2010年 03月 03日
「すべて彼女のために」
ジュリアンに「ガスパール/君と過ごした季節(とき)/1990」「女はみんな生きている/2001」「チャーリーとパパの飛行機/2005」のヴァンサン·ランドン。
リザに「戦場のアリア/2005」「敬愛なるベートーヴェン/2006」「マンデラの名もなき看守/2007」「ハンティング·パーティ/2009」「イングロリアス·バスターズ/2009」のダイアン·クルーガー。
オスカルにランスロ·ロッシュ。
作家アンリ·パスケに「あるいは裏切りという名の犬/2004」「裏切りの闇で眠れ/2006」のオリヴィエ·マルシャル。
ジュリアンの父親に「ぜんぶ、フィデルのせい/2006」のオリヴィエ·ペリエ。
監督、脚本にフレッド·カヴァイエ。
原案、共同脚本にギョーム·ルマン。
96分間手に汗握るハラハラドキドキで、二個隣の席のojisamaは終始前椅子を抱え込むように鑑賞されてたのが可笑しかった。マイベスト決まりの大満足フランス·サスペンス。
フランスのサスペンスってとっても大胆でスタイリッシュ。ポール·ハギスのハリウッド·リメイクにも期待したい。
妻がレンヌに移送されると知ったジュリアンは行動を起こし始める。金を得るため銀行を襲撃しようとするが、躊躇するあたりはやはり学校教師?しかしその後の彼の行動は凄まじい。
毎週刑務所を訪問するジュリアン親子。しかしオスカルは母親リザに口も聞かず触れられるのも拒絶する。ある日、彼女は夫に“オスカルはここが嫌なのよ。もう連れて来ないで!”と言い渡す。愛する幼い息子に無視されるリザは自身が置かれた立場より辛かったかも知れない。その時ジュリアンも又、オスカルを母親のいない子供にしたくないと誓う。
“すべて彼女のために“...自身の危険を顧みないであこまでする夫っているだろうか?ある意味リザって幸せな女性。
幾度かの脱獄に成功し今や作家となっているアンリ·パスケに脱獄の方法を教わるなんて良く思い付くと関心する。
終盤近く、父親との過去の確執も消えてしまったかのようなジュリアン親子の抱擁シーン。両親にはとてもじゃないが今生の別れとは言えない...しかし父親はそれを知り理解していた。あの場面には少々感動。
映画の主人公はジュリアン。演じるヴァンサン·ランドンは「ガスパール〜」や「チャーリー〜」での心優しい人物がマッチする俳優。この作品では彼女のために奔走する愛する夫を熱演。素敵なフランス俳優である。
「ホワイト・ライズ/2004」や「トロイ/2004」で始めてお目にかかったダイアン・クルーガーは顔が整い過ぎて魅力に欠ける女優だが、「イングロリアス·バスターズ」ではブラック・コメディが中々イケてた。こちらのリザ役も今までの美しいだけの女性ではない、冤罪に苦しむ母親役を好演している。
ストーリーにちょっと突っ込みを入れるとしたら、海外逃亡の後長期滞在ビザどうするんだろう?なんて単純な疑問が芽生えたが、インスリン問題もあるし...でも展開がとてもアグレッシブで見応えがあり許してしまった。フランス本国で大ヒットしたのも大いに頷ける。
ヒューマントラストシネマ有楽町にて
かなり観ごたえのある作品でしたね~!
公開劇場をもっと増やせばいいのに・・・。
面会に行ってもオスカルが明らかに母親を絶するような態度を取る姿は
辛かったですね。
無罪の罪で投獄されるより息子の態度の方が辛いだろうと私も
思いました。
それにしても「平凡な国語教師の男」と言われ続けたジュリアン・・・
やるときはやりますね。
フランス警察のあきらめのよさもご愛嬌でした。
この映画東京と大阪でしか上映してないですね?
こちらでは有楽町のスクリーンが小さなミニシアターです。フランス映画はイタリア映画よりは公開されますので良しとしたいです。
不況のせいで海外ものは買い付けに躊躇する配給会社が多い感じで寂しいですね。
さてさてジュリアンはホントに頑張ってました。あのような妻にぞっこんの夫ってフランスにもいるんだなんて思ったりもしましたが...。
あきらめの良さも愛嬌って、なんかフランス人らしい気もしますが如何でしょう?
なるべく早く劇場に駆け込みます〜〜〜〜
これはとってもお勧めのフランス・サスペンス映画であります!
もうご覧になったかしら?