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「アンジェリカの微笑み」

「O Estranho Caso de Angélica」…aka「The Strange Case of Angelica」2010 ポルトガル/スペイン/フランス/ブラジル
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リスボン、ドウロ河流域の小さな町。ある日、カメラが趣味の青年イザクは富豪のポルタシュ館から写真撮影を依頼される。そして屋敷の女主人から亡くなった娘アンジェリカの最後の写真を撮って欲しいと告げられる。やがてイザクがカメラを構えファインダーを覗いた瞬間アンジェリカが微笑んだように見えた。しかし周りの誰もそれに気づいてはいない。写真を撮り終え下宿先の部屋へ戻ったイザクは、もはやアンジェリカを忘れることはできないと感じ始める...

監督、脚本は「コロンブス 永遠の海/2007」「ノン、あるいは支配の空しい栄光/1990」「ブロンド少女は過激に美しく/2009」「家族の灯り/2012」のマノエル・デ・オリヴェイラ。
イザクにリカルド・トレパ。
アンジェリカに「女王フアナ/2001」「アラトリステ/2006」「シルビアのいる街で/2007」「ブエノスアイレス恋愛事情/2011」のピラール・ロペス・デ・アジャラ。

現像しフォトとなったアンジェリカが再びイザクに微笑みかけてくる。イザクはアンジェリカに魅せられ茫然自失となる。下宿先の女主人はそんなイザクを心配するが、アンジェリカに取り憑かれてしまっているイザクは周りが見えていない状態。寝ても覚めてもアンジェリカが現れ、あろうことか夢の世界から現れたアンジェリカが手招きしている。
パジャマ姿のイザクと、白いドレスで空を飛ぶアンジェリカが滑稽ながらファンタジック。

主人公はいつものように監督の孫のリカルド・トレパ。死者に恋した青年の物語って??と展開が楽しみで、最初アンジェリカが生き返るのかな?なんて想像逞しくしていたがそのようなことにはならない。
「ブロンド少女は過激に美しく」で美しい少女に夢中になる青年を思い起こす。
2015年に106歳で亡くなったオリヴェイラ監督。100歳を過ぎても恋する男が主人公の映画を作るなんてなんとロマンティックな人なのだろう、と感心する。

アンジェリカ役の彼女…もうスゴく見たことのある女優だ!と思いながら全く思い出せずにPCでチェックしたらスペイン人女優のピラール・ロペス・デ・アジャラ。そして彼女の映画は何作も見ていることが判明。印象に残るのは「女王フアナ」だが「シルビアのいる街で」「「ブエノスアイレス恋愛事情」の彼女も良かった。
もう決してマノエル・デ・オリヴェイラが作るリカルド・トレパ主演の映画が見られないとは実に寂しい。

Bunkamuraル・シネマにて
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by margot2005 | 2015-12-21 23:58 | ヨーロッパ | Trackback(4) | Comments(0)

「家族の灯り」

「O Gebo e a Sombra」…aka「Gebo et l'ombre」「Gebo and the Shadow」2012 ポルトガル/フランス
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ジェボに「そして、デブノーの森へ/2004」「ミュンヘン/2005」「宮廷画家ゴヤは見た/2006」「神々と男たち/2010」「楽園からの旅人/2011」のミシェル・ロンズデール。
ドロテイアに「鞄を持った女/1961」「山猫/1963」「ブーベの恋人/1963」のクラウディア・カルディナーレ。
ソフィアにレオノール・シルヴェイラ。
ジョアンにリカルド・トレパ。
カンディアに「死刑台のエレベーター/1957」「黒衣の花嫁/1968」「ぼくを葬る/2005」「クロワッサンで朝食を/2012」のジャンヌ・モロー。
シャミーソにルイス・ミゲル・シントラ。
監督、脚本は「コロンブス 永遠の海/2007・ノン、あるいは支配の空しい栄光/1990」「ブロンド少女は過激に美しく/2009」のマノエル・ド・オリヴェイラ。
レオノール・シルヴェイラ/リカルド・トレパ/ルイス・ミゲル・シントラの三人はオリヴェイラ監督の常連俳優。
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老人ジェボは帳簿係として細々と生活している。その帳簿係も会社のお情けから続けられている有様。ジェボは妻ドロテイアと息子の妻ソフィアの三人暮らし。愛する息子ジョアンは8年前に疾走以来戻って来ない。しかしある夜ジョアンがいきなり帰ってくる。ジョアンの出現で穏やかな生活が乱れ始め3人は動揺し始める...

原タイトルは“ジェボと影”。邦題の“家族の灯り”はスーパー級に家族思いのジェボからきているのかも知れないが、かなり短絡的につけた模様。

マノエル・ド・オリヴェイラ映画を鑑賞したのは「クレーヴの奥方/1999」「夜顔/2006」以来6作目。
昨年の9月に渋谷で上映されたオムニバス作品の「ポルトガル、ここに誕生す ギマランイス歴史地区/2012」は見損なってしまった。wowowでの放送を期待したい。

主人公のミッシェル・ロンズデールは「楽園からの旅人」では神父を演じていた。本作では貧しいが、穏やかで心優しいジェボ役が似合っている。
懐かしのクラウディア・カルディナーレはwowowで放送されたジャン・デュジャルダン主演の「海の上のバルコニー/2010」で母親を演じていて、あまりにもおばあさんで驚いた。それというのもメイクが濃かったから余計に顔年齢が強調されていて…本作では濃いメイクではないのと、全編暗いシーン(ランプの時代)であるため、ジャンヌ・モロー同様顔年齢が強調されることはない。年を重ねた女優は照明を落とした映画に出演すべし!かも知れない。ジュンヌ・モローがキュートなのだ。
カルディナーレ映画は昨年11月に渋谷のル・シネマで公開されていた「ふたりのアトリエ 〜ある彫刻家とモデル/2012」を見逃してしまっている。

オリヴェイラ映画はどれもこれも舞台劇を見ているような雰囲気がある。本作はそれの最たるもので、クラシックなMusic(シベリウス)が流れる中、シーンはジェボの家のリヴィングルームが90%以上。ジェボとドロテイア、ジェボとソフィアの語らい。そしてジェボとドロテイアとソフィアの元へ隣人のカンディアやシャミーソが訪れ語らいが始まる。原作が戯曲であることを知り、道理でであった。
しかしながらあの唐突なるエンディングには驚き。

神保町 岩波ホールにて
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by margot2005 | 2014-03-11 21:27 | ヨーロッパ | Trackback(3) | Comments(0)

「熱波」

「Tabu」2012 ポルトガル/ドイツ/ブラジル/フランス
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“最後に一目、会いたい人…”
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アウロラにラウラ・ソヴェラウ。
若き日のアウロラにアナ・モレイラ。
ヴェントゥーラにエンリケ・エスピリト・サント。
若き日のヴェントゥーラに「ミステリーズ 運命のリスボン/2010」のカルロット・コッタ。
アウロラの夫にイヴォ・ミューラー。
ピラールにテレサ・マドゥルガ。
サンタにイザベル・カルドーゾ。
監督、脚本、編集はミゲル・ゴメス。

ドラマは第一部“楽園の喪失”と第二部“楽園”に分けて描かれる。

第一部:“楽園の喪失”舞台はポルトガル/リスボン
ピラールは平和の祈りに参加したり、カトリックの社会活動団体に協力したりする敬虔なるクリスチャン。そして隣人である孤独な老人アウロラが気がかりだが、自分勝手でわがままな彼女に悩まされてもいる。そんなある日アウロラが病に倒れ、“ヴェントゥーラに一目会いたい!”と言い残し亡くなる。アウロラのメイドのサンタと共にヴェントゥーラ探しに奔走したピラールはついに彼を見つけ出す…

第二部:“楽園”舞台はアフリカ大陸/ポルトガルの植民地(ロケーションはモザンビーク)
アウロラの父親はアフリカでの事業に成功し財をなすが、若くして脳卒中に倒れ亡くなってしまう。母親はアウロラを生んだ後亡くなったため、天涯孤独の身となり、メイドや家庭教師と共に気ままな日々を送っている。やがて大学の卒業パーティで出会った男性と結婚したアウロラは、何不自由ない幸せな生活を満喫していた。しかしある日、流れ者のヴェントゥーラに出会い、彼女の心の奥底に眠っていた情熱がメラメラと燃えあがる...

フランスで絶賛されたという究極のラヴ・ストーリーは第一部も、第二部も白黒。そして第二部は年老いたヴェントゥーラの語りで、アウロラやヴェントゥーラ、その他の人々の台詞はない。それはまるで無声映画を観ているようで、観る者の想像力を刺激し、アウロラとヴェントゥーラの恋が究極の域にまで盛り上がる。

ポスターはアウロラが新婚の夫からプレゼントされたペットのワニ。
ある日、ワニが隣人ヴェントゥーラの家に逃走する。ヴェントゥーラはアウロラにワニを送り届け、少しおしゃべりをして帰って行く。しかしワニが再び逃走しアウロラはヴェントゥーラの家へ走りドアをノックする。開けた途端いきなりアウロラに歩み寄りキスをするヴェントゥーラ、やがて二人は狂おしいほどに惹かれ合うが、アウロラは夫の子供を妊娠中だった。
二人を結び付けたのはペットのワニ。後に“ダンディ”と命名される。

映画のタイトル「TABU」はアウロラとヴェントゥーラの住まいがある地域の山の名前でもある。隣人を愛してしまった二人は密かに逢い引きを重ねる。会えない時は互いに手紙で愛の言葉を交わし、死ぬほど愛していると伝え合う。“恋は盲目”とはよくいったもので、周りが見えない二人は、許されぬ恋にのめり込んで行く。
やがて事の真相を知ったヴェントゥーラの友人が二人を引き離す。別れる決心をしたヴェントゥーラだったが、アウロラに再会した途端恋の炎は再燃し、二人はとうとう逃避行してしまう。
その後の展開は観てのお楽しみ。だだし、第一部を観れば二人が結ばれなかったことが想像出来る。

伯爵夫人を含め数多の女性との恋に生きてきたヴェントゥーラが、他でもない妊娠中の人妻にぞっこんになるという...恋とは不思議なものだ。
バックに60年代の大ヒット曲でThe Ronettesの“Be My Baby”と“Baby, I Love You” が流れる(The Ronettes盤ではない)。恋するアウロラとヴェントゥーラの気持ちを現すこの選曲がパーフェクト。
映画の中でヴェントゥーラは4人組のバンドのドラマー。ヴェントゥーラ役のカルロット・コッタは自らもバンドを持っているそうだ。
「ミステリーズ 運命のリスボン」で貴族アルヴァロ・デ・アルブケルケを演じたカルロット・コッタは実にゴージャス。「ミステリーズ 運命のリスボン」での出番は少なかったが、本作では第二部ほぼ全般に出演している。
ポルトガル人俳優なんて滅多にお目にかかることはないが、カルロット・コッタの出演する映画を又観てみたい。

渋谷 シアター・イメージフォーラムにて
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by margot2005 | 2013-07-22 22:16 | スペイン | Trackback(3) | Comments(0)

「ミステリーズ 運命のリスボン」

「Mistérios de Lisboa」…aka「Mysteries of Lisbon」2010 ポルトガル/フランス
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19世紀のヨーロッパが舞台と言えば是が非でも観たい!映画はポルトガル、フランス、イタリア、そしてブラジルを舞台にした壮大なる長編ドラマで、ミステリアスなストーリーが素晴らしく、映像ももちろん絵画のように美しい。
しかしながら万人に受ける映画ではないとも言える。フランスが舞台のシーンでメルヴィル・プポーとレア・セドゥーが出演している。

ディニス神父にアドリアーノ・ルース。
アンジュラ・リマににマリア・ジュアン・バストス。
アルベルト・デ・マガリャンエスにリカルド・ペレイラ。
エリーズ・ド・モンフォールに「恋人たちの失われた革命/2005」「食料品屋の息子/2007」のクロチルド・エム。
ペドロ・ダ・シルヴァ(成人)にアフォンソ・ピメンテウ。
ジョアン/ペドロ・ダ・シルヴァ(少年期)にジュアン・アハイス。
アルヴァロ・デ・アルブケルケにカルロット・コッタ。
エルネスト・ラクローズに「クリスマス・ストーリー/2008」のメルヴィル・プポー。
ブランシュ・ド・モンフォールに「美しい人/2008」「ロビン・フッド/2010」「ミッドナイト・イン・パリ/2011」のレア・セドゥー。
アルマニャク子爵にクララ・シューマンの愛/クララ・シューマン 愛の協奏曲/2008」のマリック・ジディ。
監督は「クリムト/2006」のラウル・ルイス。
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19世紀前半、激動のヨーロッパ。リスボンの修道院に暮す孤児のジョアンは一緒に学ぶ少年たちから日々イジメを受けている。しかし修道院のディニス神父は固くなにジョアンを守り続けて来た。ある日、ジョアンが病気になり、一人の美しいアンジュラという女性が訪ねて来る。やがてジョアンの出自が明らかになって行く…

ディニス神父とマガリャンエスの謎と秘密...この展開はかなりのモノだった。一方でジョアンの実母アンジュラとフランス人の未亡人エリーズ、そして彼女の娘ブランシュの愛と運命が絢爛豪華な貴族の世界と共に描かれる様も素晴らしかった。

アンジュラは侯爵の娘。偶然出会った男性が最愛の人となり結婚を望むが父親によって阻まれる。最愛の人との間に出来た子供がジョアン。ジョアンを生んだ後無理矢理伯爵と結婚させられ、愛のないアンジュラの人生は崩壊して行く。そして伯爵もまた侯爵の策略の犠牲者だった。
やがて伯爵が重い病に倒れ、アンジュラはディニス神父と共に夫に会いに行く。そして伯爵の最後をみとった修道士は他でもないディニス神父の父親だったという事実。この辺が実に興味深く巧みに絡み合って...
映画のwebsiteにも“掟破りの大長編を目の当たりにし、世界中の人々は息を呑み、時を忘れて酔いしれた。本国フランスでは1年間という異例のロ ングランを続けたのち、その年の最良のフランス映画に贈られるルイ・デリュック賞を始め、米国のサテライト賞 最優秀外国語映画賞など世界中で数々の賞を受賞。”と記されている。

時代が行ったり来たりして少々ややこしいが...
醜聞を隠すため生まれてすぐ殺される予定だったジョアンを、ならず者の殺し屋に金を払い救ったのはディニス神父(彼がそうしたのには重要なわけがある)だったとか、パリに留学したペドロ(ジョアン)が夢中になった隣家の年上の女性エリーズはかつてディニスがフランスに滞在中想いをよせたブランシュの娘であったとか...意外にスキャンダラス。でもあくまでもエレガントに描かれているところがラウル・ルイスの世界なのだろう。上に書いたならず者の殺し屋が別人となって登場するするのも鮮やかな展開だった。

フランス人俳優メルヴィル・プポーとレア・セドゥーは互いに惹かれ合いながらも引き裂かれる運命にある役どころ。
妖しい魅力を讃えたレア・セドゥーはメルヴィル・プポー同様出番が少なくて残念。レアが主演のブノワ・ジャコのヴェルサイユを舞台にした「マリー・アントワネットに別れをつげて/2012」が今月公開予定で嬉しい。

あれは全てジョアンの見る夢だったのか?とも思わせるラスト・シーンにちょっと驚き。
間に15分の休憩が入るが前編、後編合わせて上映は4時間27分。この時代に入り込めない人は寝てしまうかも?私的にこの世界は大好きなので上に書いたように満足であった。
ドラマとは少々不釣り合いながらジョアン/ペドロお気に入りの紙芝居が素敵だったな。

ジョン・マルコヴィッチ主演の「クリムト」は過去にwowowで見た。マルセル・プルースト原作でラウル・ルイスが監督した「見いだされた時-「失われた時を求めて」より-/1999」は未見なので機会があれば是非見てみたい。
こちらは2011年8月に亡くなったラウル・ルイスの遺作。

シネスイッチ銀座にて(二部作それぞれの上映で別料金/11月30日までの上映予定)
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by margot2005 | 2012-11-03 22:37 | スペイン | Trackback(6) | Comments(0)

「ブロンド少女は過激に美しく」

「Singularidades de uma Rapariga Loura」…aka「Singularités d'une jeune fille blonde」「Eccentricities of a Blond Hair Girl」2009 ポルトガル/スペイン/フランス
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監督、脚本は「コロンブス 永遠の海/2007」「ノン、あるいは支配の空しい栄光/1990」のマノエル・デ・オリヴェイラ。
マカリオにリカルド・トレバ。
ルイザにカタリナ・ヴァレンシュタイン。
列車で隣合わせるレディにレオノール・シルヴェイラ。
叔父フランシスコにディオゴ・ドリア。
ルイザの母ヴィラサ夫人にジュリア・ヴイゼル。
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リスボンに住む会計士のマカリオは長距離列車で隣合わせた見知らぬレディに、自身が体験した衝撃の恋物語を語り始める。
それはマカリオが、向かいの建物の窓辺にたたずみ、こちらを見つめる美しい娘に一目惚れしてしまったこと。彼女に想いを打ち明け了承された彼は夢心地で叔父に報告する。しかし二人の恋を猛烈に反対した叔父はマカリオを事務所から追い出してしまうだった…

TOHOシネマズ・日比谷シャンテで上映される映画は好みの作品が多いので、上映映画のほとんどを観ている。で、この映画の予告も繰り返し観た。
教会の鐘が夕べを告げる頃、いつも窓辺にたたずむ美しい娘。彼女は手に美しい扇(団扇の方がぴったりの表現だが…)を持ち微笑みを浮かべている。そして彼女をじっと見つめる男…。
予告を観る限り美しいラヴストーリーの雰囲気だった。しかし単なるラヴストーリーではないだろうと予想はしていた。本編が始まり...やはりであった。しかしまさか?あのような展開は想像していなかっただけに唐突なエンディングには驚かされた。
上映時間は64分と短く、あのエンディングはマジで唐突だったが余韻は深く残る。そしてバックに流れるサウンドにも魅了された。

リカルド・トレバ、レオノール・シルヴェイラ、ディエゴ・ドリアたちオリヴェイラ監督の常連が出演している。監督はお年(100歳超えているとは驚き!)なため、気心の知れた俳優だときっとやりやすいのかと思える(勝手の想像)。
その監督の孫リカルド・トレバはさわやかと言う言葉がぴったりの魅力的な俳優で、ルイザに“恋一筋”の初々しくて、優しい男性がとてもマッチしていた。
マカリオの叔父が二人の恋に猛烈に反対したのはなぜ?と思ったが、それはあの結末(マカリオの運命)を予言していたからに他ならない。
邦題からだと“ブロンド少女が過激に美しい”というふうにとれるが、ルイザは過激に美しいだけではないのだ。Internationalタイトルに“エキセントリック”という言葉が使われているように、彼女の異常な行動(奇行)/特異性が問題となってくる。美しい容貌と行動がアンバランスで、哀れさと共に可笑しさをも感じ、思いのほか味わい深い作品だった。

本編上映前にジャン・リュック・ゴダール監督の「シャルロットとジュール/1958」が上映された。14分の短編で、主演は「勝手にしやがれ/1960」でスターになったジャン・ポール・ベルモンド。
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by margot2005 | 2010-10-25 23:45 | スペイン | Trackback(4) | Comments(2)

「コロンブス 永遠の海/ノン、あるいは支配の空しい栄光」

「Cristóvão Colombo - O Enigma」...aka「Christopher Columbus, The Enigma」 2007 ポルトガル/フランス
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監督、脚本はマノエル・デ・オリヴェイラ。
マヌエル・ルシアーノに「夜顔/2006」のリカルド・トレパ。
シルヴィアに「家路/2001」「夜顔」のレオノール・バルダック。
老人のマヌエル・ルシアーノにマノエル・デ・オリヴェイラ。
妻シルヴィアにマリア・イザベル・デ・オリヴェイラ。

1946年、ポルトガルからアメリカに渡った青年マヌエル・ルシアーノは後に医師免許を取得し医者となる。彼は仕事のかたわらクリストファー・コロンブス研究に情熱を注ぐ。コロンブスはイタリア人とも、スペイン人ともいわれており、彼の出生には多くの秘密が隠されていた。ポルトガルに戻ったマヌエルは教師のシルヴィアと結婚し、ハネムーンを兼ね、自らコロンブス生誕の地と仮定するクーバ(CUBA)という都市へ向かう…

オリヴェイラ監督と妻のマリアが老人となった夫妻を演じ、若い頃のマヌエルに扮するのはオリヴェイラの孫。
2007年、老夫婦マヌエルとシリヴィアはニューヨークにいる。長年連れ添った彼らは互いの愛を確認しあい、二人はコロンブスが航海に出発するまで妻子と過ごしたポルトガルのマデイラ諸島へと向かう。
この高齢のお二人がコロンブスのように航海に挑むのか?なんて想像していたが、撮影時99歳だったオリヴェイラと、その妻には無理な話。で、結局ラストはあっけなく終わってしまって..えっつ!!って感じ。
ドキュメンタリーのようでもあるドラマは、主人公マヌエルとシルヴィアの深い結びつきと愛情が二人を演じる監督夫婦の姿とダブって見えて微笑ましい。
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「'Non', ou A Vã Glória de Mandar」...aka「No, or the Vain Glory of Command」 1990 ポルトガル/スペイン/フランス
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監督、脚本はマノエル・デ・オリヴェイラ。

頭から読んでもお尻から読んでも“NON”は“NON”。戦争は“NON”と言いたかったポルトガルの巨匠マノエル・デ・オリヴェイラの反戦映画。
紀元前~現代に至るまで戦争を繰り返して来たポルトガル。映画はポルトガルの戦争史など何も知らない者でもユーモアたっぷりの展開が面白い。
かつて南アメリカやアフリカ大陸に植民地を持っていたこの国は栄光と敗北を繰り返して来たわけ。
舞台は1974年、アフリカ(植民地)のジャングルをパトロール中のポルトガル軍。小隊を率いる少尉は入隊する前、大学で歴史を研究していた知識人。少尉はトラックに乗り合わせた兵士たちに過去の戦争を語り始める…そして物語の舞台は紀元前へと…ポルトガル軍の兵士たちを演じる俳優が、それぞれの時代に登場する戦いの主人公を演じているのも可笑しくてオリヴェイラ監督のユーモア・センスを感じる。
100歳を超えた現役最年長オリヴェイラ監督の映画は「クレーヴの奥方/1999「家路/2001」「夜顔/2006」と見てきたがどれもDVDで、今回初めてシアターで観ることが出来た。
こちらの映画は「コロンブス 永遠の海」公開前に期間限定公開された。実はこの映画を観るつもりはなかった。「コロンブス 永遠の海」を観る予定で神保町に行き、岩波ホールに通じる地下鉄の階段になぜか?こちらの看板も掲げてあり、全くの勘違いで観に行ってしまった。でも中々面白い展開で「コロンブス 永遠の海」より興味深かったのは事実。
神保町 岩波ホールにて
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by margot2005 | 2010-06-09 00:03 | スペイン | Trackback(3) | Comments(0)