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「23年の沈黙」

「Das letzte Schweigen」…aka「The Sielende」2010 ドイツ
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ドイツの田舎町。ある日、13歳の少女が疾走し、後に死体となって発見されるが事件は迷宮入りしてしまう。そして23年後、以前と全く同じ麦畑で一人の少女が疾走する事件が起きる…

ピアに「ある愛の風景/2004」「未来を生きる君たちへ/2010」「真夜中のゆりかご/2014」のウルリク・トムセン。
ティモに「es [エス]/2002」「SOUL KITCHENソウル・キッチン/2009」「ヒンデンブルグ 第三帝国の陰謀/2001」「ピエロがお前を嘲笑う/2014」のヴォータン・ヴィルケ・メーリング。
エレナに「グッバイ、レーニン!/2003」「陽だまりハウスでマラソンを/2013」のカトリーン・ザース。
ダーヴィトに「バーダー・マインホフ 理想の果てに/2008」「血の伯爵夫人/2009」のゼバスティアン・ブロンベルク。
クリシャンに「白いリボン/2009」「ゲーテの恋~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~/2010」「コッホ先生と僕らの革命/2011」「パリよ、永遠に/2014」「ヒトラー暗殺、13分の誤算/2015」のブルクハルト・クラウスナー。
監督、脚本は「ピエロがお前を嘲笑う/2014」のバラン・ボー・オダー。

23年前に起きた事件は未解決に終わり、その事件のせいで妻と別れることになった元警官のクリシャン。一方で、警官のダーヴィトは妻を亡くしたばかりで情緒不安定に陥っている。クリシャンは今回起きた事件は23年前と同じ犯人だと考え独自に捜査を開始する。

夫とも別れ一人で暮らすエレナは23年前の事件で亡くなった少女の母親。とても酷似した事件が起き戸惑いを隠せない。そんなある日、クリシャンが訪ねて来る。やがて共に配偶者がいない二人は急接近して行く。

成功した建築家のティモは妻子に囲まれ幸せな日々を送っている。そんなある日、麦畑で疾走した少女の事件がTVから流れるのを見て愕然となる。彼は大学生の時にピアと言う一風変わった男と出会い親交を深めていた。そして二人は人には言えない共通の性癖を持っていた。やがてティモは名前を変え、過去を完全に封印して今の生活を得る。妻には知られてはならない性癖をひたすら隠して生きてきたティモは過去に引き戻され茫然自失に陥る。

過去と現在が何度か行ったり来たりする。ピア役のウルリク・トムセンはヘアー・スタイルを変え老けて見せているが、ティモを演じるヴォータン・ヴィルケ・メーリングの容貌が23年前とあまり変わらなく、ほぼ同じ時代の人間に見えて困った。
ウルリク・トムセンはドイツに移住してきたデンマーク人ピアを演じている。彼は善い人役が多いのでこういった役柄は初めて見たが、癖のあるキャラも似合っている。

クリシャンとエレナの急接近と、妻を亡くしたダーヴィトの滑稽なまでの嘆きぶりが、重いサスペンスの中でちょっと一息つける。
面白いサスペンスだったが映画のラストにすっきりしなかった。原タイトルは“最後の沈黙”で、結末はあれで良いのか?と思ったりもしたが、一番すっきりしなかったのは警官のダーヴィトに違いない。犯人は一人ではないと確信し上司に直訴するが聞き入れてもらえず事件解決と納めてしまったのだから...。

「ピエロがお前を嘲笑う/2014」が大ヒットしているのに多分便乗して1週間限定のレイトショー(だれでもワンコイン500円で鑑賞できる)で公開された(既に上映終了)。映画はDVDで上映なので画質は悪い。

新宿 シネマカリテにて
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by margot2005 | 2015-10-31 00:49 | ドイツ | Trackback | Comments(0)

「ヒトラー暗殺、13分の誤算」

「Elser」…aka「13 Minutes」2015 ドイツ
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1939年11月8日、ミュンヘン。恒例のミュンヘン一揆記念演説を行っていたアドルフ・ヒトラーは、その日の悪天候によりいつもより早く演説を切り上げる。やがて人々が会場から去った後仕掛けられた時限爆弾が爆発する。それはヒトラーの演説が終わった13分後だった...

ゲオルク・エルザーに「白いリボン/2009」のクリスティアン・フリーデル。
エルザに「コーヒーをめぐる冒険/2012」のカタリーナ・シュットラー。
アルトゥール・ネーベ大佐に「白いリボン」「ゲーテの恋~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~/2010」「コッホ先生と僕らの革命/2011」「パリよ、永遠に/2014」のブルクハルト・クラウスナー。
ハインリヒ・ミュラーに「顔のないヒトラーたち/2014」のヨハン・フォン・ビューロー。
監督は「es [エス]/2001」「ヒトラー ~最期の12日間~/2004」「ダイアナ/2013」のオリヴァー・ヒルシュビーゲル。

家具職人ゲオルク・エルザーはスパイなどではなくたった一人でヒトラー暗殺を実行した。自身の暗殺を知ったヒトラーは容疑者に対し徹底的な尋問を命じる。命を受けたナチスの親衛隊ネーベとゲシュタポ局長ミュラーは、“暗殺の背後に誰がいる?”と問いつめエルザー単独犯を決して信じようとしない。やがて尋問は拷問に至るがエルザーの答えは変わらない。いや変えられないのだ。単独犯なのだから…。口を割らないエルザーに業を煮やしたゲシュタポはエルザーの恋人エルザを連行してくる。

ドラマは過去に戻る…美しい湖のほとりで友人たちと音楽やダンスに興じるゲオルク・エルザー。ゲオルクは音楽を愛し、平和を愛する家具職人。ある夜、酒場で人妻エルザと出会い魅了される。エルザは暴力をふるう夫に悩まされているが子供を持つ身で別れることもできない。しかし互いに惹かれ合う二人は逢瀬を重ねて行く。
一方でナチスに対する不満を募らせるゲオルクは、ユダヤ人の友人が連行され過酷な労働を強いられていることを知りますますナチスに対して反感を抱くようになる。そこで彼は行動にでるのだ。
たった一人で組み立てた時限爆弾を森に持ち込み爆発の実験を行う。ゲシュタポも認めたように彼の作った時限爆弾はかなりの優れもの。職人のゲオルクは器用な人だったに違いない。巧妙に計画をたて実行に移したものの爆発時間がズレさぞかし悔しかったことだろう。

拷問のシーンなどとてもリアルで目を背けるシーンが多くちょっとツライ映画。でも又一つナチスが起こした悲惨な史実を知った。
原タイトルは主人公の名前。エンディングにゲオルク・エルザー本人の写真が登場する。
反ヒトラーに転じたネーベが殺されてもエルザーは殺されず、ナチスの収容所で生かされたまま1945年4月9日、ヒトラーの死の少し前に処刑された。
エンディングにゲオルク・エルザーの私生活はフィクションであると記される。そう確かに彼の私生活はドラマティックだった。

BSの旅番組で見たヒトラー演説の場所として有名なミュンヘンのビアホール“ホフブロイハウス”。そこで撮影されたのだろうか?あのシーンはスゴく臨場感があった。
トム・クルーズ主演の「ワルキューレ/2008」でもアドルフ・ヒトラー暗殺が描かれている。ヒトラー暗殺は40回以上行われたにも関わらず一度も成功しなかったと言う。暗殺においてはヒトラーはとてつもない強運の持ち主だったに違いない。

TOHOシネマズシャンテにて
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by margot2005 | 2015-10-26 23:33 | ドイツ | Trackback(5) | Comments(0)

「顔のないヒトラーたち」

「Im Labyrinth des Schweigens」…aka「Labyrinth of Lies」2014 ドイツ
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1958年、西ドイツのフランクフルト。戦後から10数年が経過し、国民の間ではナチスによるユダヤ人虐殺の事実は面倒な歴史として忘れ去られようとしていた。そんな折、ジャーナリストのトーマス・グニルカは元SS隊員の男が小学校の教師をしている事実を突き止める。やがて彼は検察庁に談判に行くが誰も彼も黙りを決め込むばかり。そんな中で一人の駆け出し検事が興味を示し、共に調査を進めて行く…

ヨハン・ラドマンに「イングロリアス・バスターズ/2009」「ゲーテの恋~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~/2010」「陰謀のスプレマシー/2012」のアレクサンダー・フェーリング。
ジャーナリスト、トーマス・グニルカにアンドレ・シマンスキ。
マレーネに「愛を読むひと/2008」「ハンナ・アーレント/2012」のフリーデリーケ・ベヒト。
ユダヤ人シモンに「360/2011」のヨハネス・クリシュ。
秘書エリカ・シュミットに「嵐の中で輝いて/1992」のハンジ・ヨフマン。
検事オット・ハラーにヨハン・フォン・ビューロー。
検事総長フリッツ・バウアーにゲアト・フォス。
監督、脚本はジュリオ・リッチャレッリ。

シアターで何度も予告編を見て公開を待っていた一作。
映画を見終わって元ナチスの親衛隊アド ルフ・アイヒマンの裁判の様子を描いた「ハンナ・アーレント/2012」を思い出した。

本作は1963年に“アウシュヴィッツ裁判”が行われることになったいきさつを描いた、実話が基の社会派ドラマ。
ある時、ジャーナリストのトーマスが一人の若い女性に“アウシュヴィッツって知ってる?”と聞くと“知らない!”と言う答えが返ってくる。アウシュヴィッツを知らないドイツ人ているのだろうか?と少々疑問に思った。でもそれは敗戦国の宿命として皆忘れたがっていると言う。

原タイトルは“沈黙の迷宮”。膨大なる資料からアウシュヴィッツに関わったSS隊員(容疑者8000人)を探しだす様は見ていて気が遠くなりそうになった。
忘れ去られようとしている悲惨な過去をほじくりだすことに執念を燃やす新米検事のヨハン。しかし市民からの抵抗と妨害、そして上司から圧力をかけられ、恋人のマレーネにまで非難される。そんなヨハンも一度は断念するものの、やはり最後まで“消された罪”を暴くことをあきらめなかった。
ヨハンが探し当てた容疑者を一人、又一人と追いつめて行く様は見応えがある。
終戦後、アウシュヴィッツに関わった元ナチスのメンバーたちは権力で守られていたというから驚く。

マレーネに非難されたのは、彼女の親族が元ナチスだったという事実を知りそれを伝えたから...善良な市民がナチス党員になった事実に衝撃を受ける。
一時、無理なことだとあきらめ、検事局を去るヨハンにハラーとエリカが冷たい目を送る。あのシーン良かった。

ヨハンはポーランド南部にあるアウシュヴィッツ収容所を見るためシモンを誘う。しかしその地から生還したユダヤ人シモンにとっては二度と足を踏み入れたくない場所だった。
草木が茂るアウシュヴィッツに立つヨハンとトーマスの姿が胸を打つ。
ヨハンを演じるアレクサンダー・フェーリングがナイス・キャスティング。

ヒューマントラストシネマ有楽町にて
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by margot2005 | 2015-10-12 23:13 | ドイツ | Trackback(3) | Comments(2)

「ぼくらの家路」

「Jack」 2014 ドイツ
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ベルリンの街。シングルマザーのザナはボーイフレンドのフィリップを自宅に連れ込み、子供たちのことなど忘れている様子。夜中にお腹がすいて目を覚ましたジャックは知らない男が家にいることに不満を募らせる。ジャックは10歳。6歳の弟マヌエルに朝ご飯を食べさせ学校へと急ぐ…

ジャックにイヴォ・ピッツカー。
マヌエルにゲオルク・アルムス。
ザナにルイーゼ・ハイヤー。
ベッキ(共同脚本)にネレ・ミュラー=シュテーフェン。
フィリップに「THE WAVE ウェイヴ/2008」のヤコブ・マッチェンツ。
監督、脚本はエドワード・ベルガー。

母親のボーイフレンドの衣類を窓から放り投げるジャック。それは彼の嫉妬に他ならない。
二人の息子がいるにも関わらず自分の欲求を満たすことしか頭にない母親。なんという残酷な母親だろうとあきれ果てる。ジャックとマヌエルはただただ一心に母の愛を求めているのに...。母親も息子たちを愛してはいるのだが、自身の欲求を優先してしまうのだ。

ある日、ザナには子供を育てる能力がないと判断され、まだ幼いマヌエルは母親のもとに残されるがジャックは施設に送られる。施設のベッキは優しく接してくれるが、馴染めず友達はできず虐めに合う始末。
やがて夏休みがやって来る。ジャックは母親に会えると驚喜するが彼女は迎えに来なかった。しかし母親に会いたい!家に帰りたい!一心で施設を抜け出し、夜通し歩き続けてアパートにたどり着く。でもドアには鍵がかかり誰もいない。途方に暮れるジャックは母親の友人を訪ねるが、マヌエルを置き去りにしてどこかへ行ってしまっていた。

ベルリンの夜の町。母親を捜して彷徨う2人の姿が切な過ぎる。
ラスト近く、ジャックとマヌエルがさんざん探し回っても見つからなかった母親が家に戻っていた。子供を放って遊び回っていた彼女ながら、全く悪びれもせず“会いたかったわ!お腹空いてる?”なんて問いかけるシーンにぞっとした。

ラストのジャックの判断…あの時彼は10歳にして大人になったのだろう。
主人公ジャックを演じるイヴォ・ピッツカーが素晴らしい。弟を守り面倒を見る健気な姿に胸打たれる。
映画はフィクションながら、こういった家族てきっといるんだろうと想像しますます悲しくなった。

ヒューマントラストシネマ有楽町にて
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by margot2005 | 2015-10-07 22:22 | ドイツ | Trackback | Comments(2)

「ピエロがお前を嘲笑う」

「Who Am I - Kein System ist sicher」2014 ドイツ
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ある日、国際使命手配されている天才ハッカー、ベンヤミンが警察に出頭してくる。やがて彼はユーロポール(欧州刑事警察機関)の捜査官ハンネに語り始める…

ベンヤミンに「ルートヴィヒ/2012」「コーヒーをめぐる冒険/2012」のトム・シリング。
マックスに「THE WAVE ウェイヴ/2008」のエリアス・ムバレク。
シュテファンに「es [エス]/2002」「SOUL KITCHENソウル・キッチン/2009」「ヒンデンブルグ 第三帝国の陰謀/2001」のヴォータン・ヴィルケ・メーリング。
ポールに「es [エス]」「ヒンデンブルグ 第三帝国の陰謀」のアントニオ・モノー・Jr。
マリに「4分間のピアニスト/2006」「バーダー・マインホフ 理想の果てに/2008」「ルートヴィヒ」のハンナー・ヘルツシュプルンク。
ハンネに「未来を生きる君たちへ/2010」「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮/2012」「愛さえあれば/2012」のトリーヌ・ディルホム。
監督、脚本は「23年の沈黙/2013」のバラン・ボー・オダー。

シアターで何度か予告を観てこれは面白そう!とスゴく期待していた。シアターであまり見ることが叶わないドイツ映画だし…。で、初日(土曜日)の最終回にシアターに行ったら“満席で立ち見です!”と言われあきらめた。広い方のシアターなのにと、気を取り直し平日の昼間に行ったところ前二列しか空いてなくてほぼ満席。しかしながらドイツ発のサーバー・マフィア、ドラマは最高に面白かった。

本作の醍醐味は次から次へと攻め立てるスピード感。それは現実なのか?仮想なのか?と考えている間に次の場面に移行する。そして映像もミュージックも大迫力なのだ。
ドイツ映画は時代が古い設定のドラマが多く公開されるような気がするが(日本人に受けるのかも?)、現在が舞台のドイツ映画はスゴくスタイリッシュで面白くて素晴らしい!
捜査官ハンネはベンヤミンに翻弄されまくりながらも...ラスト良かったな。
ぜひMY BESTに入れたいと思う。

主演のトム・シリングは、シアターで見れなくてwowowで見た「コーヒーをめぐる冒険」の主人公ニコ役や、本作のキャラもそうだけど、オタクっぽいイメージがぴったりハマる俳優。
映画宣伝に“この映画のトリックは100%見破れない!”とあるようにどんでん返しのあのラストには唖然!!

新宿 武蔵野館にて
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by margot2005 | 2015-09-25 23:12 | ドイツ | Trackback(7) | Comments(2)

「あの日のように抱きしめて」

「Phoenix」2014 ドイツ/ポーランド
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1945年、6月、ベルリン。アウシュヴィッツ強制収容所から奇跡的に生還したネリーは、同じくユダヤ人の親友レネと暮らし始める。レネはネリー共にパレスチナで新しい生活を夢見ていた...

ネリーに「イェラ/2007」「東ベルリンから来た女/2012」「誰よりも狙われた男/2013」のニーナ・ホス。
ジョニーに「東ベルリンから来た女」のロナルト・ツェアフェルト。
レネにニーナ・クンツェンドルフ。
監督、脚本に「イェラ」「東ベルリンから来た女」のクリスティアン・ペッツォルト。

アウシュヴィッツから奇跡的に生還したネリーは顔に銃の傷を受け酷いありさまだった。やがて整形手術を受けることになったネリーは自分の元の顔に固執する。それは愛する夫ジョニーの元へ戻りたかったから…手術に成功し、傷も癒えたネリーはレネの反対を押し切ってジョニー探しを始める。ある夜、“Phoenix”と言うバーでジョニーを見つけ出すが、彼はもはやピアニストではなくバーで働く労働者だった。思いきって声をかけるが容貌の変わったネリーに気づかない。再びバーを訪れたネリーはジョニーと対面する。すると彼は“君は亡くなった妻に似ている。”と言い、ある事を持ちかける。それは妻のフリをしてくれれば遺産が手に入るので、二人で山分けしようではないか…と言うものだった。今でも夫を心から愛するネリーは迷いながらもこの奇妙な提案を受けることにする。
夫は本当に裏切ったのだろうか?それとも執拗なSSの追求に屈して妻を差し出したのだろうか?

このドラマは少々切なさ過ぎる。
夫は妻の声がわからなかったのだろうか?容貌が変わったといえ声は変わらない。遺産手続きに必要な書類にサインする筆跡もネリーと同じなのに全く疑わない。
やはり彼はユダヤ人である妻をSSに引き渡し、愛情もなくし、遺産のことしか考えていなかったのだろうか?とどのつまりジョニーはネリーに対する良心の呵責から逃れたい一心だったのかも知れない。

「ふたつの名前を持つ少年」と同じくナチスから生き延びたユダヤ人が主人公。都内では2作品とも公開が同じ日。
衝撃で凍りついたジョニーの顔と、してやったり顔のネリーが対照的なラストは唖然だった。
二人で乗る自転車が「東ベルリンから来た女」と被る。
監督ロナルト・ツェアフェルトはニーナ・ホスが好きらしい。
ちょっと太めでブレンダン・フレーザーに似たロナルト・ツェアフェルトが素敵だ。

Bunkamura ル・シネマにて
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by margot2005 | 2015-08-24 22:57 | ドイツ | Trackback(6) | Comments(0)

「ふたつの名前を持つ少年」

「Lauf Junge laugh」…aka「Run Boy Run」2013ドイツ/フランス/ポーランド
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1942年、ポーランドのワルシャワ。父親から“自分の名前を捨てて生きのびるんだ!”と言われたことを胸に、8歳の少年スルリックはたった一人でゲットーから逃げ出し森へと逃げ込む...

スルリック/ユレクにアンジェイ&カミル・トカチ。
マグダ・ヤンチック夫人にエリザベス・デューダ。
農園の女主人ヘルマン夫人に「愛を読むひと/2008」「ヴィクトリア女王 世紀の愛/2009」のジャネット・ハイン。
SS将校に「白いリボン/2009」「東ベルリンから来た女/2012」「パッション/2012」のライナー・ボック。
モシェ・フレンケルにイタイ・ティラン。
監督はペペ・ダンカート。

森に逃げ込んだスルリックは疲れ果て一軒の家の前で倒れてしまう。その家の主はパルチザンでマグダと名のるヤンチック夫人が一人で住んでいた。彼女は少年を温かく迎え入れ衣服、食事、ベッドをを与える。ヤンチック夫人はスルリックにユダヤ人の名前を捨てポーランドの孤児に成りすまして生きた方が良いと説得する。そしてカトリックの祈りを教え、孤児にふさわしい身の上話も作り上げる。父親からユダヤ人であることを忘れてはならないと諭されていたスルリックながら、生きていくためにポーランド人孤児ユレクと名のる決心する。しばしの平和な日常も長くは続かず、いつSS(ナチス親衛隊)がやってくるとも知れず、スルリックはヤンチック夫人の家を出て行かざるを得なかった。その後過酷な逃亡生活の後終戦を迎える。

実話を基に描かれたドラマは前評判が良いのかシアターはかなり混雑していた。
映画のタイトルにあるように、少年は走って、走って生き延びることができた。戦争が集結し、少年を最後に保護した鍛冶屋の家に、ある日一人の男がやってくる。モシェ・フレンケルと名のる彼にはユダヤ人の孤児を家族のもとへ返す任務があった。少年は頑に自分はユダヤ人でないと主張するが、フレンケルの説得で折れ、かつて暮らしたゲットーへ足を運ぶ。しかしゲットーに家族は誰もいなかった。やがてフレンケルは少年に鍛冶屋の元へ戻るか新天地イスラエルへ旅立つか重大な決断を求める。

ホロコーストを生き延びたヨーロッパのユダヤ人が多数パレスチナに移民し、アラブ人やイギリス軍と戦ってイスラエル建国を迎える、監督、製作オットー・プレミンジャー、ポール・ニューマン主演のアメリカ映画「栄光への脱出(Exodus)/1960」を思い出した。

スルリックはなぜ自分は捕えられなければならないのか?と疑問に思うほどの余裕もなく、助けを求めるも、時には門前払いされたり、SSに突き出されたりしつつ、ヘルマン夫人の農園で片腕まで失ったが生き延びたのだ。しかしただユダヤ人と言うだけで手術を拒否された少年の辛さは如何ばかりだったろう?戦争の酷さをひしひしと感じるシーンだった。

映画のラストにイスラエルで妻子や孫に囲まれてサッカーに興じる本人(ヨラム・フリードマン)が映し出される。
主人公を演じるのはアンジェイ&カミル・トカチの双子の兄弟。オーディションで選ばれたという彼らが素晴らしい演技を見せてくれる。

ヒューマントラストシネマ有楽町にて
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by margot2005 | 2015-08-23 20:11 | ドイツ | Trackback(1) | Comments(0)

「しあわせはどこにある」

「Hector and the Search for Happiness」2014 ドイツ/カナダ/UK/南アフリカ
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ロンドンに住む精神科医のヘクターは、自分自身の人生に疑問を抱き、ある日突然幸せ探しの旅に出る。中国、チベット、アフリカそしてアメリカへと旅は続く…

ヘクターに「M:i:III/2006」「ホットファズ 俺たちスーパーポリスメン!/2007」「恋愛上手になるために/2007」「宇宙人ポール/2010」「ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!/2013」のサイモン・ペッグ。
クララに「プライドと偏見/2005」「17歳の肖像/2009」「ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!」「ゴーン・ガール/2014」のロザムンド・パイク。
アグネスに「リトル・ミス・サンシャイン/2006」「いつか眠りにつく前に/2007」「ヒッチコック/2012」のトニ・コレット。
エドワードに「シンデレラ/2015」「ファイティング・ダディ 怒りの除雪車/2014」のステラン・スカルスガルド。
ディエゴに「エンパイア・オブ・ザ・ウルフ/2005」「ダ・ヴィンチ・コード/2006」「バレッツ/2010」「黄色い星の子供たち/2010」「シェフ! ~三ツ星レストランの舞台裏へようこそ~/2012」のジャン・レノ。
コアマン教授に「トレビの泉で二度目の恋を/2014」のクリストファー・プラマー。
イン・リーにミン・チャオ。
ヘクターの患者アンジャリに「クリムト/2006」「パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト/2013」のヴェロニカ・フェレ。
ヘクターの友人マイケルにバリー・アトスマ。
監督、脚本は「フォルテ/2001」「セレンディピティ/2001」「Shall we Dance? シャル・ウィ・ダンス?/2004」のピーター・チェルソム。

精神科医のヘクターは美人で完璧な恋人クララとロンドンの瀟洒な家でリッチな生活を送っている。しかし来る日も来る日も患者の悩みを聞いているうちに、自分って本当に幸せなのか?と疑問に思い、幸せ探しの旅にでる。
ドラマはどのような展開になるのか?サイモン・ペッグ&ロザムンド・パイクのコンビと出演陣の豪華さに期待したが、ストーリーは少々とりとめなくてそれほどでもなかったかな?

上海で知り合ったイン・リーとのエピソードはかなりダラダラとしていてまさににとりとめない…無目的って感じ。ステラン・スカルスガルド演じるエドワードとの出会いは面白かったけど…。
アフリカの僻地の診療所で働くマイケルを訪ねたヘクターはギャングのディエゴと出会う。アフリカでのエピソードも拉致される辺りから少々ついていけなくなりそうだった。ジャン・レノは良かったのに…。
ラスト、L.A.で昔の恋人アグネスと再会した後、コアマン教授の実験に参加して自分を見つめ直すシーンはちょっと良かった。
観る人によって感じ方がかなり違う映画かも知れない。

完璧な女性が似合うロザムンド・パイクとアグネス役のトニ・コレットのキャスティングが良かった。もちろんヘクター役のサイモン・ペッグもナイスなのだけど、どうも物語の展開が今ひとつだった気がする。
全く主旨は違うがベン・スティラーの「LIFE!/2013」を思い出す。

シネマライズにて
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by margot2005 | 2015-06-29 23:58 | ドイツ | Trackback | Comments(0)

「陽だまりハウスでマラソンを」

「Sein letztes Rennen」...aka「Back on Track」2013 ドイツ
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元オリンピックのマラソン・ランナー、パウルは最愛の妻マーゴと二人で暮らしている。しかしマーゴが病に倒れ途方に暮れる。一人娘のビルギットの仕事は世界中を飛び回るキャビン・アテンダントで超多忙。結局ビルギットは老老介護は無理と判断し両親に老人ホーム入りを薦める。妻と連れ立ってイヤイヤ入居したパウルはやがて施設の規律にうんざりしてしまう...

パウル・アヴァホフにディーター・ハラーフォルデン。
マーゴ・アヴァホフにタチア・ザイプト。
ビルギット・アヴァホフに「ラブ·アクチュアリー/2003」「ヒルデ ー ある女優の光と影/2009」のハイケ·マカチュ。
看護師トビアスに「血の伯爵夫人/2009」「THE WAVE ウェイヴ/2008」のフレデリック・ラウ。
病院の責任者リタに「グッバイ、レーニン!/2003」のカトリーン・ザース
ミュラーにカタリーナ・ローレンツ。
入居者老人ルドルフにオットー・メリース。
同じくモートホルスト夫人にアンネカトリン・ビュルガー。
同じくラビンスキー夫人にマリア・メグデフラウ。
同じくフリッチェンにハインツ・W・クリュッケベルク。
キャビン・アテンダントのジェロームに「裏切りの闇で眠れ/2006」「ワールド・オブ・ライズ/2008」「WEAPONS/シークレット・ディフェンス/2008」「スウィッチ/2011」「マダム・イン・ニューヨーク/2012」のメーディ・ネブー。
精神科医グレーンヴォルト医師にヨルク・ハートマン。
監督、脚本はキリアン・リートホーフ。

日本で今や社会問題となっている老老介護。やはりドイツでも…
介護人を家に入れるのは気に入らないし、娘に頼るのは無理だし、妻の面倒を一人でみるのも無理と知ったパウルは家を売ってホームに入居する。しかしホームでの老人に対する扱いは子供と一緒。歌を歌ったり、工作したり。ある日、伝説のランナー・パウルは耐えきれずぶち切れる。

老人ホームで、そこに住む老人が施設の庭をランニングする姿はとても滑稽に映る。周りに車いすの人や、杖をついた老人がいるのだから。
パウルはもちろん、頑固一徹のルドルフを始めとして、優雅で美しいが息子に捨てられたモートホルスト夫人や、バイオリニストの娘の自慢話しかしないラビンスキー夫人。そして元詐欺師のフリッチェンなど、個性豊かな老人が微笑ましい。

主人公のパウルを演じるディーター・ハラーフォルデンはドイツの国民的喜劇俳優。78歳でドイツ映画主演最優秀賞を最高齢で受賞。この爺さんスゴい!
そして実際のベルリンマラソンで撮影されたクライマックスシーンはとても感動的で涙がでそうだった。高齢者だから何もしない。何の目的もないといった生き方にメスを入れたパウルに拍手を贈りたい!

いきなりやって来た精神科医に“老人性ウツ”と診断され、怒り心頭のパウルは側にいたミューラーを殴りつけてしまう。彼の行動に危険を感じた病院スタッフはパウルをベッドに縛り付ける。“老人性ウツ”かどうかは定かではないが、ホームが老人をベッドに縛り付ける出来事はTV等で見た事があり、こういった現実に悲しくなる。
上に書いたホームのスタッフで、まだ若くチャーミングなミューラーは老人相手に歌を歌い、工作を教える日々。彼女の“毎日一人で眠って、一人で目覚めるのよ。”という独白が実に胸に染みる。ラストはホームを捨てアフリカに行ってしまったけど…。

ドイツ製作映画は公開されるが、ドイツ舞台の、ドイツ語映画は中々公開されない。本作は「さよなら、アドルフ/2012」以来に観た、ドイツ舞台のドイツ語作品。
もっとドイツ映画公開して欲しいな。

ヒューマントラストシネマ有楽町にて
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by margot2005 | 2015-03-31 22:20 | ドイツ | Trackback(2) | Comments(0)

「あと1センチの恋」

「Love, Rosie」2014 ドイツ/UK
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英国の小さな田舎町に暮す高校生ロージーとアレックスは6歳からの大親友。互いの家も目と鼻の先にあり何でも話す間柄。そんな二人の夢は米国ボストンの大学に進むこと。やがてロージーはボストン大学から、アレックスはハーバード大学から入学許可の手紙を受け取る。驚喜するロージーは早速アレックスに報告に行くが、彼の家には先客ベサニーがいた...

ロージーに「しあわせの隠れ場所/2009」「白雪姫と鏡の女王/2012」「シャドウハンター/2013」のリリー・コリンズ。
アレックスに「ユナイテッド -ミュンヘンの悲劇-/2011」「スノーホワイト/2012」「ハンガー・ゲーム2/2013」のサム・クラフリン。
グレッグにクリスチャン・クック。
ベサニーにスーキー・ウォーターハウス。
サリーに「ミスター・スキャンダル/2013」のタムシン・エガートン。
サリーの兄フィルにジェイミー・ビーミッシュ
ルビーにジェイミー・ウィンストン。
監督はクリスティアン・ディッター。
原作は「P.S.アイラヴユー/2007」のセシリア・アハーン。

一夜の間違いから妊娠してしまったロージー。子供の父親であるグレッグは打ち明けるなり行方をくらます情けない男。子供は養子に出そうと思っていたロージーながら、生まれてみると俄然母性本能に目覚め自ら育てる決意をする。一方で、アレックスはロジーの日常など全く知らずに恋人サリーとボストンで暮らしている。しかしある時、アレックスはロージーと彼女の娘の存在を知る事になる。その後、反省したグレッグがロージーに結婚を申し込んだり、サリーが妊娠したりと、ロージーとアレックスがもはや結ばれることはない展開に発展する。

昨年の12月中旬に公開以来シアターに女の子が殺到している。冬休みということもあって12月に二回満席で入場を断られ、年が明けやっと観る事ができた。高校生の女の子だけでなくおばさんでも胸きゅんとなる素敵な映画。
英国の小さな田舎町が舞台だがロケーションはアイルランド。
ヒロインとヒーローが白雪姫とそのプリンス役を演じたのも女の子が押し寄せる要因だったかも知れない。
ルビーがロージーに“あなたの親友はわたしよ!”という。そう、男と女は決して親友にはなれないのだ。最初から想像はできたが、好きなのに何年たっても“I Love You!”と言えない二人がラストでやっと結ばれほっとした。
そのまま“ラブ、ロージー”で良いのに相変わらずのヒドい邦題なのと、アレックス役のサム・クラフリンに高校生役は少々無理があった感じ。
Back Musicが最高!そして「P.S.アイラヴユー」より断然こちらがナイス!

新宿シネマカリテにて
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by margot2005 | 2015-01-14 23:48 | ドイツ | Trackback(7) | Comments(0)