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「ウィニングチケット -遥かなるブダペスト-」

「Telitalálat」...aka「Winning Ticket」2003 ハンガリー
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ベーラにシャーンドル・ガーシュバール。
ベーラの下宿人ロージカにマリアン・サライ。
ベーラの妻に「倫敦から来た男/2007」でミセス・ブラウンを演じたアーギ・スィルテシュ。
監督はイレーシュ・サボーとシャーンドル・カルドシュ。
原作にイレーシュ・サボー。

1956年のハンガリー、ブタペスト。妻子と母親、そして魅力的な下宿人ロージカと一つ屋根に暮らすベーラは工場のフォークリフト運転手。つましい生活を送るある日、彼はサッカーくじで大金を当てる。大金を携え銀行に向かうちょうどその時ハンガリー動乱が勃発。ベーラは大金を持って右往左往するハメになる...
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「だれのものでもないチェレ/1976」を観た時に予告編を観た。予告を観る限り結構コメディなのか?と思っていた。しかしこれは全くもってコメディではなくユーモア&ペーソスたっぷりのヒューマン・ドラマ(風刺劇)。
50年代のハンガリー、サッカーは世界最強チーム。あの時代にサッカーくじが存在していたなんてさすが!ヨーロッパ!
一攫千金当てた日に動乱が勃発!と言うとんでもないストーリーながら実話がベース。しかし実話の人物はその後姿をくらましたとか。
18万人もの人々が海外へ亡命し、動乱により亡くなった市民の墓標がいたる所に建てられたブタペストの街。
ハンガリー動乱について詳しい知識もなく、それは残念ながら他国の他人事であり、興味深く観るってことにはならなかった。
案の定「だれのものでもないチェレ」同様シアターもガラガラ(平日最終回)だったし。
得たサッカーくじ賞金は労働者ベーラの100年以上の月給にも値する。ロージカに尋ねられ娘の手を借り100年分の給料を計算したり、常に大金の入った鞄を抱えてウロチョロするベーラのシーンは笑える。
銀行に預けるつもりが、デモ群衆に阻まれ仕方なく家に持ち帰る。金の隠し場所を考えた末家の前の地面に埋めるが、至る所に墓穴が掘られ焦るベーラ。そして果ては悪夢にうなされ飛び起きる始末。やがて金の使い方で夫と諍いとなった妻は子供と義母を連れて出て行ってしまう。
この映画は人間大金をゲットしても幸せになれないって事。 元の労働者に戻りフォークリフトを運転するシーンで終わる辺りは良いエンディングだった。
渋谷 シネマ・アンジェリカにて
by margot2005 | 2010-03-01 00:47 | ヨーロッパ | Comments(0)