子に叫ぶ“お願い生きて!約束して!”と…そして母親から“わたしの大事なユダヤの坊や”と呼ばれていた彼はその約束を果たす。親と子が引き離されるほど哀しい事はない。

映画のヒロイン、アネットは赤十字で働く看護師。1万3千人ものユダヤ人がヴェル・ディヴから収容所に移った後も行動を共にし、劣悪な環境の中、自ら身体を張り、極度の疲労も顧みず、ユダヤ人たちを支えたアネットが聖女のように見える。

50年もの間公式に認められなかった事件だそうで、1995年、時の大統領ジャック・シラクが政府の責任を認めたという。フランス政府がナチスに荷担して行った事実は伏せられ、それまではナチス・ドイツの迫害の一つと捉えられていたようだ。
フランス警察の制服を着た警察官が、いくら外国籍とはいえ、パリに住み子供たちはフランス生まれで、その父親たちの中にはフランス軍の一員として戦った人間も含まれるという彼らを検挙するなんて馬鹿なことがあるだろうか?
しかし、一方でパリに住むフランス人は、一斉検挙に反発し、1万1千人ものユダヤ人をかくまったという。

「縞模様のパジャマの少年/2008」はドイツ人将校の家庭と“ホロコースト”を描いた辛い映画だった。いつも感じるのは“ホロコースト”ものを見たドイツ人てどんな感想をもつのだろう?知りたいものだ。

「PARIS(パリ)」で大学教授にストーカーされる美少女レティシアが新鮮だったメラニー・ロランが一作ごとに大人の、素敵な女優に変化している。彼女の次回作が楽しみだ。
ユダヤ人医師ディヴィッドを演じたジャン・レノもとても良かったな。
11歳のユダヤ人の息子ジョー役のユゴ・ルヴェルデは近い将来たくさんの女性を虜にしそうなハンサム・ボーイで印象に残る。

TOHOシネマズ・シャンテにて
Commented by なな at 2011-12-06 00:25 x
こんばんは
最近私も観る作品の傾向が似てきて
よく作品が被るので連日お邪魔失礼します。
風邪の方はもういいのですか?
年末の慌ただしい時期,乗り切ってくださいね。
さてこの作品観に行きたかったのですが叶わず
DVDでやっと観ました。
ホロコーストものはどれを観ても
「知らなかった・・」とその非道ぶりに絶句することが多いのですが
この作品はフランス政府の当時の責任を明らかにしたということで
また新鮮な驚きや怒り,悲しみを感じました。
「縞模様のパジャマ~」もそうですが
ホロコーストを子供に焦点を当てて描かれると
何とも言えない切なさですよね。
今年度のマイベスト10入りの作品です。
Commented by margot2005 at 2011-12-11 22:01
ななさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。

仕事は一年で一番忙しい時期に突入し、おまけに私的にも色々とあって疲れが取れません。でももう一息...でがんばりますね。ななさんも忙しい師走を乗り切られるようお祈りします。

さて連日のお邪魔嬉しいです。当方は最近大作系映画は殆ど観なくなりました。それでもって地味で、暗い映画が増えましたね。でもやはりヨーロッパ映画は大好きです!
この映画も素晴らしかったですね。

>フランス政府の当時の責任...
には驚きました。あのような過去があったなんて信じられないです。レジスタンスの国が...と感じずにはいられないです。
心にしみる素晴らしい作品でした。



by margot2005 | 2011-07-24 22:33 | Comments(2)