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「レジェンド 狂気の美学」

「Legend」2015 UK/フランス/USA
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1960年代初頭のロンドン。双子のレジーとロン兄弟は街の裏社会を牛耳っている。強い絆で結ばれた二人ながら、理知的で商才に長けるレジーに対して、ロンは狂暴ですぐにキレてしまう男。レジーはある日、部下で運転手の妹フランシスと出会い恋に落ちる…

レジー・クレイ/ロン・クレイに「ロックンローラ/2008」「裏切りのサーカス/2011」「ダークナイト ライジング/2012」「チャイルド44 森に消えた子供たち/2014」「マッドマックス 怒りのデス・ロード/2015」のトム・ハーディ。
フランシス・シェイに「2月の夏/2013」「ポンペイ/2014」のエミリー・ブラウニング。
レズリー・ペインに「マクベス/2015」のデヴィッド・シューリス。
マッド・テディー・スミスに「キングスマン/2014」のタロン・エガートン。
アンジェロ・ブルーノに「NOEL ノエル/2004」のチャズ・パルミンテリ。
ニッパー・リードに「アメリア 永遠の翼/2009」「アンコール!!/2012」のクリストファー・エクルストン。
監督、脚本は「ROCK YOU! [ロック・ユー!]/2001」「42 ~世界を変えた男~/2013」のブライアン・ヘルゲランド。

ギャングとは結婚したくないというフランシスの気持ちを考え、レジーは犯罪から距離を置こうとナイトクラブの経営に乗り出す。経営は順調に進み、幸せいっぱいのレジーはフランシスに結婚を申し込む。しかしフランシスの母親はギャングとの結婚に猛反対だった。一方でロンはレジーの行動が気に食わなくてトラブルを起こしてばかり。

レジーはトラブル・メーカーのロンに怒りを爆発させるが、兄弟の絆が崩れることはなかった。しかし反対にレジーとフランシスの間が崩れ始める。
フランシスは、ロンや“紅茶の入れ方も知らないの?”なんて意地悪をいう兄弟の母親の存在が疎ましくて仕方がない。しかしギャングの世界にはファミリーの強固な絆があり、フランシスはだんだんと疎外感に苛まれていく。そう、ギャングは所詮ギャングで足を洗うことなどできないらしい。

レジーは男たちの間で凄みを見せているかと思えば、恋人にはとても優しい顔に変わる。そして母親にはとろけるような笑みを浮かべるのだ。
メイクもありだけど双子の兄弟レジーとロンを演じ分けるトム・ハーディが実に上手い。ギャング役が似合う!似合う!

「キングスマン」でとてもキュートだったタロン・エガートンがゲイの青年役で妖しい魅力を漂わせている。
「ダ・ヴィンチ・コード/2006」「リリィ、はちみつ色の秘密/2008」「ヴィクトリア女王 世紀の愛/2009」「チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密/2015」のポール・ベタニーがノンクレジットで出演。そういえばポール・ベタニーは「ROCK YOU! [ロック・ユー!]」のチョーサー役で初めてお目にかかったUK俳優。

新宿シネマカリテにて
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by margot2005 | 2016-07-04 23:28 | UK | Trackback(1) | Comments(0)

「ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出」

「A Royal Night Out」2015 UK
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1945年5月8日。ロンドンはヨーロッパの戦勝を祝う国民でお祝いモードに包まれている。今夜国王ジョージ6世がバッキンガム宮殿から国民に終戦を告げるスピーチを行う予定。そんな折、エリザベスは妹のマーガレットとバッキンガム宮殿を抜け出す...

エリザベス王女に「危険なメソッド/2011」「ドリーム・ハウス/2011」「複製された男/2013」「ドラキュラzero/2014」のサラ・ガドン。
マーガレット王女にベル・パウリー。
ジャックに「マクベス/2015」のジャック・レイナー。
国王ジョージ6世に「アナザー・カントリー/1983」「ベスト・フレンズ・ウェディング/1997」「理想の結婚/1999」「ターゲット/2010」のルパート・エヴェレット。
王妃エリザベスに「ミス・ポター/2006」「オレンジと太陽/2010」「戦火の馬/2011」「アンナ・カレーニナ/2012」「博士と彼女のセオリー/2014」のエミリー・ワトソン。
スタンに「麦の穂をゆらす風/2006」「クィーン/2006」「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙/2011」「天使の分け前/2012」のロジャー・アラム。
監督は「キンキー·ブーツ/2005」の「ジェイン・オースティンの秘められた恋/2007」「情愛と友情/2008」のジュリアン·ジャロルド。

ロンドンの街に、生まれて初めてお忍びで外出する娘たちを心配し、母親である王妃エリザベスは護衛を手配する。しかしなから護衛が油断している間にマーガレットはロンドン・バスに飛び乗って街の喧噪の中へと消えてしまう。妹が気になるエリザベスは彼女を追いかける途中で空軍兵士のジャックと出会い行動を共にする。
一方で護衛は任務を全うせず、自らの楽しみに突進!マーガ レットもルンルンでロンドンの街を満喫!マーガレットが心配なエリザベスは彼女の後を追ってロンドンの街を駆け巡る!

本作は実話に着想を得たファンタジーとのこと。
ジャックがバッキンガム宮殿で国王、王妃、エリザベスと共に朝食をとったり、ジャックの家でエリザベスが彼の母親と紅茶を飲むなんて紛れもなくファンタジーの世界?

エリザベス2世は今年90歳。少し前にネットやTVで生誕90年のお祝い映像を見た。そしてタイムリーにも本作が公開され、あまり見るつもりはなかったのだけど何となく銀座に行って見てしまった。
今年29歳のサラ・ガドンが19歳のエリザベス役。彼女とても愛くるしい風貌なので19歳も意外に違和感ない。実物は妹のマーガレットのほうが美人に見えるが、ヒロインはエリザベスなので、マーガレットを演じるベル・パウリーより美しいサラ・ガドンがヒロインを演じたのかな?なんて思ってしまった。
「マクベス」でマルコム王子を演じたジャック・レイナーはちょっと太め(顔がデカイ?)でキュート。
ルパート・エヴェレット&エミリー・ワトソンは貫禄たっぷり。

シネスイッチ銀座にて
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by margot2005 | 2016-06-28 23:02 | UK | Trackback(3) | Comments(0)

「エクス・マキナ」

「Ex Machina」2015 UK
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プログラマーのケイレブは世界最大の検索エンジンを運営するブルーブック社に勤めている。ある日、社内試験に合格し、社長のネイサンから人里離れた大自然の中に建つ山荘へ招待される...

ケイレブに「わたしを離さないで/2010」「シャドー・ダンサー/2011」「アンナ・カレーニナ/2012」「アバウト・タイム ~愛おしい時間について~/2013」「スター・ウォーズ/フォースの覚醒/2015」のドーナル・グリーソン。
エヴァに「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮/2012」「アンナ・カレーニナ」「ガンズ&ゴールド/2013」「コードネームU.N.C.L.E./2015」「リリーのすべて/2015」のアリシア・ヴィキャンデル。
ネイサンに「アメリカン・ドリーマー 理想の代償/2014」「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」のオスカー・アイザック。
キョウコにソノヤ・ミズノ。
監督、脚本は「28日後…/2002」「わたしを離さないで/2010」「ジャッジ・ドレッド/2012」の脚本家アレックス・ガーランド。

山荘に到着したケイレブは秘密保持契約にサインし、ネイサンから、自宅は人工知能(AI)の開発研究施設であると明かされる。そしてケイレブに与えられた仕事はネイサンが開発した人工知能にチューリング・テスト(ロボットに知能があるかどうか判断するテスト)を行うことだった。やがてケイレブは女性型ロボット、エヴァと対面する。エヴァはとても美しく、英語を完璧に話し、絵を描くこともできた。そしてガラス越しながら面談を行う度にケイレブとエヴァの親密度は増して行く。

ケイレブがネイサンの山荘に招待されたのは、単に社内試験に合格し抽選に当たったわけではなく、ネイサンが最初から計画しケイレブを選んだのだ。そしてケイレブは美しいロボット、エヴァにどんどん惹かれていく。彼はエヴァに友情を感じ初めていたし、恋心を抱いていたかも知れない。

ロボットが人間に反逆するストーリーはとても興味深くて面白かった。
エヴァを演じるアリシア・ヴィキャンデルが素晴らしい。利用されるケイレブ役のドーナル・グリーソンは適役だし、基本的に善い人役が多いオスカー・アイザックがワル役を演じている。顔半分くらいヒゲに覆われた面構えは別人か?と思うくらいアイザックらしくない。でもあのヒゲが凄みを帯びていて役柄にぴったり。
キョウコ役のソノヤ・ミズノはダンサーでもあるそうで終始妖しい魅力を振りまいている。

地下に作られた無機質なインテリアのネイサンの自宅と、家の外の大自然の景色が真逆でドラマにインパクトを与えている。とても美しい渓流や森のシーンはノルウェーでロケされた模様。

都内では3カ所で上映している。ウイークデイの夕方上映ぎりぎりに飛び込んだら、空席は最前列のみでシアターはほぼ満席。見終わって納得だった。

新宿シネマカリテにて
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by margot2005 | 2016-06-18 23:59 | UK | Trackback(11) | Comments(0)

「ヘイル、シーザー」

「Hail, Caesar!」2016 UK/USA
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1950年代のハリウッド。エディ・マニックスはどんなトラブルにも対応するスタジオの“何でも屋”。わがままなスター女優の尻拭いをしたり、演技のできないアクション俳優に希望を持たせたりと、日々つまらない仕事に甘んじるマニックスの悩みは尽きない。そしてこの頃TVの台頭に映画業界は危機感を抱いており、マニックスも密かにこの業界から足を洗おうかと考えていた。そんな折、「ヘイル、シーザー」に主演するスター俳優のベアード・ウィットロックが誘拐される事件が起こる…

エディ・マニックスに「アメリカン・ギャングスター/2007」「告発のとき/2007」「ミルク/2008」「ブッシュ/2008」「恋のロンドン狂騒曲/2010」「とらわれて夏/2013」「ボーダーライン/2015」のジョシュ・ブローリン。
ベアード・ウィットロックに「ミケランジェロ・プロジェクト/2013」のジョージ・クルーニー。
ホビー・ドイルに「イノセント・ガーデン/2013」「ブルージャスミン/2013」のオールデン・エアエンライク。
ローレンス・ローレンツに「007 スペクター/2015」のレイフ・ファインズ。
ディアナ・モランに「ヒッチコック/2012」「LUCY/ルーシー/2014」のスカーレット・ヨハンソン。
バート・ガーニーに「ジュピター/2015」「マジック・マイク XXL/2015」のチャニング・テイタム。
ソーラ・サッカー/セサリー・サッカーに「オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ/2013」「グランド・ブタペスト・ホテル/2013」のティルダ・スウィントン。
ジョー・シルバーマンに「マネーボール/2011」「ウルフ・オブ・ウォールストリート/2013」のジョナ・ヒル。
C・C・カルフーンに「ファーゴ/1996」「プロミスト・ランド/2012」のフランシス・マクドーマンド。
製作/脚本/監督/編集は「パリ、ジュテーム/2006」「バーン・アフター・リーディング/2008」「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌/2013」のジョエル&イーサン・コーエン。

公開1週目に見ていたのにすっかり忘れていた一作。
シアターで予告編を何度も見た。やはり予行篇は上手く作られている。豪華な出演陣に惹かれたのが見ることになった大きな理由。ジョエル&イーサン・コーエンの世界も好きだし…。
でも主役をはれる豪華俳優総出演ながらなんとなく物足りなくて...皮肉っぽくて、可笑しいのだけど今一つだった。
俳優一人一人は皆素晴らしい。
中でもチャニング・テイタムの水兵役のダンス・シーンはナイス!でもでも、一番良かったのはレイフ・ファインズが監督するシーン。ヘタな俳優を演じるホビー・ドイルとの掛け合いは最高!もっと長いシーンにして欲しかった。

何はともあれ、スター俳優ベアード・ウィットロックの誘拐犯は“赤狩り”で職を失った脚本家たちだったり、ミュージカル俳優バート・ガーニーがソ連の潜水艦で祖国に帰って行くシーンはハリウッドを痛烈に皮肉っている!?

TOHOシネマズ・シャンテにて
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by margot2005 | 2016-06-12 00:24 | UK | Trackback | Comments(0)

「アイヒマン・ショー/歴史を映した男たち」

「The Eichmann Show」2015 UK
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“1961年にイスラエルで開かれた“アイヒマン裁判”を撮影し、世界にホロコーストの真実を伝えたテレビマンたちの実話を映画化したヒューマン・ドラマ。”

ミルトン・フルックマンに「恋愛上手になるために/2007」「こわれゆく世界の中で/2006」「ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!/2013」「SHERLOCK シャーロック 忌まわしき花嫁/2015」のマーティン・フリーマン。
レオ・フルヴィッツに「ギター弾きの恋/1999」「オータム・イン・ニューヨーク/2000」のアンソニー・ラパリア。
ミセス・ランドーにレベッカ・フロント。
エヴァ・フルックマンにゾーラ・ビショップ。
イスラエルの撮影スタッフDavid Landorに「ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式/2007」のアンディ・ナイマン。
同じくYaakov Jonilowiczに「ハンナ・アーレント/2012」のニコラス・ウーデソン。
監督は「アンコール!!/2012」のポール・アンドリュー・ウィリアムズ。

1960年、ナチ親衛隊の将校アドルフ・アイヒマンが逃亡先のアルゼンチンのブエノスアイレスで、イスラエル諜報機関モサドにより身柄を拘束される。イスラエルへ移送されたアイヒマンはエルサレムの法廷で裁かれることになる。

1961年、米国人で革新派の敏腕TVプロデューサー、ミルトン・フルックマンは、アドルフ・アイヒマンの裁判を世界中にTV中継するという前代未聞の計画をたてTV放送権を獲得する。やがて赤狩りで職を失った米国人ドキュメンタリー監督レオ・フルヴィッツに白羽の矢を立て起用を決める。
始めは乗り気でなかったフルヴィッツだが、再起を狙いTVドキュメンタリー“アイヒマン・ショー”に賭けることを決意する。
家族と共にエルサレムに入ったフルックマンは、チームを編成し撮影の準備を進めて行く。しかしナチスシンパなどが嫌がらせの電話や、脅迫状で圧力をかけてくるのだった。

監督フルヴィッツは“アイヒマンをマスメディアが騒ぎ立てるような<モンスター>ではなく一人の人間としての彼の姿をカメラで暴きだしたい”と考えていた。
しかし“アイヒマンはわたしたちと同じ人間ではない…”と主張するイスラエル人スタッフたちから猛反撥が起こる。そして“アイヒマン・ショー”のTV撮影が始まり、直視できなくなったユダヤ人スタッフはブースから飛び出してしまう。

エルサレムのホテルの女主人ミセス・ランドーは最初フルヴィッツに好感を持っていなかった。しかし世界にホロコーストの真実を伝えるドキュメンタリー“アイヒマン・ショー”のTV中継を見て“あなたのおかげよ!”とフルヴィッツに告げるシーンはとても印象的。

ドイツ映画「ハンナ・アーレント/2012」でも描かれていた“アイヒマン・ショー”。合わせて見ると良いかも知れない。シアターにもそのDVDが置いてあった。

裁判の際、アイヒマンは“ユダヤ人大量殺害の執行はただ命令に従ったに過ぎない!”とコメントした。
裁判の後、“アイヒマンは怪物でも変質者でもなく陳腐な小役人。ごく普通に生きている凡庸な一般人によってユダヤ人虐殺は引き起こされた。”と評したハンナ・アーレントはもちろんユダヤ人。
そして“アイヒマン・ショー”の監督レオ・フルヴィッツもユダヤ人。
「ハンナ・アーレント」公開の際はとても話題なった。本作は少々二番煎じ気味で「ハンナ・アーレント」を見てなかったら、本作は見なかったかも知れない。

ヒューマントラストシネマズ有楽町にて
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by margot2005 | 2016-06-05 00:21 | UK | Trackback(4) | Comments(0)

「マクベス」

「Macbeth」 2015 UK/フランス/USA
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内戦で荒廃したスコットランド。ダンカン王に忠誠を誓うグラミスの領主マクベスは、戦友のバンクォーと共に反乱軍の攻撃を交わし敵将を切り捨てる。やがて荒野の至る所に死体が散乱する中3人の魔女が現れ、マクベスがスコットランド王になると予言する...

マクベスに「スティーブ・ジョブズ/2015」のマイケル・ファスベンダー。
レディ・マクベスに「サンドラの週末/2014」のマリオン・コティヤール。
バンクォーに「ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男/2005」「ボーン・アルティメイタム/2007」「思秋期/2010(監督、脚本)」「ブリッツ/2011」「ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!/2013」「パレードへようこそ/2014」「チャイルド44 森に消えた子供たち/2014」のパディ・コンシダイン。
マクダフに「プロメテウス/2012」「ベルファスト71/2014」「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション/2015」のショーン・ハリス。
マルコム王子に「トランスフォーマー/ロストエイジ/2014」のジャック・レイナー。
レディ・マクダフに「コードネームU.N.C.L.E./2015」のエリザベス・デビッキ。
ダンカン王に「ニュー・ワールド/2005」「縞模様のパジャマの少年/2008」「ロンドン・ブルバード -LAST BODYGUARD-/2010」「戦火の馬/2011」「The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛/2011」「もうひとりのシェイクスピア/2011」「博士と彼女のセオリー/2014」のデヴィッド・シューリス。
監督はジャスティン・カーゼル。

シェイクスピアの4代悲劇の一つ“マクベス”の映画を見たのは初めて。舞台劇も見たことはなくて、本(戯曲)を読んだだけ。映画は舞台劇のように描かれていて、スコットランドやイングランドでロケされた、映画ならではの背景がドラマにマッチしてとても美しい。マクベスの狂気を現しているかのような血や炎のシーンが印象的。

マクベスの前に現れた魔女たちは、マクベスが王になり、さらに彼の戦友であるバンクォーの子孫が未来の王になると予言する。
マクベス夫人は夫を王にしよともくろみ、ダンカン王殺害に躍起になっているが、マクベスは自分が王になっても後を継ぐ存在がいないことを知っている。

“マクベス”を読んだのは大昔。当然大まかなストーリーしか記憶にない。映画を見て、この夫妻が子供を亡くしていたことを知った(オープニングに子供の葬式の模様が描かれる/原作とは違う設定かも知れない?)。その後再び子供には恵まれず夫妻にとってそれは大問題だった(貴族の領主にとって跡継ぎがいないのは致命的)。結局バンクォーと彼の息子フリーアンスも殺さざるを得なくなるのだ。
しかしマクベスに雇われた刺客はフリーアンス殺害に失敗する。やがてマクベスはかつての戦友バンクォーの幻影を見て錯乱状態になって行く。
マクベスは再び魔女たちの予言を聞く。それは“マクダフに用心せよ!”というものだった。スコットランドの貴族でファイフの領主であるマクダフには3人の子供がいた。もうこうなったらとことんやるしかない!と、燃えるような狂気を発散させマクベスはマクダフの妻子4人を火あぶりにかけて殺してしまうのだった。

見終わってマクベスって悪党ながらとても小心者だったんだと変に納得。
演じるマイケル・ファスベンダーは感情表現がとても上手い俳優で素晴らしい。「SHAME -シェイム-/2012」同様悩める男が実に似合う。
罪悪感に苛まれ、もがき苦しみながらも、燃えるような狂気を発散させる様はスゴい!
レディ・マクベス役のマリオン・コティヤールも然り。マリオンは夫をそそのかす悪妻役にぴったり。
脇を固めるUK人俳優、パディ・コンシダインにショーン・ハリス、そしてデヴィッド・シューリスの存在も忘れてはならない。

映画の公式サイトでは“シェイクスピア”俳優を始めとしたプロの人々が絶賛している。でも上映が始まってまだ3週目なのに、既に朝と夕方しか上映していない。やはり一般人には好まれない映画の様子。私的にはお気に入り俳優のマイケル・ファスベンダーが主演ということで見たに過ぎないのだから。

TOHOシネマズ・シャンテにて
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by margot2005 | 2016-05-29 22:31 | UK | Trackback(4) | Comments(0)

「さざなみ」

「45 Years」2015 UK
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リタイアしたジェフとケイト夫婦は結婚して45年。子供のいない夫婦はイングランドの地方都市(ロケ地はノーフォーク)で愛犬と共に静かな日々を送っている。今週末には結婚45周年記念のパーティが開かれる予定。ドラマはその夫婦の一週間を描いている。

ケイトに「リスボンに誘われて/2013」「海に帰る日/2013」のシャーロット・ランプリング。
夫ジェフに「モネ・ゲーム/2012」「リスボンに誘われて」のトム・コートネイ。
ケイトの友人リナに「カレンダー・ガールズ/2003」「ドラゴン・タトゥーの女/2011」のジェラルディン・ジェームズ。
リナの夫ジョージにデヴィッド・シブリー。
リナの娘サリーにドリー・ウェルズ。
監督、脚本はアンドリュー・ヘイ。

静かで平凡な日常を送るジェフとケイト。そんなある月曜の朝ジェフに一通の手紙が届く。それはドイツ語で書かれた手紙だった。50年以上前にジェフは恋人カチャと共にスイスを旅していた。そして不幸なことにカチャは雪山のクレバスに落ち亡くなってしまう。しかし遺体は発見されず、50年近くたった今当時のままの姿で見つかったのだ。
ジェフは“ぼくのカチャ”と悲しみをにじませ、遺体の確認にスイスに行かなければならないと言う。ジェフにとってカチャはそれほど大事な人だったのか!?とケイトは夫の愛情に不信を抱き始める。

カチャは過去の女性と言い切るジェフ。しかし深夜、屋根裏部屋にしまいこんでいたカチャとの思い出の品を見つけたジェフは心も過去に戻ったかに見え戸惑いを隠せないケイト。
ジェフの留守に屋根裏部屋に上がり、8ミリカメラに納められたカチャの姿を見た時のケイトの衝撃は相当キツかったに違いない。

“45年”の原タイトルが“さざなみ”となるのはとても詩的で邦題にぴったり。熟年夫婦に突如起こる“さざなみ”は少々哀しいが…。
ラスト、パーティの席でケイトと結婚したことは素晴らしい選択だったと語るジェフ。その後ダンスに興じる二人は幸せそうに見えたが、やがてケイトはジェフの手を振り払う。それは積もったわだかまりが爆発したように思えた。
自分自身がおかした過去によってズタズタにされた妻の心を気にもかけていなかった夫。男ってそんな生きものかも知れない。

ケイト役のシャーロット・ランプリングはオスカーにもノミネートされていたが、ドラマの中の彼女の表情が素晴らしい!もともと憂いを帯びた顔のシャーロット・ランプリングながら、やるせない表情が見ているものに強烈に伝わってくる。
とらえどころがない雰囲気を醸しだすトム・コートネイもナイス・キャスティング。

シネスイッチ銀座にて
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by margot2005 | 2016-04-29 22:22 | UK | Trackback(9) | Comments(0)

「マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章」

「The Second Best Exotic Marigold Hotel」2015 UK/USA
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数年前イギリスからインドのマリーゴールド・ホテルにやって来たイヴリンたち高齢者の面々。始めはホテルに不満たらたらだったが今ではすっかりこの地、このホテルに愛着さえ覚えている...

イヴリン・グリーンスレイドに「あなたを抱きしめる日まで/2013」のジュディ・デンチ。
ミュリエル・ドネリーに「美しき家、わたしのイタリア/2003」「ラヴェンダーの咲く庭で/2004」「ジェイン・オースティンの秘められた恋/2007」「パリ3区の遺産相続人/2014」のマギー・スミス。
ダグラス・エインズリーに「パレードへようこそ/2014」のビル・ナイ。
ソニー・カプーに「スラムドッグ$ミリオネア/2008」「エアベンダー/2010」のデヴ・パテル。
マッジ・ハードキャッスルに「ナニー・マクフィーの魔法のステッキ/2005」「恋のロンドン狂騒曲/2010」「海賊じいちゃんの贈りもの/2014」のセリア・イムリー。
ジーン・エインズリーに「マッチポイント/2005」「ベル ~ある伯爵令嬢の恋~/2013」のペネロープ・ウィルトン。
ノーマン・カズンズに「プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂/2010」のロナルド・ピックアップ。
キャロル・パーに「理想の女/2004」「パーフェクト・プラン/2013」のダイアナ・ハードキャッスル
カプー夫人にリレット・デュベイ。
スナイナにティナ・デサイ。
ガイ・チェンバースに「キング・オブ・マンハッタン 危険な賭け/2012」「ロスト・イン・マンハッタン 人生をもう一度/2014」のリチャード・ギア。
投資会社のタイ・バーリーに「テンペスト/2010」「リンカーン/2012」のデヴィッド・ストラザーン。
監督、原案、製作総指揮は「プルーフ・オブ・マイ・ライフ/2005」「マリーゴールド・ホテルで会いましょう/2011」のジョン・マッデン。

前作で亡くなったトム・ウイルキンソン演じるグレアム以外全員の出演。今回はガイ・チェンバース役でリチャード・ギアが出演しドラマを盛り上げている。
ソニーの騒々しさと調子の良さも前作同様。インド人て皆ああなのか?なんてことはないだろうけど…。
やはりラストにダンス・シーンがあった。映画の続はあるのかな?

イギリスの名優たちがこぞって出演する作品の続ということで楽しみにしていた。シアターで予告編を何度も、何度も見てカラフルな映像が目に焼き付いていた。インド舞台の映画ってホント色彩が豊かで綺麗。

お気に入り俳優ビル・ナイの優柔不断で飄々としたキャラが最高!とうとうイヴリンに“愛している!”と伝えることができて良かった。でもあの二人実際ではかなりの年齢差があるはず。ジュディ・デンチは歳と共にチャーミングになる。以前は怖いおばさんの雰囲気だったが“マリーゴールド・ホテル”2作と「あなたを抱きしめる日まで」での彼女は可愛くて驚く。
ソニーのママを誘惑するガイ役のリチャード・ギアはさすが!って感じ。

TOHOシネマズ・シャンテにて
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by margot2005 | 2016-04-03 20:58 | UK | Trackback(3) | Comments(2)

「リリーのすべて」

「The Danish Girl」2015 UK/USA/ベルギー/デンマーク/ドイツ
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1926年、デンマーク、コペンハーゲン。風景画家のアイナー・ヴェイナーは肖像画家であるゲルダと結婚して6年、深く愛し合う二人ながら子宝には無縁だった。そんな折、ゲルダの頼みで、ストッキング、華奢な靴そしてチュチュを身にあてがい、踊り子ウラの代わりにモデルを勤めることになる。ゲルダに口紅を塗られ戸惑いつつもポーズを取るアイナー。やがて彼は自分の中に潜んでいた女性というアイデンティティに向かって突き進んで行く...

リリー・エルベ(アイナー・ヴェイナー)に「グッド・シェパード/2007」「美しすぎる母/2007」「ブーリン家の姉妹/2008」「レ・ミゼラブル/2012」「博士と彼女のセオリー/2014」「ジュピター/2015」のエディ・レッドメイン。
ゲルダ・ヴェイナーに「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮/2012」「アンナ・カレーニナ/2012」「ガンズ&ゴールド/2013」「コードネームU.N.C.L.E./2015」のアリシア・ヴィキャンデル。
ヘンリクに「追憶と、踊りながら/2014」「007 スペクター/2015」のベン・ウィショー。
ハンスに「フランス組曲/2014」のマティアス・スーナールツ。
ウラに「ラム・ダイアリー/2011」「マジック・マイク XXL/2015」のアンバー・ハード。
ヴァルネクロスに「善き人のためのソナタ/2006」「アンノウン/2011」「ブリッジ・オブ・スパイ/2015」のセバスチャン・コッホ。
監督、製作は「エリザベス1世 ~愛と陰謀の王宮~/2005」「英国王のスピーチ/2010」「レ・ミゼラブル/2012」のトム・フーパー。

トム・フーパーが監督と言うことでとても楽しみにしていた一作。
とにかく映像が素晴らしく美しい。20年代のコペンハーゲンのシーンや衣装、調度品などすべてが美しくて、よりいっそうドラマに惹きつけられる。
原作“The Danish Girl”の邦題は“世界で初めて女性に変身した男と、その妻の愛の物語”とスゴい。
でもこの妻の愛は確かにスゴい!女性として生きると宣言した夫を手助けし、支え、愛し続けたのだから。
ドラマのラストはわかっていたけど“世界で初めて女性に変身した男と、その妻の愛の物語”にふさわしい展開で素晴らしかった。

女装で頑張っていたエディ・レッドメインはオスカーにノミネートされたが受賞は叶わなかった。昨年もらったしまぁ良しとしよう。
夫をこよなく愛した妻ゲルダを演じたスウェーデン出身のアリシア・ヴィキャンデルがアカデミー助演女優賞獲得。授賞式で感動していたのを思い出す。アリシア・ヴィキャンデルは作品ごとに素敵な女優になっていく。彼女とてもチャーミング。

脇を固める出演陣がベン・ウィショーにマティアス・スーナールツにセバスチャン・コッホと嬉しい限り。「フランス組曲」同様、限りなく優しい表情のマティアスが素敵。
ベン・ウィショーはそのままゲイ役。
ドラマの中でベン・ウィショー演じるヘンリクとリリーが腕を組んで歩く姿を目撃したゲルダが嫉妬する。しかし“ヘンリクは男にしか興味がない。”と答えるリリー。安堵はしつつもゲルダにとっては複雑な気持ちなのだろうな?と考えずにはいられなかった。
ゲルダに隠れて女性に変身するリリーが愛おしい。

TOHOシネマズみゆき座にて
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by margot2005 | 2016-03-24 23:45 | UK | Trackback(10) | Comments(2)

「SHERLOCK シャーロック 忌まわしき花嫁」

「The Abominable Bride」2015 UK
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1895年のロンドン。ある夜、ウエディング・ドレスに身を包んだ花嫁が夫を殺害する事件が起こる。やがてレストレード警部はベーカー街 221Bに住むシャーロックを訪ねる…

シャーロック・ホームズに「ブラック・スキャンダル/2015」のベネディクト・カンバーバッチ。
ジョン・ワトソンに「恋愛上手になるために/2007」「こわれゆく世界の中で/2006」「ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!/2013」のマーティン・フリーマン。
ミセス・ハドソンに「エンジェル/2007」のユーナ・スタッブス。
レストレード警部に「モーリス/1987」「Vフォー・ヴェンデッタ/2005」「ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式/2007」のルパート・グレイヴス。
メアリー・ワトソンにアマンダ・アビントン。
セントバーソロミュー・ホスピタルのモルグで働くモリー・フーバーにルイーズ・ブレーリー。
プロフェッサー・モリアーティに「オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分/2013」「ジミー、野を駆ける伝説/2014」「パレードへようこそ/2014」「007 スペクター/2015」のアンドリュー・スコット。
レディ・カーマイケルに「娼婦ベロニカ/1998」「スパイ・ゲーム/2001」「マジック・イン・ムーンライト/2014」のキャサリン・マコーマック。
エミリア・リコレッティ(花嫁)に「フィルス/2013」のナターシャ・オキーフ。
脚本、製作総指揮、出演(マイクロフト・ホームズ)にマーク・ゲイティス。
監督は「トップ・ランナー/2006」のダグラス・マッキノン。

ドラマが始まる前に「SHERLOCK(シャーロック)」シリーズの撮影で使われたシャーロックの部屋やグッズの解説があり、エンディングの後マイクロフト・ホームズ役のマーク・ゲイティスによる出演者のインタビューも組み込まれている。
ベネディクト・カンバーバッチ大好きなので楽しみにしていた。シアターは案の定カンバーバッチ、ファンの女性でいっぱい!
「SHERLOCK(シャーロック)/2010~2014」はもちろん見ている。そしてこの特別編ドラマにはシリーズで描かれたシーンも登場する。シャーロックとモリアーティの対決が描かれる次のシリーズが楽しみ。
サマーセットTyntesfield House and Estateで撮影されたカーマイケルの屋敷がゴージャス。

「ナショナル・シアター・ライヴ2016/ハムレット/2016」にも書いたけどカンバーバッチのバリトンの声は素晴らしく美しい。長い台詞をよどみなく流れるように話すそれはベネディクト・カンバーバッチの才能であり感嘆する。
「SHERLOCK(シャーロック」は現代が舞台ながら本作は19世紀のロンドンが舞台。21世紀のシャーロック・ホームズはカンバーバッチのオシャレなファッションが素敵だが、19世紀舞台も捨てたものじゃない。

シャーロック・ホームズとジョン・ワトソン、コンビの事件解明中にメアリーが首を突っ込んできたり、ミセス・ハドソンとシャーロックの他愛ないやり取りもナイス。
そう言えばこの二人...ワトソンはシャーロックと呼ぶのに対して、シャーロックはジョンとは呼ばない。なんとなく気になっていたところ...ドラマの中でこれからは“ジョンと呼ぼう”なんて台詞もあったが、次回作からはそうなるのかな??

シネリーブル池袋にて
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by margot2005 | 2016-02-28 22:36 | UK | Trackback(5) | Comments(0)