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「戦火のナージャ」

「Utomlyonnye solntsem 2」…aka「Burnt by the Sun 2:Exodus」 2010 ロシア
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監督、製作、共同脚本、出演(セルゲイ・ペトローヴィチ・コトフ)に「12人の怒れる男/2007」のニキータ・ミハルコフ。
ナージャにナージャ・ミハルコフ。
ドミートリ・アーセンティエフに「イースト/ウエスト 遥かなる祖国/2000」のオレグ・メンシコフ。
マルーシャに「ラフマニノフ ある愛の調べ/2007」のヴィクトリア・トルストガノヴァ。
スターリンにマクシム・スハノフ。
ナージャが赤十字の船で出会う神父アレキサンドルに「12人の怒れる男」で陪審員3のタクシー・ドライバー役や「カティンの森/2007」のセルゲイ·ガルマッシュ。
将校ルーニンに陪審員1で会社CEO役だったセルゲイ・マコヴェツキー。
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「太陽に灼かれて/1994」が第1作で、こちらは第2作とのこと。「太陽に灼かれて」は未見なので機会があれば是非観てみたい。

第二次世界大戦時のロシアの状況を良く知らないので何ともはや…。
ニキータ・ミハルコフはスティーヴン・スピルバーグの「プライベート・ライアン/1998」から多くのインスピレーションを得たという。ロシア映画史上最大のスケール感という戦闘シーンの数々。橋の大爆破や、ドイツの戦闘機が赤十字の船を襲撃するシーンなどかなり迫力あった。

1941年6月、ファシスト国ドイツが戦線布告することなくロシアに侵略開始する。かつてスターリンへの反逆罪で銃殺刑を言い渡された革命の英雄コトフは強制収容所で過酷な重労働を強いられていた。しかし収容所が爆撃を受けたため焼け落ち、他の政治犯と共にからくも脱走したコトフは川に逃げ込み、ドイツ軍から逃げ惑う大勢の農民たちの姿を目の当たりにする。
一方で、KGBの幹部であるドミートリ・アーセンティエフ大佐の計らいで、党の少年少女団に所属しているコトフの娘ナージャは5年前の夏に姿を消した父親に想いを馳せていた。

1943年5月、ドミートリはモスクワのスターリン私邸に呼び出され、“コトフについて知っていることは?”と問われる。コトフとドミートリには深い因縁があった。コトフの妻マルーシャはドミートリの元恋人で、彼にとってコトフは恋敵だった。しかし1936年、スターリン大粛正の際、ドミートリはコトフをクレムリンへ連行し自らの恨みを果たしている。
ドミートリはマルーシャを取り戻し、政治犯コトフの一人娘ナージャを匿っていた。そしてコトフはまだ生きているという情報の下、彼の消息を辿るという複雑な思いを抱いていた。ナージャもまたドミートリの表情から“父は生きているの?”と思い始める。

若い士官候補生のエリート部隊と、懲罰部隊の一兵卒に加わった元英雄コトフの雪と霧の平原での戦闘場面。最後は地獄絵図となるのだがコメディ的要素も取り入れられて可笑しかった。コトフ演じるニキータ・ミハルコフのとぼけた表情が滑稽なのだ。
オープニングでスターリンの肖像をかたどったバースディ・ケーキに、本人の顔を押し付ける革命の英雄コトフ…あのシーンはホント痛快。

“再会しようとする父と娘の絆を、壮大なスケールと映像美で描いた感動のドラマ…”ということらしいが、あまり感動ってほどのものでもなかった。映画は2時間30分とだらだらと長く、1941年と1943年が行ったり来たりして、「太陽に灼かれて」を観ていればもうちょっと感動出来たのかも知れない。第1作の回想シーンが挿入されていなければ、ますます盛り上がらなかっただろうな?第3作を製作中とのことなので、きっとナージャは父親に逢えることだろう。今更ながら「プライベート・ライアン」は名作だと思う。

シネスイッチ銀座にて(6/3で上映終了)
Commented by なな at 2011-06-09 22:15 x
お久しびりです。
つい最近DVD化された「太陽に灼かれて」を観ました。
オレグ・メンシコフ目当てですが・・・
こちらは確かにアカデミー取っただけあって
なかなかに深く切ない心に残る作品でした。
「戦火のナージャ」は1作目の愛らしいナージャが
成長してどんな娘さんになってるか?というだけでも
観たいなぁを思わせるほど,幼いナージャは可愛かったです。
1作目で自殺したみたいな終わり方だったドミトリも
なんだ~生きてて2作目に登場してくるんですね。
またオレグに逢えるのは嬉しいです。
「太陽~」の方の記事をTBさせていただきますね。
この「戦火~」も機会があればぜひ観たい!です。
きっと1作目ほどの感動はないにせよ・・・・。
Commented by margot2005 at 2011-06-13 21:35
ななさん、コメントありがとうございます。
DVDって殆ど見ないので(買うことはますますありません)レンタル・ビデオ屋には行かないのですが、「太陽に灼かれて」は是非見てみたいですね。
「太陽〜」のナージャはホントに可愛いですね。「戦火のナージャ」では彼女は逞しいおねえさんに成長しております。
オレグ・メンシコフも少し老けましたが、相変わらず素敵なロシア人俳優ですよね。
by margot2005 | 2011-06-05 21:53 | ヨーロッパ | Comments(2)