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「アンチクライスト」

「Antichrist」 2009 デンマーク/ドイツ/フランス/スウェーデン/イタリア/ポーランド
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彼女に「ぼくの妻はシャルロット・ゲンズブール/2001」「フレンチなしあわせのみつけ方/2004」「恋愛睡眠のすすめ/2005」「アイム・ノット・ゼア/2007」「アニエスの浜辺/2008」のシャルロット・ゲンズブール。
彼に「パリ、ジュテーム2006」「インサイド・マン/2006」「フェアウェル/哀しみのスパイ/2009」のウイレム・デフォー。
監督、脚本に「奇跡の海/1996」「ダンサー・イン・ザ・ダーク/2000」のラース・フォン・トリアー。
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ある雪の降る夜、夫婦で愛を交わす最中に一人息子が窓から転落死する。葬儀の最中に哀しみに耐えかねた彼女は気を失い病院に入院する。しかし病院から半ば強引に彼女を家に連れ帰った彼は、自ら彼女に催眠療法を施すため森に連れ出す...

ラース・フォン・トリアーの「奇跡の海/1996」「ダンサー・イン・ザ・ダーク」「ドッグヴィル/2003」はどれもこれも暗くて後味の悪い代物ばかり…「ダンサー〜」はその最たるものだったが、こちらはそれ以上。二度と観たくない映画がまた一つ増えた。
公開2週目のウイーク・ディ最終回はほぼ満席。途中で席を立とうかと迷ったが、周りの人々がスゴく一生懸命に観てる雰囲気に圧されてしまって結局最後まで観てしまった。

夫婦でメイクラヴの最中息子が事故に遭う。あの時、彼女はベビーベッドから飛び出し、窓のそばにいる息子の姿が見えているように感じた。しかし彼女は彼とのsexに夢中でクライマックスに至る。自身の愛欲に溺れ、彼から身体を離すことが出来なかったのだろうか??それ故に息子を亡くした哀しみ、後悔が彼女に襲いかかる。幼い息子を亡くす哀しみには計り知れないものがあるだろうが、彼女は神経を病み次第に鬱状態に陥って行く。やがてセラピストの彼が彼女に催眠治療しようと森に連れ出す。そこは“アダムとイヴが出会ったエデン”だった。キリスト教(聖書)は全く非日常的な世界なので、映画で描かれるさまは理解出来ない。個人的には、あまりにも絶望的で救いがたい作品で観ていてとても、とても疲れた。
はさみのシーンはとても観れなかった。映倫修復前のシーンなど想像しただけで身震いしてしまいそう。

オープニング、外は雪景色。オペラのアリアが流れる中、幼い息子が窓からスローモーションで落ちて行くシーンはとても衝撃的だし、森のシーンで大量にドングリの実が落ちてくる不気味な音や、森に住む生き物たちの残虐な姿が効果的に登場し印象に残る。でも圧巻だったのは木の根っこの間から出て来る無数の手足と身体。
某新聞映画評に“ホラー映画と言っていいかも知れない。”とあったが、これには同感。
そして、カンヌ国際映画祭主演女優賞(2009)を受賞したシャルロットと、デンマーク映画批評家協会賞/主演男優賞(2010)受賞のウイレム・デフォー、二人の俳優の演技にはただただ感服する。
新宿武蔵野館にて
by margot2005 | 2011-03-27 19:53 | 北欧 | Comments(0)