「アリス・クリードの失踪」

「The Disappearance of Alice Creed」 2009 UK
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アリスに「007/慰めの報酬/2008」「ロックンローラ/2008」「パイレーツ・ロック/2009」「タイタンの戦い/2010」のジェマ・アタートン。
ダニーに「SWEET SIXTEEN/2002」「明日へのチケット/2005」のマーティン・コムストン。
ヴィックに「幻影師アイゼンハイム/2006」「シャーロック・ホームズ/2009」のエディ・マーサン。
監督、脚本に「ディセント2/2009」の脚本家J.ブレイクソン。
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映画のタイトルは”失踪”となっているがアリスは拉致事件に巻き込まれる。身代金を支払う事になるアリスの富豪の父親は登場しない。物語に登場するのはアリス、ダニー、ヴィックの3人のみ。
映画の90%はアリスが拉致され、閉じ込められた密室。ラスト近くで森が出て来る。どこで撮影されたのかな?と想像していたがマン島(グレートブリテン島とアイルランドの間に位置する)だったとは?シーンのほとんどが古ぼけた密室のアパートで、登場人物もたった3人という設定だし、密室ではないけど、海に囲まれて、陸地から閉ざされた島を舞台にしたのは、このサスペンス・ドラマにぴったりの背景だと思う。

映画の予告は殆ど見ていない。しかしふと手にしたチラシが気になって公開されたら観に行こうと思っていた。“嘘”が炸裂し、騙し合い、裏切り合う3人。今までこのような展開の犯罪映画ってあったかな?と思わせるほどの心理サスペンス・ドラマがスリリングで、結末が見えない面白さを堪能出来る。

オープニング、ヴィックとダニーが周到な準備を終えた後いきなりアリスが拉致される。誘拐とか拉致とかを描く時は、事件前の犯人と拉致される人間の人物描写が少しばかりはあると思う。しかしこの物語にはそれがいっさいない。やがて、なぜアリスが突然拉致されたのか?その理由が明かされる。その理由が“Unbelievable!”なのだ。
そして、ヴィックとダニーは刑務所仲間で、どうやら二人は愛し合っているらしいことが解る。二人が愛を確認するシーンが何度か登場するし、まぁダニーの方は迷惑って感じだが…。
とにかく、綿密に計画された2人組の誘拐犯の行動が巧みなのだ。事前に用意したアパートは何者も侵入できないよう完璧にロックし、証拠が残らないよう執拗なまでに注意を払う2人組。しかしヴィックが出かけた後、アリスとダニーが二人きりになる。その時に変化が起こる…“私の値段はいくらなの?”と聞くアリスに”200万ポンド”と答えるダニー。現在のGBP、1£は¥130くらいだからかなりの金額になる。

アリスが突如手に入れた携帯電話や拳銃…携帯のカード(チップ?)や、銃の薬莢を巡る展開は中々面白い。薬莢はトイレに流すものの流れず、ダニーは思わず飲み込んでしまう。しかしまたまた下から出てしまって…ブラック・ユーモアも忘れないブリティッシュ・ライター、J.ブレイクソンの初監督作品は多いに盛り上がり楽しめる。彼の次回作品に期待したい。

上にも書いたタイトルについた“失踪”…これは結末を観て納得した。見る前はなぜ?“拉致/誘拐”ではなく“失踪”なのか不思議だったが…。

ケン・ローチの「SWEET SIXTEEN」で主人公リアムを演じた頃まだ10代だったマーティン・コムストンが大人に変身しているが、顔は少年の頃とあまり変わってなくて、相変わらずキュート。
「007/慰めの報酬」のシークレット・エージェント役で初めてお目にかかったジェマ・アタートン。アリスを大胆に演じ、今までと全く違った彼女が見られること間違いない。

ヒューマントラストシネマ有楽町にて
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by margot2005 | 2011-06-20 23:46 | UK | Comments(4)
Commented by mig at 2011-06-21 09:16 x
いつもTBありがとうです
Commented by margot2005 at 2011-06-22 20:41
migさん、こんばんは。
コメントありがとう!気の向いた時にしかTBしないのですが、こちらこそいつもありがとうございます。
Commented by cochi1228 at 2011-07-12 23:49
予備知識がないと、おもしろいですよ。
あれあれとオロオロしながら、果ては、こっちも疑い深くなります。ネタバレは絶対なし、これは大罪です。
三人しか登場しないのに、世界があちこち繋がっているようで。
さすがの脚本でした。
彼女、この演技でこれからは怖いものなしでしょう。
Commented by margot2005 at 2011-07-16 21:20
cochi1228さん、こんばんは。
こういった映画で予備知識があったら興ざめしてしまいますね。基本的に映画のサイトは見ないでシアターに行きますので、後で展開に驚くこと多々ございます。
ジェマ・アタートンの今後が楽しみです。
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