2011年 05月 29日
「4月の涙」

アーロ・ハルユラにサムリ・ヴァウラモ。
ミーナ・マリーンにピヒラ・ヴィータラ。
エーミル・ハレンベルグにエーロ・アホ。
エーミルの妻ベーアにリーナ・メイドレ。
監督はアク・ロウヒミエス。



某新聞の映画評に“敵味方超えた愛の悲劇”と記されているように、これは単なる戦争映画ではない。
1917年ロシア革命の後独立宣言したフィンランド。しかし翌年に内乱が起こり、ドイツよりの白衛軍とロシアよりの赤衛軍によって国は二分されてしまう。そして白衛軍の准士官アーロと赤衛軍のミーナが運命的に出会う。
赤衛軍の女兵士のリーダー、ミーナとその仲間たちは白衛軍の兵士たちに捕えられ、繰り返しレイプされたあげく逃亡兵として射殺されてしまう。ただ一人生き残ったミーナは白衛軍の准士官アーロに見つかり、再び捕えられるが、アーロは他の兵士たちと違い、彼女には正当な裁判を受ける権利があると主張し、判事のいる裁判所へと向かう。
敵同士であるアーロとミーナ。アーロは彼女を助けようと必死だがミーナは名前も名乗らず、固く心を閉ざしている。ボートで裁判所へ向かう折、アーロに抵抗したミーナによって、ボートが転覆してしまい、水中に投げ出された二人は不毛の孤島にたどり着く。ほどなく小屋を見つけ暖をとるがミーナの身体は衰弱しきっていた。アーロの献身的な看病により回復したミーナは、二人きりの小屋で過ごすうち次第に心を開いて行く。
正当な裁判を受けるべく判事の元にやって来たアーロとミーナ。作家から軍人になった判事のエーミルは教養人であり、正義の人間であるにも関わらず、日々サディスティックなまでに捕虜を銃殺している。昼間は軍服を着て指令を出す一方で、夜にもなるとタキシードに身を包んだエーミルは食事とワインに舌鼓をうち、ブランディと葉巻を手にゲーテの詩を暗唱したり、ピアノを奏でたりしている。
最初、軍服とタキシードの男は別人?なんて思っていた。夜と昼の彼はあまりにも違ってたから…。そして彼はホモセクシュアルであり、自身の妻にアーロを誘惑させる。“ベーアは良かったかい?君好みだろ?”と尋ねるあたりは狂気の沙汰としか思えない。
ミーナの釈放と引き換えにエーミルの慰み者となるアーロ。自身を差し出すことによりミーナが自由になればと考えたアーロは彼女を愛していたに違いない。そして大ラス、またしても白衛軍が追ってくる中、“逃げろ!”と言うアーロに、“一緒に来て!”と答えるミーナ。あのシーンには泣かされた。結末は哀し過ぎる。
アーロとミーナの“愛の悲劇”の中に登場するエーミル。戦争の狂気に翻弄されるアーロとミーナ同様、エーミルもまた犠牲者だったに違いない。
1981年フィンランド生まれのサムリ・ヴァウラモが中々イケメン。
フィンランドの大自然の中で撮影された景色が素晴らしかったし、バックに流れるmusicもgoodだった。
シネマート新宿にて

