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「マジカル・ガール」

「Magical Girl」2014 スペイン/フランス
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12歳の少女アリシアは白血病で余命いくばくもない。彼女は日本のアニメ“魔法少女ユキコ”の大ファン。ある日、父親のルイスは“ユキコ”のコスチュームを着て踊ることが娘アリシアの夢と知る。しかしそのコスチュームは¥で90万と高額な代物。失業中のルイスに金の用意などできるはずもない。やがて思い余った彼は強盗計画を思いつくが、ふとしたことから思いとどまり、美しい人妻バルバラと出会う...

バルバラに「私が、生きる肌/2011」「フリア よみがえり少女/2012」のバルバラ・レニー。
ルイスにルイス・ベルメホ。
ダミアンにホセ・サクリスタン。
アリシアにルシア・ポリャン。
バルバラの精神科医の夫アルフレドにイスラエル・エレハルデ。
バルバラの友人アダにエルザベット・ジェラベルト。
監督、脚本はカルロス・ベルムト。

なんとも言えない味わいの本作は滑稽でいて残酷。そして後味も悪い。
白血病の少女アリシアと、精神不安定のバルバラがどう結びつくのか?と謎だった。やがてルイスとバルバラが出会いとんでもない展開に発展する。

企みはどこまでも余命いくばくもない白血病の愛する娘のため!追いつめられた父親は決死の行動を起こす!しかしそれは酷過ぎる運命のいたずらにより全てが無と化してしまう。
オープニングに登場するバルバラとダミアン。この二人はエンディングでも登場。二つのシーンはこのドラマの全てを語っているのかも知れない。

バルバラの全身にある無数の傷跡や、バルバラと元教師ダミアンとの関係。バルバラをまるでペットの犬のように扱う精神科医の夫の行動は全くもって理解出来ないし、とどめはルイスに恐喝され金を求めて訪れたある“部屋”で何が起こったのか?一回90万って途方もないチャージだ。それらは全て謎に包まれた闇の世界。
ダークな世界のバルバラと、ピンクのコスチュームを着てダンスするアリシア...二人の対比が強烈で可笑くて怖い。

全く違うんだけど、どこか?変な?ブラック・ユーモアといった趣向で、アルゼンチン/スペイン合作のオムニバス・ドラマ「人生スイッチ/2014」を思い出してしまった。

ヒューマントラストシネマ有楽町にて
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by margot2005 | 2016-04-16 00:04 | スペイン | Trackback(7) | Comments(0)

「カニバル』

「Caníbal」2013 スペイン/ルーマニア/ロシア/フランス
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カルロスに「ボルベール<帰郷>/2008」のアントニオ・デ・ラ・トレ。
アレクサンドラ/ニーナに「七つの慈しみ/2011」のオリンピア・メリンテ。
監督、製作、脚本はマヌエル・マルティン・クエンカ。

有能な仕立て屋のカルロスは真面目で孤独を愛する紳士。しかし一方では美しい女性を見つけ殺害し、切り刻んで肉片を冷蔵庫に保存し、調理して食すという“カニバリズム”愛好家でもあった。東欧からやって来た隣人ニーナに目を付けたカルロスはいつものように山荘で彼女を殺害する。しかしニーナが行方不明になったことを知った姉アレクサンドラがカルロスに救いを求めてくる...

IMDbのジャンルはスリラーで、allcinemaではホラー/ロマンスとなっている。血も飛び散らないし、全く残忍なシーンが登場しないホラー映画なんて初めて観た気がする。ポスターにも“LOVE STORY”とある。

舞台はスペイン、グラナダ。ラスト近くでキリスト教徒たちが聖母マリアの像を担ぎ練り歩く姿が映る。それを窓から眺めるカルロスは罪を悔い改めようとしていたのだろうか?連続殺人は完全犯罪だし...。

ニーナとアレクサンドラは双子姉妹ながら正確が全く違う。派手で強引なニーナに比べ、アレクサンドラはおとなしく誠実な女性。やがて次第にカルロスはアレクサンドラに惹かれて行く。そして愛してしまったと知ったカルロスは、自身の欲求(殺して切り刻む)を満たす事ができず苦悩するのだ。

ラストはどうなるのだろう?とスゴく興味深かった。やはりあの形で神はカルロスに罰をくだしたのだろう。きっと…。

“スペインのアカデミー賞にあたるゴヤ賞では作品・監督・主演男優賞を含む8部門にノミネートされ た。”とあるが、その通りカルロス役のアントニオ・デ・ラ・トレが素晴らしい。
イタリア映画祭2012で観た「七つの慈しみ」では少女のイメージだったオリンピア・メリンテが美しい女性に変身している。

ほぼ全シーン寒い季節が舞台。たった一人の仕事部屋や、雪の山荘が静寂かつ平穏で、カルロスが連続殺人鬼であることなど忘れてしまう。背景もとても美しく、やはり本作はラヴ・ストーリーなのだろう。

ヒューマントラストシネマ有楽町にて
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by margot2005 | 2014-06-15 00:04 | スペイン | Trackback | Comments(0)

「インポッシブル」

「Lo imposible」…aka「The Impossible」2012 スペイン
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2004年、12月。英国人夫婦のヘンリーとマリアはクリスマス休暇のため3人の息子を連れタイのリゾート地を訪れる。楽しいクリスマス・イヴもクリスマス・ディも終わり、引き続き家族はヴァカンスを楽しんでいた。しかしクリスマス・ディの翌日スマトラ島沖で巨大地震が発生し、津波が一家を襲う。一緒にいたマリアとルーカスは助かるが、マリアは脚に重傷を負っていた...
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マリアに「夫以外の選択肢/2004」「ザ・バンク 堕ちた巨像/2009」「愛する人/2009」「映画と恋とウディ・アレン/2011」「ドリーム・ハウス/2011」のナオミ・ワッツ。
ヘンリーに「砂漠でサーモン・フィッシング/2011」のユアン・マクレガー。
長男ルーカスにトム・ホランド。
次男トマスにサミュエル・ジョスリン。
三男サイモンにオークリー・ペンダーガスト。
老婆に「みんなで一緒に暮らしたら/2011」「永遠のこどもたち」のジェラルディン・チャップリン。
監督は「永遠のこどもたち/2007」のファン・アントニオ・バヨナ。

シャンテで予告編上映の際、主演のナオミ・ワッツとユアン・マクレガーが“日本の皆さん...”と語るシーンを何度も見て少々気になっていた一作。津波に呑み込まれるシーンがリアルで、観るかどうか迷っていたが、ユアンのファンなのと、シャンテで上映ということで観に行った。
確かに津波のシーンはかなりの迫力。CGだと分ってはいるが、津波によって被害にあったマリアとルーカスの姿は真に迫るものがある。オスカーにノミネートされたナオミ・ワッツは迫真の演技。本作がデビュー作というルーカス役のトム・ホランドも頑張っている。

実話だから皆助かることは分っているが、二転三転する展開に母親マリアは死んでしまうのか?父親ヘンリーは下の息子たちと死んでしまったのか?など余計なことが脳裏をかすめ、ラスト近くで家族全員が無事再会した時はほっとした。

2004年、スマトラ島沖地震に遭遇した家族の実話なのでラストに実際の家族の写真が映し出される。
離ればなれになりながらも必死で家族を捜し、自らが持つ全ての体力と、全ての精神力をかけ懸命に生き残るため奔走する姿に感動する。

老婆が次男トマスと星を見ながらおしゃべりする台詞の中に原タイトル“インポッシブル”という言葉が登場するのが意味深だ。そのワンシーンにだけ出演しているジェラルディン・チャップリンはぎりぎり60代ながら。この方マジで老婆の雰囲気。

ナオミ・ワッツが素晴らしかったと書いたが、夫ヘンリーを演じたユアンも素晴らしかったな。ユアンはファミリーマン役も似合うのだ。そして、長男ルーカスを演じたトム・ホランドはデビュー作とは思えないほどの名演技で、母親を案じ、父親と弟たちを探す健気な姿が涙を誘う。

マリアの完璧な治療のためチューリッヒ保険が手配したプライベート・ジェットでシンガポールへと向かうエンディングに、次回からの私自身の海外旅行保険はチューリッヒにしようと誓った。

TOHOシネマズ・シャンテにて
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by margot2005 | 2013-07-08 23:50 | スペイン | Trackback(13) | Comments(0)

「レッド・ライト」

「Red Lights」 2012 スペイン/USA
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ある日、伝説の超能力者サイモン・シルバーが復活を遂げる。科学者のマーガレット・マシスンは助手のトムに“サイモン・シルバーに近づくのは危険過ぎる…”と警告するがトムは聞く耳を持たない。やがてトムはマーガレットの忠告を無視してサイモン・シルバーに近づいて行くのだった…
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トム・バックリーに「プルートで朝食を/2005」「麦の穂をゆらす風/2006」「ダークナイト/2008」「ダークナイト ライジング/2012」のキリアン・マーフィー。
マーガレット・マシスンに「バンテージ・ポイント/2008」「アバター/2009」「シャドー・チェイサー/2012」のシガニー・ウイーバー。
サイモン・シルバーに「グッド・シェパード/2006」「昼下がり、ローマの恋/2011」のロバート・デ・ニーロ。
ポール・シャクルトンに「ラヴェンダーの咲く庭で/2004」「エリザベス1世 ~愛と陰謀の王宮~/2005」「フロスト×ニクソン/2008」「ブッシュ/2008」「裏切りのサーカス/2011」のトビー・ジョーンズ。
サリー・オーウェンにエリザベス・オルセン。
モニカ・ハンセンに「ドラゴン・タトゥーの女/2011」「もうひとりのシェイクスピア/2011」のジョエリー・リチャードソン。
監督、製作、脚本は「リミット/2010」のロドリゴ・コルテス。

これはレビュー書くのをやめようかと思っていて...でも今年は観た映画のすべてをレビューに書きたいと念頭に誓ったし...でもいややはり全ては無理。既に誓いは破られている。それでとりあえずこちらは書いておこうかなと...。
公開前、みゆき座に本作のポスターがいっぱい貼ってあった。予告も何度か観てドラマティックな展開なのだろうか?と期待していた。そして超常現象ものは好きじゃないが本作を観に行ったのはひとえにキリアンのファンだから…。
ラスト…“えっつ!!トムが!!”とちょっと驚きつつあの展開にはついて行けなかった。

ロバート・デニーロは相変わらず貫禄たっぷり。そしてキリアンは案の定デニーロに押しつぶされそうな気配だった。
サイモン・シルバーのイカサマを暴くシーンもあまり説得力なかった気がする。しかしながら科学者があらゆる超常現象を科学的に解き明かす。それを大学の授業の一環にしているのは実に興味深かった。
トムとマーガレットの息子と母親のような優しい関係も素敵だった。
シガニー・ウイーバーも貫禄だったけどあっけなく死んでしまって残念。久方ぶりにキリアン・マーフィー主演映画に期待したけどホント残念。
サイモン・シルバーの秘書モニカ・ハンセンの存在が良い。演じるジョエリー・リチャードソンもナイス。
ロドリゴ・コルテスが作ったライアン・レイノルズ主演の「リミット/2010」はDVDで見たけど途中で挫折した。スペイン人ロドリゴ・コルテスの世界はどうもダメみたい。

TOHOシネマズみゆき座にて(既に上映終了:TOHOシネマズ・シャンテにてレイトショー上映中/3/21まで)
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by margot2005 | 2013-03-12 22:05 | スペイン | Trackback(9) | Comments(0)

「ブラック・ブレッド」

「Pa negre」…aka「Pain noir」「Black Bread」 2010 スペイン/フランス
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少年アンドレウにフランセスク・クルメ。
父親ファリオルにルジェ・カザマジョ。
母親フロレンシアにノラ・ナバス。
従姉妹ヌリアにマリナ・コマス。
町長に「歌え!ジャニス・ジョプリンのように/2003」「Ricky リッキー/2009」「しあわせの雨傘/2010」のセルジ・ロペス。
監督、脚本はアウグスティ・ビリャロンガ。
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監督はスペインのデヴィッド・フィンチャーと称されるように映画はダークでホラーっぽい。
舞台は1940年代のスペイン・カタルーニャ地方。オープニング…フード付きマントをまとった男が崖から馬車を突き落とす。中にはアンドレウの友達クレットとその父親ディオニスがいた。やがて二人は亡くなるが、クレットは絶命する前に事故を見て駆けつけたアンドレウに謎の言葉を残す...“ピトルリウア…”と。“ピトルリウア”とは森の洞窟に潜むと言われる羽を持った怪物の名前だった。そしてこの後とても、とてもダークな世界に誘われる。

異常に大人びたアンドレウの従姉妹ヌリアは戦争で左手首を失っていた。焼けただれた手を宝箱の中に忍ばせ、森でアンドレウに見せるのだ。一方である時、アンドレウは裸で森を駆け抜ける美青年と出会う。修道院で療養生活を送る彼はアンドレウに“背中から翼がはえて、僕は舞い上がれるんだ。”と話す。その後、母親フロレンシアが秘密にしている戸棚をこじ開けた所、森で出会った青年に良く似た天使の羽を持った若い男の写真が隠してあった。

撮影されたカタルーニャ地方の深い森が神秘的でダーク・ファンタジーの雰囲気。
物語の舞台である内戦後のカタルーニャ地方に生きる人々はとても貧しい。タイトルの“黒パン”とは貧しい人々の食べ物。リッチな人間は“白パン”を食べるわけ…。母親と一緒に町の資産家であるマヌベンス夫人を訪ねたアンドレウは、美味しそうなお菓子を山ほどふるまわれ舌なめずりしていた。富裕者と貧困者の隔たりはあまりにも深い。そして子供のいないマヌベンス夫人はアンドレウを引き取って育てたいと願っていた。

フロレンシアは事件の容疑者として逮捕された夫ファリオルを救おうと町長に直訴に行く。しかし彼の誘惑に屈してしまう。町長はかつてフロレンシアを愛していたが彼女はファリオルを選んだのだった。
大人たちの嘘や裏切りに翻弄される主人公アンドレウが哀れだ。ラスト、母親からことの真実を聞いた息子アンドレウの怒りと悲しみは如何ばかりだっただろう?

本作に出演する俳優はセルジ・ロペス以外日本では知られていないと思う。少ない出番ながら相変わらず存在感あり。先週観たフランス映画「プレイー獲物/2010」では数シーンの出演だったが彼は異彩を放つ素晴らしい俳優だ。
ルジェ・カザマジョは何となく見た顔だと思っていたら「バンズ・ラビリンス/2006」に出演している。

映画を観るのはほぼ90%最終回。観る前に食事をすませることもあるが、時間がない時は食べ物を持ってシアターに入る。この夜も時間がなくてコンビニで買った食べ物を持参した。上映ぎりぎりに入って映画が始まるなり食べようとしたのだが、周りの人々があまりにも静かに映画を観ている…それもかなり熱心に…で、なんとなく食べるチャンスがなくなり空腹状態でシアターを後にした。このようなことは滅多にない。それほど本作は観ているものをスクリーンにクギ付けしたに違いない。物語はかなり重かったけど…。

銀座テアトルシネマにて
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by margot2005 | 2012-07-10 22:36 | スペイン | Trackback(7) | Comments(0)

「私が、生きる肌」

「La piel que habito」…aka「The Skin I Live In」 2011 スペイン
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ロベル・レガルに「ファム・ファタール/2002」「ボーダータウン/報道されない殺人者/2006」のアントニオ・バンデラス。
ベラ・クルスに「アラトリステ/2006」「美しすぎる母/2007」「ジャック·メスリーヌ フランスで社会の敵(パブリック·エネミー)No.1と呼ばれた男 Part1/ Part2/2008」のエレナ・アナヤ。
マリリアに「パリ空港の人々/1993」「オール・アバウト・マイ・マザー/1998」のマリサ・パレデス。
ビセンテにジャン・コルネット。
監督、脚本は「オール・アバウト・マイ・マザー」「トーク・トゥ・ハー/2002」「ボルベール/帰郷/2006」「抱擁のかけら/2009」のペドロ・アルモドバル。
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本作はシャンテでの上映時間が中途半端で中々観に行けずあきらめかけていたが、アルモドバル&バンデラスということで興味があり20:00〜の最終回に観に行った。いやはやホラーというのか、あり得ない展開ながら興味深いミステリー・ドラマだった。
一言でいえば天才外科医の復讐劇か?結局最後は罰せられてしまったが..。

ドラマは時系列で描かれていない。ベラがいきなり現れるので、彼女は何処からきたのだろう?と興味津々となる。やがて過去に戻り、そうくるのか!と鮮やかな展開に驚いた。
しかしながら天才外科医ロベル・レガルはとんでもない男だ。監禁したある人物を実験台にして皮膚移植を行い、亡き妻そっくりの美女を作り上げるのだ。
ドラマが進んで行く上で、ロベルの過去が明かされて行く。それは、使用人のマリリアは彼の実母であったり、車の事故で全身大火傷を負った妻ガルの死因は最終的に自殺であったこと。そして精神を病んだ一人娘が同じく自殺を図り命を落としている。
もう破れかぶれのこの男には未来なんてものはない。そこで彼は狂気の世界へ突き進んでしまったのだろう。

ロベルは最先端のバイオテクノロジーを駆使した人口皮膚開発の権威である世界的な形成外科医という設定。スペイン、トレドにある豪邸の中にベラを監禁し、夜な夜な最先端のバイオテクノロジーに取り組む彼の姿はかなりホラーっぽくて笑える。

天才外科医役のアントニオ・バンデラス。数多のハリウッド映画に出演するスペイン出身俳優のスペイン映画は初めて観た気がする。バンデラスは顔が濃い(印象に残る)ので、はっきり言ってどのような役柄を演じてもバンデラスなのだ。で、過去の彼の役柄が走馬灯のように現れて困った。バンデラス好きなんだけど芸がないってこと?でも「エビータ/1996」じゃマドンナと歌い、ダンスも上手い。逆に芸あり過ぎかも?

ベラを演じたエレナ・アナヤは常にパンストのような肌色のボディ・ストッキングを身につけ身体が被れなかった?か心配。
マリリアの存在はアルモドバル作品に登場する肝っ玉マザーのイメージで完璧。
問われるほど悪い行いをしていないのに、リベンジから囚われの身となり実験台にされた美声年ビセンテが気の毒でならなかった。

TOHOシネマズ・日比谷シャンテにて
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by margot2005 | 2012-06-19 21:32 | スペイン | Trackback(21) | Comments(2)

「ミッドナイト・イン・パリ」

「Midnight in Paris」 2011 スペイン/USA
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ギルに「トラブル・マリッジ カレと私とデュプリーの場合/2006」「ダージリン急行/2007」のオーウェン・ウイルソン。
イネスに「幸せのポートレート/2005」「あぁ、結婚生活/2007」「消されたヘッドライン/2009」「きみがぼくを見つけた日/2009」「シャーロック・ホームズ/2009」のレイチェル・マクアダムス。
アドリアナに「NINE/2009」のマリオン・コティヤール。
ガブリエルに「美しい人/2008」「ロビン・フッド/2010」のレア・セドゥ。
イネスの友人ポールに「ブラッド・ダイヤモンド/2006」「クィーン/2006」「フロスト×ニクソン/2008」のマイケル・シーン。
ポールの妻キャロルにニーナ・アリアンダ。
F・スコット・フィッツジェラルドに「戦火の馬/2011」のトム・ヒドルストン。
ゼルダ・フィッツジェラルドに「ミルク/2008」のアリソン・ピル。
アーネスト・ヘミングウェイにコリー・ストール。
ガートルード・スタインに「P.S.アイラヴユー/2007」「レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで2008」「しあわせの隠れ場所/2009」「わたしの可愛い人-シェリ/2009」「バレンタインデー/2010」のキャシー・ベイツ。
サルバドール・ダリに「ハリウッドランド/2006」「ダージリン急行」「キャデラック・レコード ~音楽でアメリカを変えた人々の物語~/2008」のエイドリアン・ブロディ。
美術館ガイドにカーラ・ブルーニ。
コール・ポーターにイヴ・ヘック。
イネスの父親ジョンに「幸せのちから/2006」のカート・フラー。
イネスの母親ヘレンにミミ・ケネディ。
監督、脚本に「人生万歳!/2009」のウディ・アレン。
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アメリカ人である脚本家のギルが1920年代のパリに迷い込み、ピカソの愛人アドリアナと出会う。彼はフィアンセがいるにも関わらずアドリアナを恋人にしたいと願うが叶わなかった。異なる時代に生きているので叶うわけがないのだが…。
もうどうしようもなくパリに魅せられてしまったギルはイネスとの婚約を解消する。夕暮れ時、パリ、セーヌに架かる橋を歩くギルの前にいきなりガブリエルが現れる。ラスト・シーンはとてもロマンティックだった。

ウディ・アレンの映画を有楽町マリオンの大劇場で観たのは初めてかも知れない。映画公開前、マリオンの通路に本作のデカいポスターが貼られていて、まさか?ここで公開?疑っていたがホントだった。
アレン映画は好きで色々と観ている。「マッチポイント/2005」以来は全てシアターで観て来た。今年の秋にアントニオ・バンデラス主演のアレン映画が公開予定。それも是非観にいきたいものだ。
ともあれ本作はパリ好きにはたまらない…セーヌ/シャンゼリゼ/凱旋門/コンコルド広場/エッフェル/ヴァンドーム広場/ロダン美術館にヴェルサイユ宮殿まで出て来る。そういえばモネの庭、ジヴェルニーでも撮影されていた。

オドレイ・トトゥの「プライスレス 素敵な恋の見つけ方/2006」でホテルマンを演じていたガド・エルマレがイネスの父親に雇われた探偵に扮し、ヴェルサイユ宮殿の“鏡の間”を走り回っていた。フランスは映画の撮影にスゴく協力的。
フランスの元ファースト・レディ、カーラ・ブルーニが美術館の案内役というのもトレヴィアンなキャスティング。
ピカソやダリは当然のことながら、小説家アーネスト・ヘミングウェイやF・スコット・フィッツジェラルド、作家で詩人のガートルード・スタイン、そしてミュージシアン、コール・ポーターなどのアメリカンが20年代パリに住んでいたなんてやはりパリは芸術の都だ。

夜な夜なギルが迷い込む20年代。そのファッションとMusicに引き込まれる。マリオン・コティヤールは20年代のファッションが実に似合っている。
ギルを20年代に誘う車...あれってシトロエン?パリの街の石畳には当然ながらクラシック・カーがマッチしていた。

とても素敵な大人のファンタジー。オーウェン・ウイルソンが飄々としていてつかみ所のないギルにぴったりだ。アドリアナを演じたマリオン・コティヤールと、雑貨屋の娘ガブリエル役のレア・セドゥーがとてもキュート。

丸の内ピカデリーにて
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by margot2005 | 2012-06-10 23:37 | スペイン | Trackback(15) | Comments(6)

「瞳の奥の秘密」

「El secreto de sus ojos」…aka「The Secret in Their Eyes」2009 スペイン/アルゼンチン
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ベンハミン・エスポシトにリカルド・ダリン。
イレーネ・メネンデス・ヘイスティングスにソレダ・ビジャミル。
リカルド・モラレスに「今夜、列車は走る/2004」のパブロ・ラゴ。
リカルドの妻リリアナにカルラ・ケベト。
リリアナの幼なじみイシドロ・ゴメスにハビエル・ゴディーノ。
パブロ・サンドバルに「ルドandクルシ/2008」のギレルモ・フランチェラ。
監督、共同脚本、編集にファン・ホセ・カンパネラ。
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ある日、刑事裁判所を退職したベンハミンはかつての職場を25年ぶりに訪ねる。彼はそこでイレーネとの再会を果たすが、今や彼女は検事となり、結婚し子供の母親でもあった。ベンハミンはイレーネに過去に迷宮入りとなった事件について小説を書くつもりと話始める。それは1974年にブエノスアイレスで起きた銀行員の妻暴行殺害事件のことだった...

アカデミー外国語映画賞受賞(2009)作品。
1974年に起きた銀行員の妻リリアナ殺害事件は捜査に行き詰まり暗礁に乗り上げる、しかし1年が経過したある日、ベンハミンは駅で偶然にもリリアナの夫リカルドに出くわす。リカルドは曜日を変え、駅に現れる容疑者を待っていたのだ。彼の深い愛情に触発されたベンハミンは事件捜査の再会を望む。そしてとうとう犯人を突き止める。
容疑者が現れるのを待つサッカー・スタジアムでのシーンはさすがのサッカー国アルゼンチン!そういや同じくサッカー国のイタリアでも名作「ひまわり/1970」の中で夫を探すヒロインの姿がサッカー・スタジアムにあったのを思い出す。
二度だったか?登場する、ベンハミンが乗る列車を追いかけるあのシーンも素晴らしい!
ベンハミンと相棒パブロが強引に捜査する(捜査令状も持たないで容疑者の家に入り込み手紙を読んだり…)件や、ベンハミンの相棒パブロがジョークを飛ばして笑いを誘う場面はシリアスなドラマの中にあってニクい演出。
25年ぶりに再会した男と女…タイトルにあるように見つめ合う二人の“瞳”が語る秀作。今年度のマイベストに入れたい!
しかしながらあの結末にはマジで驚いた。執念って女のものかと思いきや、リカルドはスゴ過ぎる。
イレーネと出会った瞬間叶わぬ恋に落ちたベンハミンと、リカルドのリリアナへの一筋の愛…“A”が打てないタイプライターも上手く使って...二組の愛の物語でもある。
日比谷・TOHOシネマズシャンテにて
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by margot2005 | 2010-09-11 21:48 | スペイン | Trackback(18) | Comments(2)

「シルビアのいる街で」

「En la ciudad de Sylvia」…aka「In the City of Sylvia 」2007 スペイン/フランス
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彼にグザヴィエ・ラフィット。
彼女に「女王ファナ/2001」「アラトリステ/2006」のピラール・ロペス・デ・アジャラ。
監督、脚本にホセ・ルイス・ゲリン。

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フランス、ストラスブール。スケッチブックを手にカフェに腰を据える青年は突然一人の女性に目を付ける。彼女こそずっと探していたシルビアに違いないと思い込み追いかけ始める。そして“シルビア!”と呼びかけるが無視されてしまう...

カフェでビールを飲みながらスケッチする青年…そこでは恋人同士や友だち同士のカップルがおしゃべりに興じている。彼らの交わす会話にはきちんとした台詞がない。それぞれが好きにおしゃべりする様を青年の目線でカメラが追う。やがて青年の目は一人の美しい女性に釘付けとなる。そして椅子をたった彼女を追いかけ始める。路面電車が通り過ぎるのももどかしく執拗に追いかけて行く。
青年は彼女がシルビアだと思い込んでいるから執拗に追跡を続ける。しかしつきまとわれている女性は怪しい男が何処までもついて来ることに不安を覚え始め、振り切ろうとお店に飛び込んだものの結局見つかってしまう。乗り込んだ路面電車で対面した二人。この時初めて二人の間で台詞が交わされる。“6年前バー飛行士であったシルビアだよね?”と言う彼の言葉に"わたしは1年前にこの街に来たのよ。”とそっけなく答え、“ずっとつけられていて気味が悪かったのよ。”と彼女。“最低だ!”とつぶやき謝る彼。
彼と彼女のつかの間の会話以外ほとんど台詞はない。映像を観ながら耳に聞こえるのは路面電車が走る音や教会の鐘の音、そして石畳に響く靴の音。
ピラール・ロペス・デ・アジャラは「女王ファナ」では激しい役柄だったと記憶するが、こちらでの静かな雰囲気も素敵だ。
グザヴィエ・ラフィットはとてもキュートなフランス人俳優でファンになった。

名もなき青年がカフェで見つけた美女をストーカーする様は、ちょっと前、NHKのハイビジョンで放送していた“世界ふれあい街歩き”のストラスブール編のようで可笑しかった。
絶賛している映画評もあるが、あまりにも淡々としていて、エンディングを迎えた折には“えっつ!これで終わり??”なんて思ってしまった。
渋谷 シアター・イメージフォーラムにて
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by margot2005 | 2010-08-29 22:53 | スペイン | Trackback(3) | Comments(2)

「抱擁のかけら」

「Los abrazos rotos」...aka「Broken Embraces」「Broken Hugs」 2009 スペイン
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レナに「ノエル/2004」「ボルベール/帰郷/2006」「恋愛上手になるために/2007」「エレジー/2008」「それでも恋するバルセロナ/2008」のペネロペ・クルス。
ハリー・ケイン(マテオ・ブランコ)に「バッド・エデュケーション/2004」のルイス・オマール。
ジュディット・ガルシアに「アラトリステ/2006」「宮廷画家ゴヤは見た/2006」のブランカ・ポルティージョ。
エルネスト・マルテルに「宮廷画家ゴヤは見た」のホセ・ルイス・ゴメス。
ライ・Xに「チェ 39歳別れの手紙/2008」のルーベン・オチャンディアーノ。
ジュディットの息子ディエゴに「海を飛ぶ夢/2004」のタマル・ノバス。
レナの母に「靴に恋して/2002」「題名のない子守唄/2006」「ひばり農園/2007」のアンヘラ・モリーナ。
「ボルベール/帰郷」のロラ・ドゥエニャスがエルネストに雇われた読唇術師役で出演している。
監督、脚本に「オール・アバウト・マイ・マザー/1998」「トーク・トゥ・ハー/2002」「バッド・エデュケーション」「ボルベール/帰郷」のペドロ・アルモドバル。
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2008年のマドリード。かつて映画監督だったマテオ・ブランコは14年前に起こった事件により視力を失っていた。彼は過去を完全に封印しハリー・ケインという名前で脚本家として違う人生を生きていた。そんなある日ハリーの前にライ・Xと名乗る男が現れ、自分が監督する映画の脚本を書いて欲しいと依頼する。公私共にハリーの面倒を見るジュディットはハリーがライ・Xの依頼を受ける事に反対する....
1994年のマドリード。大富豪の実業家エルネストの愛人レナは新進監督マテオのオーディションに現れる。美しいレナに心奪われたマテオ、やがて恋に落ちた二人はエルネストの執拗なまでの嫉妬に翻弄されて行く...

こういった展開のLove Storyはとても好み。
時系列で描かれてなく、2008年と1994年が行ったり来たりして少々観づらいがストーリーが解らなくなるといった事は全くない。
盲目の脚本家ハリー・ケインとレナとの過去が語られるあたりから物語は俄然面白くなって行く。
若い女を永遠に所有したいと望む年老いた男の惨めさと、理由は解るが金が目的で年老いた男に取り入った女のしたたかさがが哀れである。
盲目となったハリーを誠心誠意で面倒観るジュディット親子。監督マテオ・ブランコの時代プロデューサーだったジュディットも彼を愛した一人。ラストで語られるマテオ、ジュディット、ディエゴの関係、そして母子の間で内緒にされる事実にジーンと来る。
マテオ、エルネストそしてレナ、ジュディット。考えてみると三角関係が見事に描かれていて感心する。
観ている時はそれほどでもなかったけど、観終わってからジワジワと来るサスペンスも絡めた素敵なラヴ・ドラマだった。
オーディションに現れたレナを“美し過ぎる女”と評したジュディット。妖艶かつキュートな魅力満載のペネロペはホントに美しくレナ役が似合っている。ウイッグを付けてカメラにポーズするレナに“オードリー(H)にそっくり”と言われるシーンはマジでオードリーに似ていた。
しかしながら老人の嫉妬って怖い...階段突き落とし&読唇術によって二人の会話を探るなんて...。
レナの着るドレスがとてもカラーフルかつファッショナブルで印象的。そしてペネロペ・クルスにはやはりスペイン映画が似合う。
ワーナーマイカル・シネマズ板橋にて
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by margot2005 | 2010-02-28 01:06 | スペイン | Trackback(12) | Comments(4)