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「皆さま、ごきげんよう」

Chant d'hiver…akaWinter Song2015 フランス

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管理人に「アメリ/2001」「ロング・エンゲージメント/2004」のリュファス。

人類学者にアミラン・アミラナシヴィリ。

家を建てる男に「あの頃エッフェル塔の下で/2015」「ダゲレオタイプの女/2016」マチュー・アマルリック。

知事にマチアス・ユング。

やくざに「愛より強い旅/2004」のトニー・ガトリフ。

ヴァイオリニスト(知事の娘)にフィオナ・モンベ。

監督、脚本、編集、出演(アンクレジット)は「汽車はふたたび故郷へ/2010」オタール・イオセリアーニ。


現代のパリを舞台に描かれる群像ドラマ。アパートの管理人と骸骨収集が趣味の人類学者を軸にドラマは展開される。アパートの住人は他にローラースケートで万引きを繰り返す姉妹や恐妻家の金管楽器職人。そしてヴァイオリニストにホームレスや警官、ヤクザや貴婦人などなどユニークでヴァラエティに飛んだ人物が取りとめなく登場してくる。


現代のパリが描かれる前にフランス革命の時代と、どこかの戦場での出来事が短く描かれる。

オープニングはフランス革命時代ギロチンにかけられる貴族の様子。当時ギロチン処刑は見せ物で、処刑される貴族が現れるのを今か今かと待ちわびる市民たち。女性陣は一番前に陣取って編み物をしている。


次にどこかの戦場が登場し、住民を銃で撃ち、略奪を繰り返して女を犯す兵士たち。そして神に祈る聖職者。

現代のパリに住む管理人役のリュファスがフランス革命の貴族と戦場の聖職者を演じているのがわかる。


オタール・イオセリアーニは有名な俳優を起用しないことで知られるらしいが、今回はフランスの名優マチュー・アマルリックが出演。ひらすら家を建てることに集中する飄々とした男が可笑しい。

ほのぼのとしたと言うのかなんとも形容しがたい奇妙な映画。

「汽車はふたたび故郷へ」もファンタジーのような要素も取入れた一風変わった映画だった。やはり本作もオタール・イオセリアーニの世界炸裂!他愛もなく、無目的で良くわからない変な?映画だった。


岩波ホールにて

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by margot2005 | 2017-01-15 20:31 | フランス | Trackback | Comments(0)

「あの頃エッフェル塔の下で」

「Trois souvenirs de ma jeunesse」…aka「My Golden Days」2015 フランス
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人類学者で外交官でもあるポール・デダリュスは長い外国暮らしに幕を閉じ故郷のフランスへ帰国する。しかし空港でパスポートに問題ありと入国を拒否される。やがて取調官が現れポールは過去を語り始める...

ポール・デダリュスにカンタン・ドルメール。
エステルにルー・ロワ=ルコリネ。
ポール・デダリュス(大人)に「カミーユ、恋はふたたび/2012」のマチュー・アマルリック。
ポールの父親アベル・デダリュスに「キングス&クイーン/2004」「96時間/2008」「君を想って海をゆく/2009」「神々と男たち/2010」「ラブ・クライム 偽りの愛に溺れて/2010」「96時間/リベンジ/2012」のオリヴィエ・ラブルダン。
ポールの弟イヴァン・デダリュスにラファエル・コーエン。
ポールの妹デルフィーヌ・デダリュスにリリー・タイエブ。
取調官に「パリよ、永遠に/2014」のアンドレ・デュソリエ。
ソ連のポールの恋人イリーナに「やさしい嘘/2003」「愛について、ある土曜日の面会室/2009」「愛、アムール/2012」「1001グラムハカリしれない愛のこと/2014」のディナーラ・ドルカーロワ。
コヴァルキにピエール・アンドロー。
コヴァルキ(大人)に「ビッグ・ピクチャー 顔のない逃亡者/2010」のエリック・リュフ。
監督、脚本は「キングス&クイーン/2004」「クリスマス・ストーリー/2008」「ジミーとジョルジュ 心の欠片を探して/2013」のアルノー・デプレシャン。

パスポートは偽物と言う事実を突きつけられポールは過去に思いを馳せる。
精神に異常をきたし自殺を図った母親。妻の死から立ち直れない父親アベル。やがてソリが合わなくなった父親とポールは絶縁状態となる。しかしポールにはとても仲の良い弟イヴァンと妹デルフィーヌがいた。
思い起こせば高校時代親友とソ連へスリリングな旅をした際パスポートを盗まれたと偽り再発行申請していた。だがそのパスポートはユダヤ人青年を助けるため彼に与えたもので、ポール・デダリュスはユダヤ人に取って代わっていたのだ。高校生活に戻ったポールはデルフィーヌの同級生エステルと出会い恋に落ちる。卒業後ポールは憧れのパリ大学に進学するがエステルは故郷 ルーベに残ることになる。

恋人を取るか仕事を取るか?との究極の選択に迫られたポールは仕事を選ぶ。こういったシチュエイションに置かれた時の人ってスゴくツライだろうな?と感じる。ラスト近くでポールがずっとエステルを愛していたことが語られあっと思った。
パリに戻ったポールがオペラを鑑賞した劇場で偶然にもコヴァルキと再会する。中年になったエステルも登場するのか?とも思ったけど…やはり出てこなかった。スクリーンが青春時代のポールに戻る大ラスはとても良かったな。
邦題の「あの頃エッフェル塔の下で」は全くタイトルにふさわしくない。エッフェル塔の下の二人が映ったのは確か一回だけだったと思うけど…。

本作は「そして僕は恋をする/1996」と同じ役 名でアルノー・デプレシャンとマチュー・アマルリックがコンビを組んだという。「そして僕は恋をする」は未見なので是非見てみたい。
こうして見るとデプレシャン監督はマチューが相当好きらしい。

マチュー大好きなので楽しみにしたいた一作ながら中々見に行けなくてやっと見れた。
ドラマはポールの若い頃を中心に描いているのでマチューの出番は少ない。
若いポールを演じるカンタン・ドルメールと、恋人エステル役のルー・ロワ=ルコリネには初めてお目にかかった。ルーのキュートさは若かりし頃のブリジット・バルドーを彷彿とさせる(顔のみ)。

Bunkamura ル・シネマにて
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by margot2005 | 2016-01-21 00:15 | フランス | Trackback(2) | Comments(0)

「カミーユ、恋はふたたび」

「Camille redouble」2012 フランス
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パリに住む女優のカミーユは、25年連れ添った夫エリックが若い娘に夢中になり離婚を迫ってきたことにムカつきの日々。あるパーティの夜飲み過ぎた上転倒し病院へ運ばれる。意識が戻り気がつくと、彼女の人生はいきなりタイムスリップして高校生に戻っていた…

監督、脚本、出演(カミーユ)に「ぼくの妻はシャルロット・ゲンズブール/2001」「キングス&クイーン/2004」「マリー・アントワネットに別れをつげて/2012」のノエミ・ルボフスキー。
エリックに「トランスポーター イグニション/2015」のサミール・ゲスミ。
カミーユのクラスメート、ジョセファに「ヴェルサイユの子/2008」のジュディット・シュムラ。
同じくアリスにインディア・エール。
同じくルイーズに「世界でいちばん不運で幸せな私/2003」のジュリア・フォール。
カミーユの母親に「パリ、ジュテーム/2006」「セラフィーヌの庭/2008」「ミックマック/2009」「ゲンズブールと女たち/2010」「危険なプロット/2012」のヨランド・モロー。
カミーユの父親に「ボン・ヴォヤージュ/2003」「ダニエラという女/2005」「モンテーニュ通りのカフェ/2006」「風にそよぐ草/2009」「愛して飲んで歌って/2014」のミシェル・ヴュイエルモーズ。
物理教師アルフォンスに「隠された記憶/2005」「サガン-悲しみよこんにちは-/2008」「愛の残像/2013」のドゥニ・ポダリデス。
エリックのクラスメート、ヴァンサンにヴァンサン・ラコスト。
ムッシュ・デュポン(時計屋)に「大人は判ってくれない/1959」「ドリーマーズ/2003」「ル・アーヴルの靴みがき/2011」のジャン=ピエール・レオ。
フランス文学教師に「青の寝室/2014」のマチュー・アマルリック。

中年のおばさんが飲み過ぎて病院へ運ばれる。やがて目を覚ますが、彼女の前に現れたのは亡くなったはずの両親。何がなんだかわからないまま両親の家に落ち着いたカミーユは学校へと送り出される。学校ではかつての親友たちが待っていた。そして自分を捨てた夫エリックも…。
カミーユは40代のおばさんながら周囲からは16歳の高校生に見えるらしい。猛烈な違和感を覚えながらも、大好きだった両親や友人たちと二度目の青春を謳歌しようと考える。しかし彼女の前にエリックが現れ猛烈にアタックして来る。

不仲の夫婦が青春にタイムスリップし、再び過去を経験して真実の愛を取り戻すハートフルなファンタジー・ドラマ。
撮影時、カミーユとエリックを演じる俳優は共に40代。カミーユの友人たちは20代と30代。カミーユはもちろん浮いているが、他の俳優たちは高校生役が意外に違和感なくてドラマに溶け込んでいる。

キャスリーン・ターナー&ニコラス・ケイジの「ペギー・スーの結婚/1986」と言う映画を見たことがある。浮気まみれの夫と別居中の妻が高校時代にタイムスリップして若き日の夫と出会い真実の愛を確認する…といった展開は本作とほぼ同じ。「ペギー・スーの結婚」はかなり素敵な映画だった。本作はまぁまぁかな?
ノエミ・ルボフスキーには「マリー・アントワネットに別れをつげて」でのカンパン夫人役が記憶に残っていたので、16歳の高校生役が笑える。
マチューはワンシーンにしか出演していなくて残念。

シネカリテにて(既に上映終了)
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by margot2005 | 2015-12-04 23:25 | フランス | Trackback | Comments(0)

「愛の犯罪者」

「L'amour est un crime parfait」…「Love Is the Perfect Crime」2013 フランス/スイス/ベルギー
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大学で文学を教えるマルクは女子学生が大好き。しかも運の良いことにいつも彼女たちの方から誘いをかけてくる。ある夜、キャンパスから一人の女子学生を雪に覆われた山荘へ連れ帰る。なんという名前だったか?とマルクは彼女の名前すら思い出せない。やがて一夜が明け、妹のマリアンヌに“昨夜何か物音がしたけど…”と問いつめられるが上手くかわしてしまう…

マルクに「青の寝室/2014」のマチュー・アマルリック。
マリアンヌに「美しき運命の傷痕/2005」「PARIS(パリ)/2007」「しあわせの雨傘/2010」「パリ警視庁:未成年保護特別部隊/2011」のカリン・ヴィアール。
アンナに「天使の接吻/1988」「フィフス・エレメント/1997」「パリ警視庁:未成年保護特別部隊:監督、脚本、出演」のマイウェン。
アニーに「恋は足手まとい/2005」「ダニエラという女/2005」「風にそよぐ草/2009」「ゲンズブールと女たち/2010」「漆黒の闇で、パリに踊れ/2012」「ラブバトル/2013」のサラ・フォレスティエ。
リシャールに「隠された記憶/2005」「サガン-悲しみよこんにちは-/2008」のドゥニ・ポダリデス。
監督、脚本はアルノー・ラリユー。

ある日、マルクを訪ねて刑事がやって来てバラバラの失踪について尋問する。適当に答えその場をしのぐマルク。そうこうするうち失踪したバラバラの継母アンナがマルクを訪ねてやって来る。やがて何度かアンナと会ううちに彼はアンナに恋をしてしまう。
とてもフランス映画らしい。そこここに“アムール”が漂う。マルクとアンナ。マリアンヌとリシャール。
夜中に行動するマルクに“あなたは夢遊病者なのよ。”とマリアンヌが言う。マルクの怪しい行動を彼女は知っていたのだろうか?いやそれはないとは思うけど…。

まずこのドラマの冬景色の美しさに圧倒される。ロケされたのはスイス、ローザンヌやフランスのローヌアルプス。ラストにスイスのヌーシャテル湖が映る。メイン舞台となったカレッジはスイス連邦工科大学ローザンヌ校。このカレッジが素晴らしく美しくて驚き。
映画を見終わって思い出したのはスペイン映画「カニバル/2013」。マルクはカニバリズム愛好家ではないけど、若い女性を車で連れ込む、雪に埋もれた山荘がどうしても「カニバル」を連想させる。
母親から虐待を受けて育ったマルク。歪んだマルクの性格はそのせい?未婚で妹と二人で暮らし互いの恋の相手に嫉妬する兄妹の関係がなんとなく怪しくも映る。
アニーに猛烈にアタックされる中年オヤジ役のマチュー。なぜか?モテまくる男を演じていて可笑しくてしかたなかった。

wowowにて
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by margot2005 | 2015-08-05 23:25 | フランス | Trackback | Comments(0)

「青の寝室」

「La chambre bleue」…aka「The Blue Room」 2014 フランス
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フランスの田舎町。農機の販売をするジュリアンには愛する妻デルフィーヌと幼い娘がいる。ある時、偶然再会した女性エステーと関係を持ってしまう。元々ジュリアンとエステーは幼なじみで、再会以来二人の関係は11ヶ月にも及んでいる。一方で、薬屋を経営するエステーの夫は病を抱えていた…

監督、脚本、出演(ジュリアン)に「ジミーとジョルジュ 心の欠片を探して/2013」のマチュー・アマルリック。
脚本、出演(エステー)にステファニー・クレオ。
デルフィーヌに「パリの確率/1999」「女はみんな生きている/2001」「ナルコ/2004」のレア・ドリュッケール。
判事にロラン・ポワトルノー。
原作はジュルジュ・シムノンの“青の寝室”。

ドラマのオープニングはジュリアンとエステーが愛し合うホテルにエステーの夫がやって来るところから始まる。窓からエステーの夫を見つけたジュリアンは慌てて身支度を整えホテルを後にする。
やがてシーンは変わり逮捕されたジュリアンを尋問する判事の部屋…尋問されるジュリアン、そして妻デルフィーヌと幼い娘のいる平和な家...シーンは過去、現在と行ったり来たりする。

エステーがジュリアンに“あなたの奥さんは私たちのことに気づいていないの?”と聞く。“妻は全く気づいていない。”と答えるジュリアン。しかし彼は後ろめたさから家族サービスに努めたりしている。
夫の浮気を妻は本当に知らなかったのだろうか?その辺りも曖昧にしか描かれない。ジュリアンとエステーはそれぞれの配偶者を本当に殺したのだろうか?結末は全く知らされない、あのあまりにも唐突のラストに唖然とする。
妻とは決して上手くはいってなかったが、妖艶なる女性に溺れ破滅へと向かった哀れな男が至ってお気の毒。マチュー・アマルリックがジャストな演技で素晴らしい。

マチュー・アマルリックと共同で脚本を書いているのは現在の彼のパートナーであるステファニー・クレオ。
マチューの大ファンなのでwowowで放映され、見る事ができて実に嬉しい。エロティックでまさにフランス映画といった展開のサスペンスは臨場感にあふれとても見応えがある。

wowowにて
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by margot2005 | 2015-05-18 00:40 | フランス | Trackback | Comments(0)

「ジミーとジョルジュ 心の欠片を探して」

「Jimmy P.」2013 USA/フランス
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1948年、アメリカ、モンタナ州ブラウニング。アメリカ・インディアン、ブラックフット族のジミーは第二次世界大戦から帰還後、原因不明の不快なる症状に悩まされていた。姉ゲイルと一緒に暮らすジミーは彼女に促されるままカンザム州トピカの軍病院へ入院する。しかしジミーを悩ます症状の原因を突き止めることはできず、困った病院のスタッフはニューヨークからフランス人精神科医ジョルジュ・ドゥヴルーを呼び寄せる…

ジミー・ピカードに「悲しみが乾くまで/2008」「チェ 28歳の革命/2008」「チェ 39歳別れの手紙/2008」「セブン・デイズ・イン・ハバナ/2012」「野蛮なやつら/SAVAGES/2012」のベニチオ・デル・トロ。
ジョルジュ・ドゥヴルーに「毛皮のヴィーナス/2013」のマチュー・アマルリック。
マドレーヌに「ノッティングヒルの恋人/1999」「ボルジア家 愛と欲望の教皇一族/2011~2013」「つぐない/2002」のジーナ・マッキー。
ゲイル・ピカードにミシェル・スラッシュ。
カール・メニンガー医師に「キング・オブ・マンハッタン 危険な賭け/2012」「グランド・ブタペスト・ホテル/2013」のラリー・パイン。
ホルト医師に「ミルク/2008」ジョセフ・クロス。
ヨークル医師に「13ディズ/2000」のエリヤ・バスキン。
ジェインに「フローズン・リバー/2008」「8月の家族たち/2013」のミスティ・アッパム。
監督、脚本は「キングス&クイーン/2004」「クリスマス・ストーリー/2008」のアルノー・デプレシャン。

第二次世界大戦で頭蓋骨を骨折し、頭痛や視覚障害を訴えるジミーの治療にあたったメニンガー、ホルト、ヨークルたち医師は科学的な方法でジミーの症状を解明しようとするが敵わない。そこで精神療法に長けるジョルジュ・ドゥヴルーにジミーを委ねる。人類学者でもある彼はアメリカ・インディアンのモハヴェ族の実地調査を行っていた人物。
ジョルジュとの対話で、ジミーは優しい姉や、元妻、そしてかつてのガール・フレンド、ジェイン等、女性たちとの関係を語り始める。戦争後遺症と思われていたジミーの症状は過去の体験や、女性たちとの関係に大きく影響しているとジョルジュは気づくのだった。ジミーには結婚と、一人の娘が存在する過去があった。
二人の対話は毎日続き、ジョルジュを訪ねてやって来た英国人の恋人マドレーヌが見守る中、患者と精神科医の間に友情のようなものが芽生え始める。

マチュー大好きなのと、お気に入り俳優ベニチオ・デル・トロの出演に是非観たかった一作。地味ながら二人の俳優が素晴らしい。監督はアルノー・デプレシャンだし…。
シアター・イメージフォーラムで予告を何度か観た。このシアターで公開される映画は万人好みではない。実話を元にしたとても重厚な心理ドラマは中々見応えがあった。

プエルトリコ出身のベニチオ・デル・トロがネイティブ・アメリカンを演じている。映画の舞台は1940年代。この頃彼らはインディアンと呼ばれていた。フランス人精神科医ジョルジュがユダヤ人でもあることも興味深い。
オフィシャルに“見るものに静かな感動を与える...”とあるがその通りのドラマ。

シアター・イメージフォーラムにて
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by margot2005 | 2015-01-26 00:06 | フランス | Trackback(1) | Comments(0)

「毛皮のヴィーナス」

「La Vénus à la fourrure」…aka「Venus in Fur」2013 フランス/ポーランド
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ドラマは舞台演出家のトマが新しい舞台劇のために女優をオーディションするところから始まる。会場にうーんと遅れてやって来た無名の女優ワンダ。トマは追い返そうとするがワンダは決して帰ろうとしない。あきらめ境地のトマは仕方なしにオーディションを始める。トマを相手に台詞を語り始めるワンダ。やがてトマはワンダの演技に魅せられて行く...

ワンダ・ジュルダンに「フレンチなしあわせのみつけ方/2004」「エディット・ピアフ~愛の讃歌~/2007」「潜水服は蝶の夢を見る/2007」「危険なプロット/2012」「母の身終い/2012」のエマニュエル・セニエ。
トマ・ノヴァチェクに「グランド・ブタペスト・ホテル/2013」のマチュー・アマルリック。
監督、脚本は「おとなのけんか/2011」「ゴーストライター/2011」のロマン・ポランスキー。

原作“毛皮のヴィーナス”を書いたレオポルド・フォン・ザッヘル=マゾッホとは“マゾヒズム”の語源となった人物らしい。
本作はブロードウェイで大ヒットした二人芝居“毛皮のヴィーナス”をモチーフに作られている。そういえば監督の「おとなのけんか」も舞台劇だった。でも本作の出演者はエマニュエル・セニエ&マチュー・アマルリックの二人だけ。二人の延々と続くやりとり(台詞)の間にトマの恋人からかかる電話や、ワンダがかける電話の話に中断されるが、その他は全く二人だけの世界。その延々と続く台詞は舞台劇での台詞…いつも思うのは、あのような膨大な言葉(台詞)を俳優はどのようにして記憶するのか!?ということ。もうただただ感心の一言。一つのシーンだけで構成されるドラマなのだが、何日かけて撮影したのか?妙に知りたくなる。とにかく二人の俳優が素晴らしい!

エンドクレジットが始まると、パリのルーヴルやオルセー、そしてフィレンツェのウッフィツィなどにある巨匠の描いた“ヴィーナス”の絵画が登場する…ボッティチェッリ、ティツィアーノ、ドラクロワ、アレクサンドル・カバネルetc.で、ラストはやはり“ミロのヴィーナス”だった。

マチューの大ファン。本作の予告はシアターで何度も見ている。ちょっと興味深い作品かな?と思って楽しみにしていた一作。期待どうりの素晴らしいドラマだった。エマニュエル・セニエは昨今脇役ばかりで…本作でヒロインを演じる彼女も文句無しに素晴らしい。40代後半のエマニュエルが実に妖艶で驚く。

ハリソン・フォード主演のロマン・ポランスキー監督作品「フランティック/1988」にヒロインで監督夫人のエマニュエル・セニエが出演していたのを思い出す。パリが舞台のあのサスペンスはトレ・ビアン!だった。同じくポランスキー作品でエマニュエルがヒロインの「赤い航路/1992」もかなり前に見た作品なので今一度見てみたい。
マチュー映画は今週末公開されるベニチオ・デル・トロ共演の「ジョルジュ 心の欠片を探して/2013」が楽しみ。

ヒューマントラストシネマ有楽町にて
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by margot2005 | 2015-01-10 00:07 | フランス | Trackback(4) | Comments(0)

「グランド・ブタペスト・ホテル」

「The Grand Budapest Hotel」2013 USA/ドイツ
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ムッシュ・グスタヴ・Hに「007 スカイフォール/2012」のレイフ・ファインズ。
ミスター・ゼロ・ムスタファに「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌/2013」のF・マーレイ・エイブラハム.
若き日のゼロにトニー・レヴォロリ。
監督/脚本/原案/製作は「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ/2001」「ライフ・アクアティック/2005」「ダージリン急行</2007」「ムーンライズ・キングダム/2012」のウェス・アンダーソン。

時は1932年。ヨーロッパの最高級ホテルであるグランド・ブタペスト・ホテルには究極のサービスでもてなすコンシェルジュ、ムッシュ・グスタヴ・Hがいる。ある日、移民のゼロ・ムスタファがムッシュのベルボーイ見習いとして働き始める。ムッシュに付かず離れずで忠実に仕事をこなすゼロ。そんな折、ムッシュにぞっこんの富豪のマダムDが殺害され、彼女の遺言により名画がムッシュに贈られることになる…

マダムD、息子ドミトリーと彼に雇われる殺し屋ジョプリング、マダムの館の執事セルジュ・Xとメイドのクロチルド。それぞれティルダ・スィントン、エイドリアン・ブロディ、ウイレム・デフォー、そしてウェス・アンダーソン初のフランス人俳優マチュー・アマルリックとレア・セドゥがナイス・キャスティング。特にマチューは良かった。

ゼロのガールフレンド、アガサ役のシアーシャ・ローナンがキュート。彼女が作る菓子もとてもキュートなのだ。そしてティルダ・スィントンの怪演と、ウイレム・デフォー演じる殺し屋がダークなのに可笑しくて最高。エドワート・ノートンの存在も面白かった。少々「ムーンライズ・キングダム」とかぶってはいたが...。

ムッシュがマダムDの殺人容疑で逮捕され刑務所に収監される。ハーヴェイ・カイテル演じるルートヴィヒに助けられ脱獄に成功したムッシュがゼロと共に疑惑を暴く様には大いに笑わせてもらった。真に笑ったウェス・アンダーソン映画は今回初めてかも知れない。
ウェス・アンダーソンの描く世界は絵本のようだが、本作は今迄で最高に美しい。何せグランド・ブタペスト・ホテルはピンクだ。ウェス・アンダーソンのもう一つの世界は乗り物。ホテルの玄関にたどり着くために乗るケーブルを始めとして、列車や車、スキーにソリまで登場する。そしてやはり「ダージリン急行」のインドの列車の旅を思い出した。

とにかく出演陣が上ポスターにあるようにとてもとてもゴージャス!
ウェス・アンダーソンとは相性が合わないながら本作はキャストの豪華さにパスすることなどできなかった。しかしながら主演のレイフ・ファインズ初コメディ映画はスゴく面白くて、巷で宣伝しているのか?初日の最終回、ミニ・シアターがなぜか?満員で驚いた。

舞台は仮想の国ズブロッカ共和国でロケはドイツ、ザクセン州(州都ドレスデン)。
本作の中では東ヨーロッパの歴史(ナチズムや難民)が語られ、映画のエンディングにオーストリアのユダヤ人作家シュテファン・ツヴァイクの名前が記されている。

TOHOシネマズ・シャンテにて
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by margot2005 | 2014-06-29 20:20 | MINI THEATER | Trackback(23) | Comments(4)

「チキンとプラム~あるバイオリン弾き、最後の夢~」

「Poulet aux prunes」…aka「Chicken with Plums」 2011 フランス/ドイツ/ベルギー
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一人の男が死を決意した時、かつて愛した女性との恋の思い出がよみがえる大人のファンタジー・ドラマ。タイトルの“チキンとプラム”とは主人公ナセル・アリの大好きな食べ物のこと。そして彼は豊満な美女ソフィア・ローレンが大好き!
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ナセル・アリに「ある秘密/2007」のマチュー・アマルリック。
死の天使アズラエルに「ダニエラという女/2005」「モリエール 恋こそ喜劇/2007」「引き裂かれた女/2007」「風にそよぐ草/2009」のエドゥアール・ベール。
ナセル・アリの妻ファランギースに「ぼくセザール10歳半1m39cm/2003」「ベティの小さな秘密/2006」のマリア・デ・メディロス。
イラーヌに「ワールド・オブ・ライズ/2008」「彼女が消えた浜辺/2009」のゴルシフテ・ファラハニ。
ナセル・アリの弟アブディに「ストーン・カウンシル/2005」のエリック・カラヴァカ。
ナセル・アリの娘リリ(大人役)に「ゼロ時間の謎/2007」「クリスマス・ストーリー/2008」「美しい人/2008」のキアラ・マストラヤンニ。
ナセル・アリの母親パルヴィーンに「最高の人生をあなたと/2011」のイザベル・ロッセリーニ。
骨董屋のフーシャング(物乞い)に「アメリ/2001」「アンジェラ/2005」のジャメル・ドゥブーズ。
監督、原作は「ペルセポリス/2007」のマルジャン・サトラピ。

舞台は1950年代のイラン。ナセル・アリは20年に渡り世界中を演奏して回った天才ヴァイオリニスト。41歳でファランギースと結婚し、今では二人の子持ち男。ある日、家庭を顧みない夫に腹を立てた妻は彼のヴァイオリンをたたき壊してしまう。“もう演奏は出来ない!”と訴えるナセル・アリに弟アブディはある話を持ちかける。そしてアブディの情報からさるところにあるという名器ストラディバリウスを買いに出かける。骨董屋には怪しげな男がいて、“これはあのウルフガング・アマデウス・モーツアルトが所蔵したいたものだ!”と言う。しかしそのヴァイオリンにも満足することが出来ないナセル・アリは死を決意する…

何度か予告を観て楽しみにしていた一作。主演は大好きなマチューだし…。
アニメ作家が作っただけあって、メルヘンっぽいシーンや、もちろんアニメも登場する。上にも書いたようにファンタジーの世界がトレヴィアン!!
モーツアルトが所蔵していたという名器ストラディバリウスを怪しい骨董屋(物乞い)に言葉巧みに売りつけられたり、ナセル・アリがどのように死ぬか想像を膨らませたりして笑える。死の天使が出てくる辺りは奇想天外で大満足だった。

ナセル・アリは芸術家であるためとても繊細で、自己中心的な性格。こういった人間が家庭人には向くわけがない。しかしながら母親にせがまれ無理矢理ファランギースと結婚させられる。ファランギースはずっと、ずっとナセル・アリを愛していたのだ。そして彼は、彼で愛する女性イラーヌがいたが、“娘を貧乏な芸術家とは結婚させられない!”と彼女の父親が猛反対する。イラーヌもナセル・アリを心から愛していたが二人の恋は終焉を迎える。
ある時、街で孫を連れたイラーヌがナセル・アリと出くわす。“どこかでお会いしませんでしたか?”と訪ねるナセル・アリ。しかしイラーヌは“人違いです!”と答える。イラーヌは彼のことがわかっていたが年老いた姿をさらすには辛過ぎたに違いない。愛しい人に会えたのに街頭の影に隠れ一人涙を流すイラーヌが哀れ。

マチュー・アマルリックはふがいない男を演じると天下一品。
イラン出身のゴルシフテ・ファラハニは以前観た映画の役柄とは打って変わって、主人公が生涯忘れることが出来なかった美しい女性イラーヌに扮していて素敵。
ナセル・アリの母親を演じるイザベラ・ロッセリー ニが貫禄たっぷりで、出番は少ないながら実にインパクトあるなぁこのobasan。
キアラ・マストラヤンニの強烈な個性も健在だ。マジで父親マストロヤンニにそっくり!

ヒューマン・トラスト・シネマ有楽町にて
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by margot2005 | 2012-11-27 21:03 | フランス | Trackback(6) | Comments(2)

「ある秘密」

「Un secret」2007 フランス
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タニアに「ロシアン・ドールズ/2005」「モンテーニュ通りのカフェ/2006」「ジャック·メスリーヌ フランスで社会の敵(パブリック·エネミー)No.1と呼ばれた男 Part1/ Part2/2008」「シスタースマイル ドミニクの歌/2009」「スフィンクス/2010」「少年と自転車/2011」のセシル・ドゥ・フランス。
マキシムに「美しい妹/2001」のパトリック・ブリュエル。
アンナに「情痴アヴァンチュール/2005「パリ、ジュテーム/2006」「モリエール 恋こそ喜劇/2007」「引き裂かれた女/2007」「ジャック·メスリーヌ フランスで社会の敵(パブリック·エネミー)No.1と呼ばれた男 Part1/ Part2」のリュディヴィーヌ・サニエ。
フランソワに「さすらいの女神(ディーバ)たち/2010」のマチュー・アマルリック。
ルイーズに「恋は足手まとい/2005」「ぜんぶ、フィデルのせい/2006」「暗闇の女たち/2007」のジュリー・ドパルデュー。
7歳と14歳のフランソワに、それぞれヴァランタン・ヴィクールとカンタン・デュビュイ。
監督、脚本は「なまいきシャルロット/1985」「リュミエールの子供たち/1995」のクロード・ミレール。
原作はフィリップ・グランベールの書いた“ある秘密”。
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ドラマは戦後のフランス、パリから始まる。身体を鍛えるのが大好きな父親と、水泳のチャンピオンだった母親の間に生まれたにもかかわらず、7歳の息子フランソワはひ弱な男の子で運動も苦手。一人っ子の彼は家の向かいでマッサージ店を営むルイーズのところへ足しげく通っている。そんなある日、屋根裏部屋で古びたぬいぐるみを見つける。それを知った両親がヒドく動揺するのが気になったフランソワはそのことをルイーズに話して聞かすのだった。
そしてドラマは老年のマキシムとタニアが暮す1985年のパリへ…夫婦の一人息子フランソワも結婚し今では父親。ある日、母親から父親が家を出たきり戻って来ないという連絡が入る。

「刑事ベラミー」もナイスな作品だったが、本作はナイスかつ感動のドラマである。テーマは“ホロコースト”。「黄色い星の子供たち/2010」でもホロコーストが描かれていたが、こちらはそれ以前の作品。

二人の女性アンナとタニアに愛された男マキシムと、彼の二人の息子シモンとフランソワ。
マキシムはアンナとの結婚式で彼女の兄の恋人であるタニアと出会い魅せられてしまう。やがてユダヤ人である彼らは家族ぐるみで交際するようになる。ある日、アンナのバースディ・パーティにプレゼントを持って現れたタニア。アンナはタニアと夫マキシムが見つめ合う姿に呆然とする。マキシムは結婚式以来タニアに魅せられていたのだから…。子持ちなのに浮気男!と少々憤慨するがナチスのユダヤ人迫害により3人の運命は大きく変わって行く。

ユダヤ人ではあるが、それ以上にフランス人としての誇りを持つマキシム。一方でアンナはユダヤ人としての誇りを持っていたように思える。その後ナチスの前で取った彼女の行動に納得がいくのだ。タニアはタニアでモデルという仕事に戻りたい一心で、自身はフランス人でなくてはならなかったのだと思う。
ドラマは自伝的ベストセラー小説が元になっているという。映画はスゴくドラマティックに描かれていて素晴らしい。観る人全てがドラマに引き込まれること間違いない。

本作はヒロイン、セシルの「モンテーニュ通りのカフェ」の次の作品。映画の中でファッション・モデルという設定もあるけどセシルがとても奇麗なのだ。セシルは「少年と自転車」でもう若くはない女性を演じていてobasanっぽかったが、本作ではゴージュアスな雰囲気が漂いとても美しい。セシルがあまりにも魅力的でリュディヴィーヌ・サニエが霞んでしまっている(リュディヴィーヌは地味な役柄で、こんな彼女は初めて観た)。
マチューがセシルの息子役。ごく普通のマチューもまた素敵だ。ラスト近くに老けメイクのセシルが少し映る。

時系列で描かれないドラマはいつも戸惑う。本作も戦中、戦後、80年代と時代が行ったり来たりするが、ドラマが素晴らしいのでその辺は気にならなかった。
「刑事ベラミー」同様なぜに?今まで公開されなかったのか?心に残る素晴らしいドラマでMY BESTに入れたい。

「三重スパイ/2003」
「刑事ベラミー/2009」
<映画の國 名作選V フランス映画未公開傑作選>
渋谷シアター・イメージ・フォーラムにて
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by margot2005 | 2012-05-08 23:03 | フランス | Trackback | Comments(0)