2023年 05月 31日
「シタデル」TVシリーズ 1シーズン/6エピソード
「Citadel」2023 USA

”シタデル”は世界中から集まった優秀なスパイたちの組織でCIAでもM16でもなく本部は米国にある。エージェントのメイソンとナディアはイタリア、アルプスの列車の中で敵対組織”マンティコア”のエージェントに待ち伏せされ、襲撃後、爆破された列車事故で死亡したとみなされる。メイソンは過去の記憶を全て失っていた。8年後、米国ワイオミング州で妻子と平和に暮らすメイソンはカイル・コンロイと名乗っていた。一方で”マンティコア”の襲撃を生き延びたエージェント、バーナード・オーリックはメイソンが生きている情報を得る。ナディアもまたイタリアでの襲撃から生き延びていた…
”シタデル”は影から世界を操る強力なシンジケート”マンティコア”により陥落するが、エリート、エージェントのメイソンとナディア、そしてバーナードは生き延びていた。やがて”マンティコア”の企みを阻止すべき闘いが始まる。
「ゲーム・オブ・スローンズ」以来リチャード・マッデンの大ファンなので楽しみにしていたTVシリーズ。
マッデンはジェームズ・ボンド並みのアクションを演じていてスゴい。ただドラマは全く時系列ではなく過去(30年、10年、9年、8年、数ヶ月などなど)、現在と行ったり来たりして、おまけに舞台は米国、ヨーロッパやアフリカ、インドの都市で、めちゃくちゃややこしくて頭が混乱した。見終わりボーナスの映像を見て「シタデル」を詳しく復習した感じ。
年齢と共に少し顔にシワができたお気に入りのマッデン主演じゃなかったら途中挫折したかも知れない。でも1エピソード30分ほどで一気見にオススメ。
脇を固めるスタンリー・トゥッチ&レスリー・マンヴィルが存在感あり。
プリヤンカー・チョープラは元ボリウッド俳優で「バルフィ! 人生に唄えば/2011」を見たような気もするが思い出せない。ハリウッドに進出して以来彼女の映画を見たのは「ベイウォッチ/2017」「ロマンティックじゃない?/2019」などなど。プリヤンカーはアクションがnice。
メイソン・ケインに「エターナルズ/2021」のリチャード・マッデン。
ナディア・シンに「マトリックス レザレクションズ/2021」のプリヤンカー・チョープラ。
バーナード・オーリックに「ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY/2022」のスタンリー・トゥッチ。
ダリア・アーチャーに「ミセス・ハリス、パリへ行く/2022」のレスリー・マンヴィル。
アビー・コンロイにアシュリー・カミングス。
グレースに「オールド/2021」のニキ・アムカ=バード。
Amazon Prime
2023年 05月 29日
「SUBURRA -暗黒街-」TVシリーズ 3シーズン/24エピソード
「Suburra - La serie」…aka「Suburra: Blood on Rome」2017~2020 イタリア


ローマを舞台にバチカン、政治家、そしてギャングたちの生き様を描くクライムアクション。
政治家を裏で操るサムライ、激化するギャング間の敵対、一攫千金を狙う3人の若者、金と私欲にまみれたそれぞれの思惑が渦巻く。
オスティアを拠点とするギャングのアウレリアーノ・アダミ
ロマ、ギャングのアルベルト(スパディーノ)・アナクレッティ
警察官の息子ガブレエレ(レレ)・マルキッリ
アルベルトの兄マンフレディ・アナクレッティ
ローマの組織犯罪のトップ、サムライ(ヴァレリオ)
サムライに操られる進歩的な政治家アメデオ・チナーリャ
ローマ教皇庁の財務監査人のクラウディア・ジェリーニ
彼らを軸にドラマは進んでいく。
サムライに挑むのは若いアウレリアーノ、スパディーノとレレ。3人は敵対しながらも友情を育んでいく。
タイトルが「Suburra:血のローマ」だけあってクライムアクションは殺し合いの連鎖。しかし誰も逮捕されないし、主要人物は誰も殺されない。でもラストは違った。
ローマが舞台なので観光名所がたびたび登場する。ストーリーは除外してローマ好きには喜ばしいドラマかも?私的にはクライム映画大好きなのでローマの街とストーリー両方を満喫することができた。ライトアップしたコロッセオが目の前にそびえる高級マンションのベランダや、フォロ・ロマーノが真下に見える高級レストランはBeautiful!
イタリア映画祭2016で鑑賞した「暗黒街/2015」のTVシリーズ版。
映画版はピエルフランチェスコ・ファヴィーノが演じる政治家が主人公。ギャングのアウレリアーノ・アダミ(No.8)、サムライ、アルベルトとアルベルトの兄マンフレディ・アナクレッティ。そして枢機卿にはフランスの俳優ジャン=ユーグ・アングラードが出演。しかしエリオ・ジェルマーノ演じるセバスティアーノの記憶がなくて残念。
たまたまアレッサンドロ・ボルギの映画を2本鑑賞してこのシリーズを思い出したが、これもマイリストに入れたままになっていた。シリーズものは北欧、英国、フランス、米国ものを見ることが多い。たまにドイツかな?他のヨーロッパ諸国のTVシリーズもいっぱいあるけれど全ては無理だしチョイスすることになる。そして意外にもポーランド、スペインが多い。イタリアのTVシリーズもあるけど、なぜか途中挫折が多い。これは観て正解!ものすごく面白かった。
アウレリアーノ・アダミに「帰れない山/2022」「デルタ/2022」のアレッサンドロ・ボルギ。
アルベルト(スパディーノ)・アナクレッティにジャコモ・フェラーラ。
ガブレエレ(レレ)・マルキッリにエドゥアルド・ヴァルダルニーニ。
サムライ(ヴァレリオ)に「ドッグマン/2018」のフランチェスコ・アクアローリ。
アメデオ・チナーリャに「向かいの窓/2003」のフィリッポ・ニグロ。
サラ・モナスキに「家族にサルーテ! イスキア島は大騒動/2018」のクラウディア・ジェリーニ。
マンフレディ・アナクレッティに「ドッグマン/2018」のアダーモ・ディオニージ。
Netflix
2023年 05月 28日
「aftersun/アフターサン」
「Aftersun」2022 UK/USA

11歳の少女ソフィは、大好きだった父カラムが母と離婚し離れ離れの生活を送っていたが、夏休みを二人だけで過ごすためトルコのリゾート地にやって来る。若い父親カラムは色々と悩みを抱えていたが、愛する娘ソフィとの時間を楽しいものにしようと陽気に振る舞う…
ドラマは父親と娘のかけがえのないひと時を、父と同じ歳になった20年後のソフィの視点で描き出す。
初日の19:00台のシアターは満席だった。この映画はなぜ絶賛されるのか?観終わって分かる気がした。
ドラマは時代設定が全くされていない。まず携帯電話を所有していないことがわかると20年以上前と考えられる。撮影はビデオカメラ。レストランで撮ってもらった写真はポラロイドだった。
父カラムと娘ソフィ二人きりのバカンス。ソフィの母とカラムはいつ、なぜ別れたのか?といった細かいことは一切語られない。ソフィが母と電話で話すシーンがあるが姿は見せない。それが神秘的で切なくもある。
ホテルで出会った若者が、ソフィをカラムの妹と勘違いする。カラムはすかさず”僕は父だ”と答える。娘に対する深い愛情を感じる言葉だった。ラストがマジで切ない。
アカデミー賞主演男優賞にノミネートされたポール・メスカルは素晴らしかった。ソフィ役のフランキー・コリオはスクリーン、デビューとは思いない演技でnice。
バカンス先で31歳の誕生日を迎えるカラム役のポールは1996年、アイルランド生まれでまだ20代。「ロスト・ドーター」ではコテージで働くウィルを演じていたが出番が少なくてあまり記憶にない。TVシリーズ「Normal People/2020」が観てみたい。
ドラマのラストソングはカラムのダンスと共に♪Under Pressure♪
この選曲はパーフェクト!
カラムに「ロスト・ドーター/2021」のポール・メスカル。
ソフィにフランキー・コリオ。
大人のソフィにセリア・ロールソン=ホール。
監督、脚本はシャーロット・ウェルズ。
新宿ピカデリー
2023年 05月 25日
「禁断の面接」 TVミニシリーズ 1シーズン/6エピソード
「Dérapages」…aka「Inhuman Resources」2020 フランス

刑務所で借金苦と悲惨な仕事を思い出しながら語り始めるアラン・ドランブル。そして経営難に陥るエクシャ社のCEOアレクサンドル・ドーフマンが異例のリストラを計画する…
アランは中小企業の人事部で長年真面目に働いていたが、年齢のせいで解雇される。その後6年間アルバイトで生計をたて疲れ果て屈辱感を抱いていた。そんなある日、気性の激しいアランは作業場で上司を殴りクビになった上告発される。
その後、エクシャ社のアレクサンドル・ドーフマンの面接に採用されたアランは、ITオタクのシャルルに助けを求めエクシャ社を調べ始める。
アランは妻ニコルに嘘をつき、借金を断る娘婿グレゴリーを殴り、無理やり妊婦の娘マチルドに金を出させアントワーヌを雇う。アントワーヌは人質作戦のアランのためのコーチだった。裁判が始まってからは刑事弁護に不慣れな娘リュシーに弁護を頼み込む。それはアランの策略だった。
実話に基づく物語。
エクシャ社は飛行機やヘリコプターを製造する大企業。しかし経営難で工場の1200人以上の従業員を解雇するため、会社の幹部を人質にとりロールプレイングゲームで質問する。不安定な状況でどの幹部が対処できる能力があるか判断するためだった。選ばれたヤスミンと共にアランはゲームを始める。
ドーフマンに人質作戦に雇われるフォンタナ。演じるアダマ・ニアネはオマール・シーのTVシリーズ「Lupin/ルパン/2021」でとっても怪しい男役だった。この俳優顔が怪しい。
アランはどうなる?どこへ行きつくのか?全く先が読めなく、二転三転するストーリーがものすごく面白かった。
エリック・カントナが元マンチェスターユナイテッドの中心選手で”キング・エリック”と呼ばれていたなんて今では嘘みたい。カントナの現在の職業は俳優で出身はフランスのマルセイユ。
エリック出演映画を初めて観たのはケイト・ブランシェットの「エリザベス/1998」。その後は母国のフランス映画「マルセイユの決着/2007」に出演し、ケン・ローチの「エリックを探して/2009」は最高だった。
最近、強靭な男を演じてハマるアルバン・ルノワール主演の「AKA/2023」では犯罪者(ボス)が似合っていたカントナ。本作では怒りを爆発させる男を熱演しniceだった。
アラン・ドランブルに「スウィッチ/2011」「悪党に粛清を/2014」のエリック・カントナ。
ニコル・ドランブルに「モンフォコンの森/2017「今さら言えない小さな秘密/2018」のスザンヌ・クレマン。
アレクサンドル・ドーフマンに「ロマン・デュリスの 偶然の殺し屋/2016」のアレックス・ルッツ。
シャルル・ブレッソンに「アスファルト/2015」「パリの調香師 しあわせの香りを探して/2019」のギュスタブ・ケルヴェン。
リュシー・ドーフマンに「シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!/2018」のアリス・ドゥ・ラングサン。
マチルド・ドランブルにルイーズ・コルデフィ。
グレゴリー・ジーグラーにニコラ・マルティネス。
ダヴィッド・フォンタナにアダマ・ニアネ。
アントワーヌにアトン。
ヤスミンにソラヤ・ガーレンク。
Netflix
2023年 05月 24日
「ウィ、シェフ!」
「La Brigade」…aka「Kitchen Brigade」2022 フランス

一流レストランのスーシェフのカティはシェフと大喧嘩し店を辞めてしまう。新たな仕事が中々見つからないカティは仕方なく移民少年たちの自立支援施設で働き始める…
まともな食材もなく”質より量”の食事。大量の食事を一人で作るのは無理というカティに施設長のロレンゾは少年たちを調理アシスタントに起用することを提案する。やがてカティは少年たちと菜園を作り、収穫し料理を教える始める。それは彼らの将来に備えるもの(就学)でもあった。
”フランス語がちょっと苦手な少年たちと、人づきあいが苦手なシェフのカティ。
実在の移民支援プロジェクトから生まれた、ドラマチック・キッチン・コメディ!”
全く期待していなかったので、コメディタッチで描く移民問題も絡めたドラマは意外にも良かった。
施設にいる少年たちは18歳までに就学できないと強制送還されてしまうのだ。CTスキャンで骨を調べると人の年齢がわかることを知った。
自分の店を持つ資金のため、とりあえず自立支援施設で働き始めたカティ。しかし少年たちと触れ合うことで、今まで持ち合わせていなかった労りや優しさを得、自己中だった彼女の世界が変わっていく。
フランソワ・クリュゼが相変わらず良い人役。オーディションで選ばれた少年たちがnice。
カティ・マリーに「愛しき人生のつくりかた/2015」「社会の片隅で/2018」「崖っぷちの女たち/2019」のオドレイ・ラミー。
ロレンゾ・カルディに「再会の夏/2018」「ローズ島共和国 ~小さな島の大波乱/2020」のフランソワ・クリュゼ。
サビーヌに「愛しき人生のつくりかた/2015」のシャルタル・ヌーヴィル。
監督、脚本は「社会の片隅で/2018」のルイ=ジュリアン・プティ。
ヒューマントラストシネマ有楽町