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「午後8時の訪問者」

La fille inconnue…akaThe Unknown Girl2016 ベルギー/フランス

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ジャン=ピエール・ダルデンヌ&リュック・ダルデンヌ兄弟が描くヒューマン・サスペンス。


ジェニーに「水の中のつぼみ/2007」「メゾン ある娼館の記憶/2011」「黒いスーツを着た男/2012」のアデル・エネル。

ジュリアンにオリヴィエ・ボノー。

ブリアンにルカ・ミネラ。

ブリアンの父に「サンローラン/2014」ジェレミー・レニエ。

ランバートに「ダゲレオタイプの女/2016」オリヴィエ・グルメ。

監督、脚本、製作は「ロゼッタ/1999:息子のまなざし/2002」「ある子供/2005」「ロルナの祈り/2008」「少年と自転車/2011」「サンドラの週末/2014」ジャン=ピエール・ダルデンヌ&リュック・ダルデンヌ。


ベルギーのとある街。小さな診療所に勤めるジェニーは有能な女性医師で、間もなく大きな病院に迎えられる予定。そんなある夜、診察時間外に呼び鈴が鳴り研修医のジュリアンがドアを開けようとするがジェニーはそれを引き止める。翌日刑事がやって来て、近くで身元不明の少女の遺体が見つかったことを知らされる。そして刑事が調べたところ診療所の監視カメラにその少女の姿が映っていた…


ダルデンヌ兄弟の描く世界はいつも社会の底辺に住む人々が主人公。ジェニーは抱える患者から携帯に電話がかかると車で駆けつける。このようなドクターがいる街の住人て幸せだなぁ!と感心した。

ジェニーはとても人間味のあるドクターで、移民の患者にも手厚い治療を施している。そして彼女は優しい人間であるがゆえ、自分のせいで身元不明の少女が殺されてしまったかも知れないという欺瞞に苛まれ、事件に深入りしてしまう。そのせいで自身が危険にさらされることになるとは知らずに…。


身元不明の少女はアフリカからやって来た移民で、昨今のヨーロッパの世情を反映していて興味深い。

熱血漢のジェニーは研修医のジュリアンを思ってこそキツく当たったのだが、一時彼は自身をなくして医者をやめるという。しかしジェニーの説得で自信を取り戻すジェリアンが爽やかでラストには胸を撫で下ろした。


ヒロインのアデル・エネルが好演している。そしてダルデンヌ兄弟常連のオリヴィエ・グルメ&ジェレミー・レニエも脇を固めてナイス・キャスティング。


新宿武蔵野館にて



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by margot2005 | 2017-04-29 22:59 | フランス | Trackback(2) | Comments(4)

「SAINT LAURENT サンローラン」

「Saint Laurent」2014 フランス/ベルギー
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天才デザイナー、イヴ・サンローランの激動の10年を描いた伝記ドラマ。

イヴ・サンローランに「パリ、ジュテーム/2006」「約束の葡萄畑 あるワイン醸造家の物語/2009」のギャスパー・ウリエル。
ピエール・ベルジェに「最後のマイウエイ/2012」のジェレミー・レニエ。
ジャック・ド・バシャールに「ドリーマーズ/2003」「愛の残像/2008」「美しい人/2008」「灼熱の肌/2011」「愛のあしあと/2011」「ジェラシー/2013」のルイ・ガレル。
ルル・ドゥ・ラファレーズに「007 スペクター/2015」のレア・セドゥ。
ベティー・カトルにエメリーヌ・ヴァラーデ。
アニー・マリー・ムニョスに「シルヴィア/2003」「100歳の少年と12通の手紙/2009」のアミラ・カサール。
ドゥーザー夫人に「ミュンヘン/2005」 「ぼくを葬る/2004」「明日へのチケット/2005」「華麗なるアリバイ/2007」「家の主たち/2012」「ローマに消えた男/自由に乾杯!/2013」のヴァレリア・ブルーニ・テデスキ。
イヴの母親リュシエンヌに「やさしい女/1969」「マッキントッシュの男/1972」「クリムゾン・リバー/2000」のドミニク・サンダ。
タリタに「輝ける青春/2003」「イタリア的、恋愛マニュアル/2005」「カイマーノ/2006」「いつか行くべき時が来る/2012」のジャスミン・トリンカ。
晩年のイヴ・サンローランに「地獄に堕ちた勇者ども/1969」「ルードウィヒ/神々の黄昏/1972」「パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト/2013」のヘルムート・バーガー。
監督、脚本、音楽は「メゾン ある娼館の記憶/2011」のベルトラン・ボネロ。

映画はサンローランがホテルに泊まるシーンから始まる。
ファッション界に君臨するイヴ・サンローランは日々創造の苦しみとスランプ、そして激しい愛の葛藤を抱えていた。悩めるイヴ・サンローランといた趣のドラマである。
映画は「イヴ・サンローラン」と同じく美しくて華麗なるファッションに目が釘付け。そして本作ではサンローランの実像にかなり迫っているという。

レビューにも書いたが「イヴ・サンローラン/2014」公開の際、イヴ役はてっきりギャスパー・ウリエルだと思っていたところピエール・ニネがサンローラン役だった。本作と「イヴ・サンローラン」の製作は同年で間違ったのも不思議ではない。

ピエール・ニネ版はピエール・ベルジェの出番も多いが、本作はイヴ中心に10年間に焦点を当てて描いている。晩年のイヴを演じるのはあのヘルムート・バーガー。でもぜんぜん似てなくてミスキャスト??
本作のピエール・ベルジェ役はジェレミー・レニエで、ピエール・ニネ版のギヨーム・ガリエンヌの方がぴったりした気がする。でもイヴ役はピエール・ニネもギャスパー・ウリエルどちらも甲乙つけがたい。二人ともイヴに成りきっていて素晴らしい。

ギャスパー・ウリエル映画は久方ぶり。彼の映画は日本で公開されない様子。
イヴの愛人を演じるルイ・ガレルの老けぶりに驚き。以前は美青年だったこの方年々ヒドくなって行く。かつてパートナーだったうーんと年上のヴァレリア・ブルーニ・テデスキとは別れたみたいだけど…。
ルル役のレアがキュート。ドミニク・サンダが懐かしい。
フランス映画のわりには150分と長いが決して長くは感じず“イヴ・サンローラン”の過激な生き様に浸った。

TOHOシネマズ・シャンテにて
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by margot2005 | 2015-12-26 00:45 | フランス | Trackback(2) | Comments(0)

「最後のマイウエイ」

「Cloclo」 2012 フランス/ベルギー
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60年代から、70年代にかけて絶大なる人気を誇ったフランスの国民的シンガー、クロード・フランソワ(クロクロ)の音楽伝記ドラマ。
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クロード・フランソワに「ある子供/2005」「ロルナの祈り/2008」「夏時間の庭/2008」「約束の葡萄畑 あるワイン醸造家の物語/2009」「しあわせの雨傘/20011」「少年と自転車/2011」のジェレミー・レニエ。
マネージャー、ポール・ルデルマンに「裏切りの闇で眠れ/2006」「引き裂かれた女/2007」「君のいないサマーデイズ/2010」のブノア・マジメル。
クロードの父親エメ・フランソワに「エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜/2007」「ランジェ公爵夫人/2007」「ナンネル・モーツァルト 哀しみの旅路/2010」のマルク・バルベ。
クロードの母親ショウファ・フランソワにモニカ・スカッティーニ。
クロードの姉ジョゼット・フランソワにサブリナ・セヴク。
クロードの最初の妻ジャネットにモード・ジュレ。
クロードの二番目の妻イザベル・フォレにアナ・ジラルド。
フランス・ギャルに「マンク〜破壊僧〜/2011」のジョセフィーヌ・ジャピ。
フランク・シナトラに「トランスポーター3 アンリミテッド/2008」のロバート・ネッパー。
監督、脚本は「スズメバチ/2002」「ホステージ/2005」「命の戦場ーアルジェリア1959ー/2007」のフローラン・エミリオ・シリ。

映画を観るまでフランスの国民的シンガー、クロード・フランソワを知らなかった。ドラマに登場するジルベール・ベコー、ジョニー・アリディ、フランス・ギャルは知ってるのに…でもクロード・フランソワが歌っている曲の中になんとなく聞き覚えがあるなぁと、記憶がよみがえるものが何曲かあった。
そして“マイウエイ”は作詞、作曲共にポール・アンカだとばかり思っていたのも間違いだった。一時期、異常なくらいカラオケにハマった時、ラスト・ソングは“My Way”だった。カラオケ・マシーンの画面に作詞、作曲者の名前が出ていたはずだが、気がつかなかったわけだ。
クロード・フランソワが作った“マイウエイ”の原曲“Comme d'habitude/いつものとおりに”が、フランク・シナトラの歌う歌詞と全く違っていて可笑しい(原曲は失恋ソング)。

クロードがジルベール・ベコーやジョニー・アリディに嫉妬していたことや、フランス・ギャルが一時期恋人だったなんて過去(クロード・フランソワってかなり女好きだった様子)まで描かれていて中々興味深い。
おまけに最初の妻ジャネットはクロードを捨ててベコーに走ったとか。フランス・ギャルが売れて人気者になったことにも怒りを覚えたクロードって人は相当嫉妬深い人間だったに違いない。

クロード・フランソワを演じるジェレミー・レニエが本人(写真を見る限り)にそっくり。歌う場面はさすが口パクだが、ダンスのシーンなどかなり頑張っている。

ジェレミー・レニエをスクリーンで観たのは「ある子供」が初めて。繊細で影のある役柄が似合い、地味な俳優ながらとても存在感を感じた。
「約束の葡萄畑 あるワイン醸造家の物語」のジェレミー・レニエも良かったけど、体当たりで演じたクロード・フランソワは素晴らしかった。
ラスト近く、フランス語バージョン“Comme d'habitude”と、英語バージョン“My Way”を熱唱するクロクロの姿に感動する。

ブノア・マジメルのメタボに唖然!かつての美青年は何処へ??

渋谷 Bunkamura ル・シネマにて
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by margot2005 | 2013-08-14 00:23 | フランス | Trackback(3) | Comments(2)

「少年と自転車」

「Le gamin au vélo」…aka「The Kid with a Bike」 2011 フランス/ベルギー/イタリア
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サマンサに「ロシアン・ドールズ/2005」「モンテーニュ通りのカフェ/2006」「ジャック·メスリーヌ フランスで社会の敵(パブリック·エネミー)No.1と呼ばれた男 Part1/ Part2/2008」「シスタースマイル ドミニクの歌/2009」「スフィンクス/2010」のセシル・ドゥ・フランス。
シリルにトマス・ドレ。
シリルの父親に「ある子供/2005」「ロルナの祈り/2008」「夏時間の庭/2008」「約束の葡萄畑 あるワイン醸造家の物語/2009」「しあわせの雨傘/2010」のジェレミー・レニエ。
監督、脚本、製作は「息子のまなざし/2002、ロゼッタ/1999」「ある子供」「ロルナの祈り」のジャン・ピエール・ダルデンヌとリュック・ダルデンヌ。
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児童養護施設に預けられたシリルはもうすぐ12歳になる。育児放棄した父親はシリルを捨てたのだ。しかしそれを受け入れられない彼は父親を探し回る。児童養護施設を抜け出し父親の家を訪ねるが、既に彼は引っ越していて隣人に追い払われてしまう。哀しみに打ちひしがれ荒れるシリル。そんなシリルがサマンサと出会う。“週末だけ里親になって!”とサマンサに頼むシリル。そしてサマンサはそれを受け入れるのだった。

映画のタイトルとなった“自転車”はシリルが父親から与えられたもの。彼はそれをとても大事にしている。サマンサと出会ったのも自転車が縁だった。
ダルデンヌ兄弟の映画で描かれるのは基本的に貧困家庭の人々。どれもこれも暗くて辛い物語ばかり。でも今まで観た中ではダントツで暗さや、辛さが少なめだった気がする。未来も見えたし…。
「ある子供」と「ロルナの祈り」で破滅していく若い男を演じたジェレミー・レニエは「夏時間の庭」でとても爽やかな青年を演じ、彼につきまとう貧困や辛さの中で生きる弱い男というイメージがすっ飛んだが、ダルデンヌ映画ではまたしても元の父親役に舞い戻り、それが又似合っている。

ある日、サマンサは恋人とシリルを選ぶハメになった時迷うことなくシリルを選ぶ。実の父親に見放された少年を恋人と量りにかけて選んだサマンサの気持ちは一瞬理解出来なかったが、少年とサマンサの間に何か通じるものがあったに違いない。そもそも“週末だけ里親になって!”と頼んだのはシリルの方だったが、サマンサはサマンサで恋人には満たされない何かがきっとあっだことだろう。
もう決して若くないサマンサと、親に捨てられた少年シリル。近所の友人とバーベキュー・パーティを予定する二人の姿に未来が見えて安心した。

渋谷 Bunkamura ル・シネマにて
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by margot2005 | 2012-04-24 22:19 | フランス | Trackback(7) | Comments(0)

「約束の葡萄畑 あるワイン醸造家の物語」

「The Vintner's Luck」 2009 フランス/ニュージーランド
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農夫ソブランに「ある子供/2005」「夏時間の庭/2008」「ロルナの祈り/2008」のジェレミー・レニエ。
天使ザスに「パリ、ジュテーム/2006」のギャスパー・ウリエル。
男爵未亡人オーロラに「こわれゆく世界の中で/2006」「ディパーテッド/2006」「縞模様のパジャマの少年/2008」「マイレージ、マイライフ/2009」のヴェラ・ファーミガ。
ソブランの妻セレストに「クジラ島の少女/2002」「マリア/2006」のケイシャ・キャッスル・ヒューズ。
監督、脚本、製作に「クジラ島の少女」「スタンドアップ/2005」のニキ・カーロ。
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1808年、フランス、ブルゴーニュ地方。ある日、葡萄農夫のソブランは摘み取りの手伝いに来ていた村娘セレストと恋に落ちる。やがて見事に実った葡萄を収穫しワインに仕込み始める。野心家であるソブランはヴリー伯爵に自身を売り込むが相手にしてもらえない。落胆し夜の葡萄畑を彷徨う彼の前にいきなり天使ザスが現れる。ザスに助言をもらい、勇気を得たソブランは父親に反対されていたセレストとの結婚にふみきり、子供をもうける。1年後、約束どおりソブランの前に現れたザスは葡萄の苗木と庭を与え“尾根に苗木を植えなさい!”と告げる…

“誰も味わったことのない自分のワインを作りたい!”と願っていたソブランの前に天使が現れ“尾根に苗木を植えなさい!”と告げる。
映画は宗教的な雰囲気よりファンタジーっぽい。ギャスパー・ウリエルがとても大きくて真っ白な羽を持ったエンジェルに扮しているせいもあるし、農夫と一緒に畑でボトルからワインを飲む天使はとても人間臭く映る(天使なのにとてもsexyなのだ)。
ワイン作りに命をかける男のドラマは期待以上に素晴らしかった。

「夏時間の庭」のレビューにも書いたが、ジェレミーは一作ごとに素敵な俳優になって行く。年齢を重ね結婚する娘を持つ父親に扮しているのにも以外に違和感ない。
カトリーヌ・ドヌーヴの「しあわせの雨傘/2010」に出演しているジェレミーが楽しみだ。
ヴェラ・ファーミガはお気に入り女優の一人。作品ごとに異なった大人の魅力を漂わす彼女は素晴らしい!女優で大好き。

ソブランもオーロラも互いにとても惹かれ合っていたと思う。男は貧乏だが愛する妻と子供を持つ農夫で、女はリッチな貴族の未亡人。おまけに時代は19世紀初頭で、二人は主従関係にある。ソブランの妻セレストが二人の関係を疑い嫉妬するさまは哀しげだった。
ソブランがオーロラに目隠しをしてワインをテイストさせるシーンはゾクッとくるほどエロティック。

舞台はフランス、ブルゴーニュだが台詞は英語。フランス舞台でフランス人の物語はやはりフランス語じゃないとどうも違和感がある。
主人公ソブランに扮するジェレミー・レニエの英語はとても流暢。ちょっと前wowowで放映されていたコリン・ファレルの「ヒットマンズ・レクイエム/2008」でもジェレミー英語喋っていて上手いなぁと思っていたのを思い出す。

渋谷 Bunkamuraル・シネマにて
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by margot2005 | 2010-11-21 00:30 | フランス | Trackback(7) | Comments(4)

「夏時間の庭」

「L'heure d'été 」...aka「Summer Hours 」2008 フランス
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長男フレデリクに「ソフィー・マルソーの愛人〈ラマン〉/2003」「恋は足手まとい/3005」のシャルル・ベルリング。
長女アドリエンヌに「隠された記憶/2005」「こわれゆく世界の中で/2006」「パリ/2008」のジュリエット・ビノシュ。
次男ジェレミーに「ある子供/2005」「ロルナの祈り/2008」のジェレミー・レニエ。
3人の母エレーヌに「ポンヌフの恋人/1991」「アドルフ/2002・ヴォン・ヴォヤージュ/2003」のエディット・スコブ。
エロイーズにイザベル・サドヤン。
フレデリクの妻リサにドミニク・レイモン。
ジェレミーの妻アンジェラにヴァレリー・ボネトン。
アドリエンヌのアメリカ人の恋人ジェームスに「グラン・トリノ/2008」のカイル・イーストウッド。
フレデリクの娘シルヴィーにアリス・ドゥ・ランクサン。
監督、脚本に「溺れゆく女/1998」「クリーン/2004」「パリ、ジュテーム/2006」のオリヴィエ・アサイヤス。

イル・ド・フランスの小さな町ヴァルモンドワ。そこはかつて印象派の画家たちが愛した美しいスポット。画家だった大叔父が生前使っていたアトリエのある瀟洒な屋敷。今ではエレーヌが使用人のエロイーズと暮らしている。
エレーヌの誕生日に集まった家族。長男のフレデリクは経済学者者で妻と二人の子供と共にパリ在住。バツイチのアドリエンヌはNYを拠点に世界中を飛び回るデザイナー。そして次男のジェレミーは妻子と共に移住した中国で仕事をしている。
つかの間の再会。食事の後エレーヌは長男を自室に呼ぶ。そこで彼女は自分が死んだら屋敷も美術品も売却して3等分して欲しいと話し始める。突然の母の申し出にショックを隠しきれないフレデリク。そして1年後、母が亡くなる...
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今年のフランス映画祭オープニング作品。
パリのオルセー美術館開館20周年企画として作られた作品で、オルセーから貸し出されたという美術品の数々が映画に登場する。
パリに行った時もちろん訪れたオルセー。印象派絵画の宝庫のようなオルセーは素晴らしい美術館。映画でも少しだけ登場する。
映画の舞台となったのはパリ郊外イル・ド・フランスの町ヴァルモンドワ。家族が集合し食事をする庭を始めとして、屋敷周辺の景色が素晴らしく美しい。この地は印象派の画家たちが愛してやまなかった場所だそう。
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財産全て売り払って3兄弟で3分割して欲しいと長男に言葉を残した母。しかし母が亡くなって屋敷や思い出の美術品を売り払う事に躊躇するフレデリク。しかしアドリエンヌもジェレミーもフランス、パリから遠く離れた場所を生活の場としている。協議の結果、屋敷も、美術品も売り払う事に決めたが、思い出の詰まった屋敷に執着を見せるフレデリク。全く持ってあり得ないことだが、このようなシチュエイションに遭遇したらどうするだろう?と考えさせられた。
まともな役(職業を持つ妻子ある身)のジェレミー・レニエはとっても素敵なフランス青年(ベルギー出身)でびっくり。彼の過去の役柄とは打って変わって、まるで別人のよう。
過去作品よりもう〜んと若く見え、多分若い役柄のビノシュはスゴくチャーミング。NYを拠点にモダン・アートに携わる彼女のワードローブがコレまたモダン・アートのようで素敵な演出。
しかしこの映画は美しい景色と、美しい本物の美術品が主人公。観るものは、しばしその美しいアートたちに魅せられることだろう。
銀座 テアトルシネマにて...
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by margot2005 | 2009-05-23 19:52 | フランス | Trackback(16) | Comments(9)

「ロルナの祈り」

「Le Silence de Lorna」...aka「Lorna's Silence 」2008 ベルギー/フランス/イタリア/ドイツ

“この愛だけを、私は信じる。”...名匠ダルデンヌ兄弟が描く、国籍売買をテーマにした愛の物語。

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製作、監督、脚本は「息子のまなざし/2002 ロゼッタ/1999」「ある子供/2005」のジャン・ピエール・ダルデンヌ&リュック・ダルデンヌ。
ロルナにコソヴォ共和国出身の新進女優アルタ・ドブロシ。
クローディに「イゴールの約束/1996」「ある子供」のジェレミー・レニエ。
ファビオに「ある子供」のファブリツィオ・ロンジョーネ。
ソコルにアウバン・ウカイ。

ベルギー国籍を取得するためアルバニアからやって来たロルナ。彼女はタクシー運転手でブローカーのファビオの手引きにより麻薬中毒者のベルギー人クローディと偽装結婚する。偽装結婚と知りながらもロルナを慕うクローディは、彼女を希望の糧とし麻薬を断とうとする。
ロルナを利用し国籍売買で儲けようとしているファビオは、ロルナが国籍を得た後、彼女を未亡人にし、国籍を欲しがるロシア人と結婚させようと企んでいた。
同郷人の恋人ソコルとバーを開く夢を持つロルナ。彼女は一日も早くクローディと別れたいと思うが、ファビオがそれを許さない。ロルナには未亡人になってもらわなくてはならないのだ。しかしロルナを頼る哀れなクローディの姿に、彼女の気持ちはぐらつき始める...
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ダルデンヌ兄弟が描く初めての“ラヴ・ストリー”。
しかしこの兄弟の描く世界は単なるラヴ・ストーリーであるワケがない。もちハッピー・エンディングなんてものでもない。
あのラスト...あの後どうなるのだろう?すっごく気になるエンディング。
終始暗い表情を見せるロルナがバイクで走るクローディを追いかけるシーンで一瞬笑顔を見せる。劇中、ただ一度だけ。このロルナのはじける笑顔は、暗いテーマの、暗い物語の中で希望が見える素敵なシーン。
国籍を得る(売買)ためには人の命をも引き換えにする現実に驚くと共に、ロルナを演じるアルタ・ドブロシ自身も隣国コソヴォ共和国出身ということで、作品に対する思い入れにも強いものがあったかと思える。
弱々しくて、打ちひしがれた人間役が似合うジェレミー・レニエ。彼は元々痩せているがジャンキー役のため激やせした姿が痛々し過ぎる。
どの作品にもエンディングに音楽を使わないダルデンヌ兄弟の世界。映画のエンディングに流れるヴェートーヴェンのピアノ・ソナタが心に染みる一作。
恵比寿ガーデンシネマにて...
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by margot2005 | 2009-02-11 22:38 | フランス | Trackback(11) | Comments(2)

「ある子供」

a0051234_23332838.jpg「L' Enfant」...aka 「The Child」2005 ベルギー/フランス
2005年度カンヌ映画祭パルムドール賞受賞作品(リュック・ダルデンヌ、ジャン・ピエール・ダルデンヌ)
監督はリュック・ダルデンヌ、ジャン・ピエール・ダルデンヌ「息子のまなざし/ロゼッタ」で、脚本はレオン・ミショー、アルフォンソ・パドロと監督の共同脚本。
主演はジェレミー・レニエとデボラ・フランソワ。

映画を観る前に、この映画の監督である二人の作品「ロゼッタ/1999」を観た。やはり同じ監督が作ったのだなと、かな〜り感じるものがある。「息子のまなざし/2002」はDVDで観たのだが、途中で挫折しているので、今一度観なければならない事になってしまった。
ヨーロッパは日本に比べ貧富の差が激しい諸国だと思う。前にフランスに行った時、パリ、リヨン駅でジプシーの女性に小銭をねだられ驚いた経験がある...背後には子供の父親らしき男もいた...
日本、東京では考えられない事なので...
この映画でも子供を乳母車に乗せた主人公が、街頭で小銭をねだるシーンが登場する。
大人になれないまま父親と母親になってしまった若者を描いた、せつないドラマである。
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18才のソニア(フランソワ)は子供を産んで恋人のブリュノ(レニエ)の元へ戻った。ブリュノは子供を見て喜ぶどころか戸惑いの表情を見せる。定職のないブリュノはその日暮らしで、物を盗んだり、物乞いしたりして生きていた。ソニアは子供のためでもあり、ブリュノに定職に就いてもらおうと職業斡旋所の長蛇の列に並ぶが、待つ事が出来ないブリュノは子供を乳母車に乗せて公園へと向かう。ここでブリュノはとんでもない事をしでかすのである。以前盗品の売買で知り合った女性が“子供を欲しがってる人がいるのよ!”という言葉を思い出し、とっさに生まれたばかりの自分の子供ジミーを売ってしまうのである。
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とにかく重い、重い、重い作品である。子供の親になること、それは、生んだ母親は若くても実感があると思えるが、父親である男は以外に実感なんて無いのではないだろうか?映画の中でもブリュノが“僕の子供ではない!”という発言をしている。しかし、子供を産んだソニアは我が子ジミー必死で守ろうとする。このソニアの姿が哀れである。ブリュノも本当のワルにはなれない、とりあえず生活のためワルをしている...というのが又哀れである。ラスト・シーンは素晴らしい!
主演のレニエは1981年生まれの割に老けてるのか(ヨーロッパ人だから仕方ない)?ちょっと猿顔で...セイン・カミュに似てるのだけど...。
「ロゼッタ」でリケを演じたファブリツィオ・ロンジョーネがチンピラ役で出演している。映画のエンド・クレジットが音なし(普通back musicありなんだけど...)というのも、この監督の狙いなのか??レニエの「イゴールの約束」DVDで観たはずなんだが...記憶になし...今一度観ないと...。
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by margot2005 | 2006-01-27 01:45 | フランス | Trackback(42) | Comments(16)